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式場サイトの検索結果の説明文は、理念より二人の疑問に答える

式場名で検索すると、検索結果には公式サイトのタイトルと、その下に2行ほどの説明文が出ます。この2行が「お二人の想いを大切に、一生に一度の特別な一日を」で始まっている式場は、思いのほか多いはずです。

僕は、この説明文は理念を書く場所ではなく、二人の疑問に先に答える場所だと考えています。二人は検索結果を一覧で眺めながら、どれを開くかを数秒で決めます。そのとき手がかりになるのは、タイトルと、この2行だけです。

この記事では、検索結果の説明文がどう決まるのか、二人がそこで何を確かめているのか、入れる情報と書き方の例、効いたかどうかの測り方を整理します。出典があるのはGoogleの公式ドキュメントの内容だけです。数字はすべて、仕組みを見るための想定です。

検索結果の説明文は、どう決まるのか

Googleの公式ドキュメント(検索セントラル「検索結果のスニペットを管理する」)によると、検索結果の説明文であるスニペットは、主にページの本文から自動で作られます。検索した言葉によって、同じページでも違う箇所が表示されることがあります。

ただし、ページに書いた説明文(meta description)のほうが、ページの内容を正確に表せるとGoogleが判断した場合は、そちらが使われます。つまり、説明文を書いても必ず表示されるわけではありません。逆に、書いていなくても、本文のどこかが勝手に表示されます。

もう一つ、同じドキュメントにはこう書かれています。サイト全体で同じ説明文を使い回すと役に立たないので、少なくとも重要なページには、ページごとに固有の説明を用意する。キーワードを並べただけの文章や、ページと関係のない文章は避ける。短すぎる説明も適切ではない。

ここで押さえておきたいのは、説明文が検索順位に効くとは、この文書には書かれていないことです。書かれているのは、質の高い説明が、検索結果での見え方と、クリックしてくる人の質につながる可能性がある、という点だけです。

だからこの記事では、順位を上げる話はしません。すでに検索結果に出ている式場名やフェアのページで、開いてもらえる確率を上げる話をします。順位が同じでも、開かれる割合が違えば、サイトに来る二人の数は変わります。

二人は、2行で何を確かめているのか

式場を探している二人が、検索結果の画面で見ているのは、おおむね次のことです。

  1. この式場は、自分たちの条件(人数・予算・時期・場所)に合いそうか
  2. 見学やフェアに行くと、何をされるのか
  3. 行ったら、断りにくい空気にならないか

理念や想いは、この3つのどれにも答えていません。「お二人の想いを大切に」と書いてあって、見学に行ったら営業をされないのか、という不安は何も解消されないからです。

もちろん、理念が悪いわけではありません。理念は、見学の席で、担当者の言葉と動きで伝わるものです。検索結果の2行に置いても、同じ文言が他の式場にも並んでいるので、区別がつきません。式場名で検索した二人が3軒並べたとき、3軒とも「想いを大切に」なら、決め手は写真と立地になります。

一方で、検索結果で見せられる情報は、多くありません。表示される長さは端末の幅によって変わり、切り詰められることもあります。ドキュメントにも、説明文の長さに制限はないが、表示は切り詰められうる、という趣旨の記載があります。だから、前半の数十字に大事なことを置きます。

説明文に入れる3つの情報

僕が入れるなら、次の3つです。どれも、ページの中身をそのまま要約したものになります。

1つ目は、そのページで何が分かるか

トップページなら「会場の種類」「収容人数の幅」「所在地の最寄り駅」。フェアのページなら「何をする日か」と「所要時間」。料金のページなら「総額の目安の幅」です。

ページごとに、二人が検索に使いそうな言葉を考えます。「〇〇駅 結婚式場 少人数」と検索する二人には、「〇〇駅から徒歩5分、30名までの会食型の挙式に対応」のような言い方が届きます。駅名や人数は、二人が実際に入力する言葉だからです。

2つ目は、行ったら何が起こるか

フェアのページの説明文には、「会場見学と試食、見積もりの説明で約2時間」のように、当日の流れを書きます。所要時間を先に出すと、休日の予定を組む二人が判断しやすくなります。

見積もりの説明があるなら、書いておきます。隠しておいて当日出すと、「話が違う」と感じる二人が出ます。先に書いてあれば、それを承知で来る二人だけが予約します。予約件数は減るかもしれませんが、来館後に離れる二人が減るので、来館あたりの成約率は上がる方向に動きます。

3つ目は、押さないという約束

「当日の契約はお願いしていません」「ご予算は、決まっていなければ聞きません」のような一文です。これは、前に書いた「最初の5分で優先順位を聞く」などの現場の運用が決まっている式場だけが書けます。運用が揃っていないのに書くと、当日、裏切ることになります。

守れる約束だけを書くのが条件です。守れないなら、この3つ目は入れません。1つ目と2つ目だけでも、理念の一文よりは、二人の疑問に答えています。

書き換えの例:同じフェアページを、二通りで書く

仮に、架空の式場「Aホール」のフェアページを例にします。実在の式場ではなく、書き方の見本です。

理念型の例です。

Aホールのブライダルフェア情報。お二人の想いを大切に、一生に一度の特別な一日をお手伝いします。ぜひお気軽にご来館ください。

答える型の例です。

Aホールの見学フェア。会場の見学、コース料理の試食、見積もりの説明で約2時間です。当日の契約はお願いしていません。〇〇駅から徒歩5分、30〜80名の挙式と会食に対応。

後者は、人数の幅、所要時間、やること、押さないこと、場所が入っています。理念型には、二人が自分に関係あるかを判断できる材料が1つもありません。

数字や条件は、自社の実際の運用に置き換えます。「約2時間」「30〜80名」は見本の数字です。自社が、実際は3時間かかるなら、3時間と書きます。短く見せたくなる気持ちは分かりますが、当日の予定が押して不満になるほうが、損が大きいはずです。

書き換えの手順

作業は、半日あれば終わります。

  1. 検索結果を確認する:自社の式場名と、「地名 結婚式場」「地名 ブライダルフェア」のような言葉で検索して、いま出ている自社の説明文を一覧にします。Googleが本文から勝手に拾っている説明文もあるので、そのまま写します
  2. ページを分ける:トップ、会場、料金、フェア、プランナー紹介、アクセスなど、検索結果に出うるページを書き出します
  3. ページごとに書く:さきの3つの情報から、そのページに合うものを2つか3つ選び、固有の説明を書きます。同じ文面を使い回さないのが、Googleの推奨でもあります
  4. 実際の運用と合わせる:所要時間、契約の扱い、見積もりの有無を、現場の担当者に確かめます
  5. 書き換えた日を記録する:あとで、前後を比べるためです

書いたあとで、Googleが別の部分を表示することもあります。そのときは、本文の冒頭を直します。説明文が採用されなかったということは、本文の冒頭のほうが、検索した言葉にとって「正確」だと判断されたということでもあるからです。説明文だけを直しても、ページの冒頭が理念の挨拶で始まっていれば、同じ結果になります。

効いたかどうかを数える

効果は、検索結果での表示回数に対する、クリックされた割合(クリック率)で見ます。Googleが提供する無料の分析ツール、Search Consoleで、ページごとに確認できます。

仮に、次の想定を置きます。

  • フェアのページが検索結果に出る回数:月2,000回
  • クリック率:書き換え前3%、書き換え後4.5%

この想定で計算すると、クリックは月60回から90回に増えます。差は30回です。ここから、フェア予約ページへ進む割合が20%、予約から来館する割合が70%だとすると、来館は月8.4組から12.6組で、差は4.2組です。

ただし、この数字は想定です。実際のクリック率は、検索した言葉、順位、画面の幅で大きく変わります。順位が1位のときと5位のときでは、同じ説明文でもクリック率が違います。だから、書き換えの前後で、順位が大きく変わっていないページだけを比べます。

もう一つ見るのは、予約フォームに入ってきた二人の、最初の質問の変わり方です。「当日、契約しないといけませんか」「所要時間はどれくらいですか」のような質問が、問い合わせに入らなくなっていれば、説明文が先に答えています。

書き換える前に、いまのクリック率を4週間分、記録しておきます。記録がなければ、書き換えの効果と、季節の波を区別できません。

やらないほうがよい条件

次のような場合は、説明文を書き換える前に、ほかのことを先にやるほうがよいと思います。

  • 検索結果に自社のページがほとんど出ていない。表示回数が月に数十回なら、クリック率を直しても動く人数が小さすぎる。まず、見つけてもらう側の問題
  • フェアの所要時間や契約の扱いが、担当者によってばらばら。書いても、当日に守れない
  • 説明文を、キーワードを並べただけの文章にしようとしている。Googleが避けるよう書いている型で、二人にも読まれない

どれも、ページの書き方ではなく、その手前にある問題です。説明文は、現場の運用を2行に縮めて見せるものなので、元の運用が揃っていなければ、縮めた文章も嘘になります。

まとめ

  • 検索結果の説明文は、ページの本文から自動で作られることが多く、書いた説明文のほうが正確だとGoogleが判断したときだけ採用される
  • 説明文の長さは切り詰められうるので、大事なことは前半に置く
  • 二人が2行で確かめているのは、自分の条件に合うか、行ったら何をされるか、押されないか
  • 入れるのは、そのページで分かること、行ったら起こること、守れる場合だけの押さない約束
  • 同じ文面を使い回さず、ページごとに固有の説明を書く
  • 効果は、Search Consoleのクリック率を、順位が変わっていないページで前後比較して見る
  • 表示回数がほとんどない、現場の運用が揃っていない式場は、説明文より先にそちらを直す