来館・成約

式場の見学予約の完了画面は、確定の報告より当日の流れを書く

見学の予約フォームを送信した二人が、最初に見る画面は何でしょうか。多くの式場サイトでは「ご予約ありがとうございました。内容を確認のうえ、改めてご連絡いたします」と出て、そこで終わります。確認メールも、日時とフェア名と、会場の住所が並んでいるだけ、という式場が少なくありません。

僕は、この完了画面と確認メールを、集客の中でいちばん手を入れやすい場所だと考えています。広告費も媒体費も、すでにかかったあとの二人が見ている画面だからです。予約を取るところまでで集客が終わったと見なすと、この場所は空いたまま残ります。

この記事は、完了画面と確認メールに何を書くかを整理する話です。数字はすべて僕が置いた仮の前提で、実在の式場の数字ではありません。出典になる調査も、探しましたが見つけられていません。そのため、断定は「仕組みとしてこうなる」と言える範囲に留めます。

先に結論を書きます。

  • 完了画面で伝えるべきことは、予約が取れたという報告より、「ここから当日までに何が起きるか」です
  • 書くのは、当日の流れ、所要時間、持ち物と服装、変更したいときの手順、担当者から連絡が来る時刻の4点です
  • 来館率が数ポイント動くだけで、年間の成約は数組単位で変わります。文面の作成は一度で済みます

予約した直後の二人が考えていること

見学を予約した二人は、その日の予定を決めたあとも、まだ迷っています。

  • 本当に行く価値があるか。他の式場も同じ週に予約している
  • 行ったら、強く勧められないか。その場で契約を迫られないか
  • どのくらい時間がかかるか。その日のほかの予定と重ならないか
  • 何を着て、何を持っていけばいいのか

この4つは、予約前に答えが出ているわけではありません。予約ページに書いてあっても、フォームを埋めている間は読み飛ばしています。送信したあとの完了画面で、はじめて落ち着いて読む気持ちになります。

その画面が「ありがとうございました」だけだと、4つの疑問は答えのないまま、来館日まで持ち越されます。二人は式場名で検索し直し、口コミを見て、別の式場の予約サイトを開くかもしれません。

これは僕の推測で、数字では確かめていません。ただ、予約した直後の画面は、二人が一番はっきり式場を見ているタイミングです。何も言わずに手放すより、疑問に先に答えたほうが、来館日までの1週間を式場が使えます。

完了画面に書く4つのこと

当日の流れ

「所要時間は約2時間です」だけでは足りません。内訳があると、二人は予定を組めます。

たとえば、次のような書き方です。

  • 受付と挨拶(10分)
  • 会場の見学(40分)
  • 試食(30分)
  • 見積もりと質問の時間(30分)。契約をお願いする時間ではありません

最後の一文は、書くかどうかを式場ごとに決めてください。契約を急がせない、と明記すると、見学を警戒していた二人は肩の力が抜けます。書きにくい式場は、実際に見学の場で急がせているかもしれません。その場合、先に直すのは文面でなく接客です。

所要時間の書き方は、別の記事で扱っています(フェア予約ページの所要時間は、幅と内訳で書く)。完了画面では、予約ページと同じ内容を繰り返すのではなく、二人の予約した枠に合わせて書き直した内容を出します。たとえば10時の枠なら「10時に受付、12時過ぎに終了予定」と、時刻まで入れます。

持ち物と服装

見学に持っていくものは、実はほとんど無い式場が多いはずです。それなら「手ぶらで大丈夫です」と書いたほうが、迷いを減らせます。必要なものがあるなら、それも書きます。

  • 試食がある日は、お腹を空けて来てもらう
  • 靴は歩きやすいもの。庭園やチャペルの階段がある式場なら、高いヒールは勧めない
  • 家族が同席するなら、人数を事前に連絡してほしいこと
  • 雨の日は、駐車場から入口までの動線がどうなるか

二人が悩むのは、「普段着でいいのか」「スーツのほうがいいのか」という点です。この問いを持ったまま来る二人は、会場に入る前から少し身構えているはずです。「普段の服装で大丈夫です」とひと言あるだけで、受付の空気が変わります。

変更・キャンセルの手順

書かれていない式場が多いと感じるのが、予約を変えたいときの方法です。

書いていない式場では、二人は「連絡しにくい」と感じて、そのまま行かなくなります。無断欠席が増えるのは、連絡の手段が見つからないからかもしれません。

変更の手順は、次の3点で足ります。

  • 連絡先(電話、LINE、メールのどれでもよい。複数あると親切)
  • 変更の期限(前日の何時までなら、費用や不利益がないのか。ないなら「いつでも構いません」と書く)
  • 変更したときに、その場で次の候補日を出す、という約束

3つ目は、別の記事でも書いた考え方です(見学予約の変更連絡には、その場で次の候補日を2つ出す)。完了画面でも先に宣言しておくと、二人は連絡のハードルが下がります。

担当者から連絡が来る時刻

「改めてご連絡いたします」は、いつ来るのか分からない約束です。二人は待ちます。待っても来ないと、予約が取れたのか不安になります。

連絡の約束は、時刻と手段を添えて書きます。

  • 「24時間以内に、担当の○○からメールでお送りします」
  • 「ご予約の前日の夕方に、LINEで最終確認をお送りします」

守れる約束だけを書いてください。守れないなら、書かないほうがましです。約束を破るくらいなら、自動で送る確認メールに全部を載せたほうが確実です。

確認メールは、完了画面の控えとして使う

完了画面は、閉じてしまえば消えます。確認メールは、二人があとから何度も見返す場所です。完了画面と同じ4点を、メールにも入れておきます。

メールで足すとよいのは、次の2つです。

  • 会場までの行き方。駅から徒歩何分、というより、二人が実際に使う足で書く(アクセス案内については、別の記事で扱っています)
  • 駐車場の台数と、満車のときの案内

件名には、日付と式場名と「ご予約内容の確認」を入れます。迷惑メールのフォルダに入りやすい文面になっていないかも確かめてください。送信元のドメイン認証の設定漏れで、確認メールが届いていない式場もあります(これも別の記事で書きました)。

予約の入口が複数あるときの揃え方

見学の予約は、公式サイトのフォームだけから入るとは限りません。結婚情報サイトの予約ボタン、電話、LINE、Instagramのメッセージと、入口が複数ある式場が多いと思います。

入口ごとに、二人が最初に受け取る文面は別々です。結婚情報サイト経由の予約では、サイト側の自動メールが先に届き、式場の文面はその後に届きます。この順番だと、式場の確認メールは「2通目」になり、読まれにくくなります。

そこで、入口ごとの違いは次のように整理しておくと、抜けが出にくいです。

  • 公式サイトのフォーム:完了画面と確認メールの両方を式場が決められる。ここを基準の文面にする
  • 結婚情報サイト:サイト側のメールは変えられない。式場からの2通目に、当日の流れと連絡の約束だけを短く送る
  • 電話:通話の最後に、メールで当日の流れを送ると伝え、その日のうちに同じ文面を送る
  • LINEやInstagram:トーク画面に、4点をまとめたメッセージを1通送る。固定のテンプレートを作っておく

文面の中身は入口によらず同じにして、長さと口調だけを入口に合わせます。入口ごとに内容が違うと、担当者が説明を使い分けることになり、見学の場で「メールにはこう書いてあった」という食い違いが生まれます。

モデル計算:来館率が3ポイント動くと

ここから、仮の数字で計算します。実在の式場の数字ではありません。

  • 月の見学予約:80組
  • 現在の来館率:70%(予約した組のうち、実際に来る割合)
  • 来館後の成約率:25%

現在は、月80組の予約のうち56組が来館し、14組が成約します。

完了画面と確認メールを書き直して、来館率が3ポイント上がって73%になったとします。

  • 来館は58.4組になり、月に2.4組増える
  • 成約は、2.4組 × 25% = 0.6組。年にすると7.2組

来館率の上がり方が2ポイントなら年4.8組、4ポイントなら年9.6組です。

仮に1組あたりの粗利が200万円なら、年7.2組で1,440万円です。この200万円も、僕が置いた仮の数字です。自社の粗利で置き直してください。

これを大きいと見るか小さいと見るかは、式場によります。ただ、文面の見直しは、フォームの作り変えや広告の増額と違って、一度書けば続きます。作業は半日もあれば足ります。

反対に、来館率がまったく動かない式場もあります。たとえば、予約のほとんどが電話で入り、完了画面を経由しない式場です。その場合、この記事の話は半分しか当たりません。電話予約では、電話を切る前の最後のひと言と、その日のうちに送る確認メールが、完了画面の代わりです。

自社で測る方法

この改善が効いたかどうかは、来館率で見ます。ただ、前後で比較するだけだと、ほかの要因(フェアの特典、季節)が混ざります。次のように測ると、混ざりにくくなります。

  • 文面を変えた週と、変えない週を、1週間ごとに交互にする。4週間ほど続ける
  • 見る数字は、予約件数に対する来館件数だけ。成約率まで見ると、母数が小さくて判断できない
  • 予約から来館までの日数が違うものは、分けて数える。3日後の予約と、3週間後の予約では、来館率が違う

予約の件数が少ない式場では、4週間では差が見えないかもしれません。その場合は、数字を追うより、完了画面の文面を二人の立場で読み直して、4点が入っているかを確かめるだけで足ります。

書いてはいけないこと

完了画面で、やってはいけないことも挙げます。

  • 追加の特典で来館を煽る。「今ご来館の予約をすると」「期間限定」といった文言は、予約した二人に使うものではありません。すでに来る約束をした二人に圧をかけると、逆に不信感を持たれます
  • 契約を前提にした書き方。「当日は契約のお話もあります」とだけ書くと、警戒心を強めます。契約の話が出るなら、見積もりの時間として書きます
  • 長すぎる文面。画面を2回スクロールするような量は、読まれません。4点を短く、箇条書きで並べるほうが、見返しやすいです

まとめ

  • 見学予約の完了画面は、確定の報告より、当日までに起きることを書く場所です
  • 書くのは、当日の流れ、持ち物と服装、変更の手順、担当者から連絡が来る時刻の4点です
  • 確認メールは、完了画面の控えとして同じ内容を入れ、行き方と駐車場を足します
  • 月80組が予約する仮の式場では、来館率が3ポイント動くと、年に7組ほど成約が増える計算です。数字は仮置きで、自社の粗利で置き直す必要があります
  • 効果は、文面を変えた週と変えない週を交互にして、来館率で測ります