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式場サイトのスタッフ紹介は、経歴より相談への答え方を書く

式場サイトのスタッフ紹介ページには、顔写真、肩書き、入社年、趣味、一言コメントが並んでいることが多いです。見ている二人にとっては、どれも「この人に任せて大丈夫か」の判断材料にはなりにくい情報です。

結論から書きます。スタッフ紹介は、経歴や趣味を書くより、「二人からよく受ける相談に、この人はどう答えるか」を書いたほうが、見学予約につながりやすいと僕は考えています。二人が知りたいのは担当者の人柄そのものではなく、自分たちの不安を話したときに、どんな返事が返ってくるかだからです。

この記事では、なぜ従来の書き方が弱いのか、何を書けばいいのか、載せてはいけないもの、効果の測り方を順に整理します。数字は出典のあるものを使わず、すべて仮に置いた計算です。

スタッフ紹介は「候補に入る」段階で読まれる

式場探しの二人は、会場の写真や料金を見たあとに、「どんな人が担当するのか」を確かめに来ます。結婚式は、契約してから挙式まで数か月から1年以上、同じ担当者と何度も打ち合わせをする商品です。会場が気に入っても、担当者が合わなさそうなら候補から外れます。

ここで二人が見るのは、実際に会う前の手がかりです。見学に行く前に、少しでも安心できる材料を探しています。スタッフ紹介のページは、その手がかりを渡せる数少ない場所です。

一方で、式場サイトのなかでスタッフ紹介の優先度は低くなりがちです。更新は後回しになり、辞めたスタッフが載ったままになっていることもあります。後回しにされやすいぶん、書き方を変えるだけで差がつきやすい場所でもあります。

従来の書き方が弱い3つの理由

1. 肩書きと経験年数は、二人の不安に答えていない

「ウエディングプランナー歴8年」「チーフプランナー」と書かれていても、二人にとっては、それが自分たちの何に効くのかが分かりません。経験年数が長いことと、予算に不安がある二人の話を聞くのが上手なことは、別の話です。

2. 趣味や好きな食べ物は、仕事の中身が見えない

「休日はカフェ巡りです」という一言は、親しみやすさを出すためのものです。ただ、親しみやすさは、どの式場の紹介ページでも同じように並びます。他の式場と見比べたとき、違いとして残りません。

3. 一言コメントが、どのスタッフも似てくる

「お二人らしい結婚式を一緒につくります」という文は、誰が書いても同じになります。スタッフごとの違いを出すはずの欄が、全員同じ文面になっていると、読む側は個人の紹介だと受け取れません。

この3つに共通するのは、「このスタッフに何を話せるか」が書かれていないことです。人柄を伝えようとして、仕事の中身が抜けています。

「相談への答え方」を書く型

では何を書くか。僕が勧めるのは、スタッフごとに「よく受ける相談」を2つ選び、それに対する「答え方」を2〜3行で書く形です。

型はこうなります。

  • 相談の言葉(二人が実際に口にする言い方で書く)
  • このスタッフの答え方(結論と、その理由を一言)
  • やらないこと(このスタッフが決めつけないこと)

たとえば、仮に次のように書けます。数字や事例ではなく、考え方の紹介です。

よく受ける相談:「親は呼びたいけれど、友人を何人呼ぶかで迷っています」 答え方:先に親族の人数を確定させて、残りの席で友人を考えます。順番を逆にすると、あとで削る話になりやすいからです。 やらないこと:人数を先に決めて、その枠に二人を当てはめること。

これなら、二人は「自分たちの悩みをこの人に話したら、こういう順番で整理してくれるのか」と想像できます。写真や趣味より、はるかに判断の材料になります。

相談の選び方

相談は、スタッフの得意分野から選びます。全員が同じ相談に答える形にすると、結局また似てしまうからです。

選ぶときの手順は、次の3つです。

  1. 直近の見学で、そのスタッフが実際に受けた相談を思い出して書き出す
  2. そのうち、二人が「聞きにくい」と感じやすいもの(予算、親との関係、日取りの迷い)を優先する
  3. 答え方が、他のスタッフと少しでも違うものを残す

「聞きにくい相談」を載せる理由は、二人が見学に来る前の心理的なハードルを下げられるからです。予算の相談をしたら高いプランを勧められそう、という不安は、見学前の二人にありそうだと僕は見ています。その不安に先に答えておくと、予約ボタンまでの距離が縮まります。

載せるものと載せないもの

スタッフ紹介に載せる項目は、次の5つに絞れます。

  • 名前(姓だけでも可。本人の同意が前提)
  • 担当している場面(見学の案内、契約後の打ち合わせ、当日の進行など)
  • よく受ける相談と答え方(2つ)
  • やらないこと(1つ)
  • 見学で会えるか、指名できるかの案内

逆に、載せないほうがいいものもあります。

  • 他社と比べた優位性(「他の式場より親身です」のような比較)
  • 成約数や売上の自慢(成功者の目線になり、読み手との距離が開く)
  • 根拠のない実績の数字(「担当組数300組」のように、確認できない数字)
  • 本人が望んでいない私生活の情報

特に実績の数字は、会社として確認できるものだけを使います。確認できないなら、数字は書かないほうが安全です。数字がなくても、答え方の中身で十分に違いは出ます。

更新が止まる問題を、仕組みで防ぐ

この形は、書く手間が増えます。顔写真と肩書きだけなら年に1回の更新で済んでも、相談と答え方は、現場の実感が変わるたびに古くなります。続かない仕組みで始めると、半年後に更新が止まって、辞めたスタッフが載ったままのページになります。

続けるには、更新の担当と時期を先に決めておくことです。

  • 更新するのは、年に2回、閑散期の月(見学が少ない月)に決める
  • 退職・異動の連絡が出たら、その週のうちに該当スタッフを外す
  • 相談と答え方は、1人につき2つだけ。増やさない

増やさないことが、更新が止まらない条件です。3つ、4つと増やすと、書く側も読む側も負担になります。

退職したスタッフが載ったままだと、見学に来た二人が「あの人に会いたい」と言ったとき、いない、という事態になります。これは信頼を落とす直接の原因になるので、外す手順は更新の手順より先に決めてください。

効果は「予約ページへの遷移率」で測る

スタッフ紹介の改善が効いたかどうかは、見学予約が増えたかどうかだけで見ると分かりません。予約は他の要因でも動くからです。見るのは、スタッフ紹介のページを見た人が、そのあと予約ページに進んだ割合です。

ここで、前提を置いた計算をしてみます。数字はすべて仮置きで、実際の式場の値ではありません。

  • スタッフ紹介のページを、月に400セッション見られているとする
  • 予約ページへ進む割合が、現状6%だとする
  • 予約した二人のうち、来館する割合を70%、来館した二人の成約率を30%とする

この前提だと、現状は月24件の予約、来館が約17組、成約が約5組です。

書き方を変えて、予約ページへ進む割合が8%になったとします。予約は月32件、来館は約22組、成約は約6.7組になります。差は成約で月に約1.7組です。

ここから分かるのは、次の3点です。

  • 遷移率が2ポイント動くだけでも、成約に換算すると月に1組以上の差になりうる
  • ただし、これは仮の数字なので、自分の式場の数字に置き換えて計算しないと意味がない
  • 閲覧数が少ない式場では、同じ改善でも差は小さくなる。閲覧が月100セッションなら、同じ2ポイントの差は成約で月0.4組ほどで、手間に見合わないこともある

つまり、この改善は、スタッフ紹介のページがそれなりに見られている式場から始めるのが合理的です。見られていないページを磨く前に、そこへ人が流れる導線を直すほうが先です。

測る手順

  1. 改善の前に、スタッフ紹介ページの月間閲覧数と、そこから予約ページへ進んだ数を1か月分控える
  2. 全員を一度に書き換えず、2〜3人分から始める
  3. 1か月後に、書き換えたスタッフのページと、書き換えていないスタッフのページを比べる

同じ月で、書き換えたページと書き換えていないページを並べて比べると、季節による変動を取り除けます。全員を一度に変えると、この比較ができなくなります。

判断の分かれ目

この書き方が向く式場と、向かない式場があります。

向くのは、次のような式場です。

  • 担当プランナーを見学のときに指名できる、または、見学の担当と契約後の担当が同じである
  • スタッフ紹介ページに、一定の閲覧がある
  • スタッフの入れ替わりが、年に数人までで収まっている

向きにくいのは、次のような式場です。

  • 担当者が見学ごとに変わり、指名の仕組みがない(紹介された人に会えない)
  • スタッフの入れ替わりが激しく、更新が追いつかない
  • 本人が顔や名前を出すことに同意していない

担当者を指名できないのにスタッフ紹介を作り込むと、見学で「サイトの人と違う」という落差が生まれます。この場合は、個人の紹介ではなく、「チームとして、よく受ける相談への答え方」を書くほうが安全です。

また、スタッフ本人が「答え方」を書くことに抵抗を持つ場合もあります。自分の仕事のやり方を公開することが、他のスタッフとの比較につながるからです。書く前に、何のためにこのページを変えるのかを、現場に説明しておく必要があります。評価に使うためではなく、二人の不安に先に答えるため、と伝えます。

まとめ

  • スタッフ紹介は、二人が担当者に会う前の手がかりになる。肩書き、経験年数、趣味だけでは、仕事の中身が見えない
  • 書くのは「よく受ける相談」と「答え方」を1人2つ。やらないことも1つ添える
  • 比較、自慢、確認できない実績の数字は載せない
  • 更新が止まらないよう、年2回の更新時期と、退職時に外す手順を先に決める
  • 効果は予約ページへの遷移率で見る。書き換えたページと、そうでないページを同じ月で比べる
  • 担当を指名できない式場は、個人でなくチームの答え方として書く