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式場名が似た会場との取り違えは、月の件数と広告費で対策を決める

「ホテル〇〇の結婚式を見たいのですが」と電話がかかってきて、うちは〇〇ではなく、名前の近い別の会場だった。こういう電話を月に何本受けているか、数えている式場は多くありません。受けたスタッフが「違います」と答えて終わるので、記録に残らないからです。

式場名が近隣の会場と似ているとき、損をする場所は3つあります。広告のクリック、電話の対応時間、そして地図や口コミでの混ざり方です。この記事では、取り違えを月の件数と広告費に直して、どこから手を付けるかを決める方法を書きます。数字は出典のある統計ではなく、仮の式場を置いた計算です。自分の会場の数字に置き換えて使ってください。

取り違えが起きる3つの場所

取り違えは、新郎新婦が式場名を覚えているつもりで、少しずれた名前を打つところから始まります。起きる場所は次の3つに分かれます。

1つ目は検索です。「グランド〇〇 結婚式」と打たれたとき、検索結果には自分の会場も、名前の似た別の会場も並びます。広告を出していれば、似た名前の検索語に対しても広告が表示され、クリックされます。クリックした二人は、サイトを見て別の会場だと気づいて戻る。広告費だけが減ります。

2つ目は電話とメールです。口コミサイトで見た会場名と、実際にかけた電話番号の会場が一致していない。受付で「ご予約の確認ですか」と聞いたら、他会場の予約の話だった、というパターンです。一本ごとは数分でも、フェアの前日などの忙しい時期に重なると、プランナーの手が止まります。

3つ目は地図と口コミです。Googleマップで名前の近い会場が隣に並ぶと、他会場の口コミを見て自分の会場を判断される。逆に、自分の会場の口コミが他会場のページに書かれていることもあります。こちらは数えにくく、気づいたときには評価に差がついています。

まず1か月、取り違えを数える

対策を考える前に、1か月だけ数えます。必要なのは3つの数字です。

  • 電話・メール・LINEで、他会場の話だった件数
  • 広告の検索語レポートで、他会場の名前が入っている検索語のクリック数と費用
  • 来館時のアンケートで「最初に他会場と間違えた」と答えた組数

電話は、受付の手元に付箋を置いて、取り違えの電話があったら1本ごとに線を引くだけで足ります。検索語レポートは、広告管理画面で「検索語句」を月単位で出し、他会場の名前や、自社名と他会場名が混ざった語を拾います。アンケートに1問足すのが難しければ、見学の冒頭で「当会場の名前はすぐ分かりましたか」と聞くだけでも拾えます。

仮の式場で広告費の漏れを計算する

仮に次のような式場だとします。数字はすべて計算のための想定です。

  • 広告の月間クリックは1,200回
  • そのうち、他会場の名前を含む検索から来たクリックが6%
  • 1クリックの費用は150円

6%は72クリックです。72クリックに150円をかけると、月に10,800円、年に約13万円が、他会場を探していた人に使われています。

この額を大きいと見るか小さいと見るかは、式場の広告予算で変わります。月の広告費が20万円なら5%強、月100万円なら1%強です。比率としては大きくありません。

ここで見るのは、漏れの比率より、止められるかどうかです。他会場の名前を含む検索語を除外キーワードに入れる作業は、1回で済み、費用もかかりません。月1万円強が確実に止まるなら、半日もかからない作業としては十分に見合います。

電話の取り違えを時間に直す

電話の取り違えも、仮に置いて計算します。

  • 月の電話の問い合わせが80本
  • そのうち、他会場の話だったのが4本(5%)
  • 1本につき、確認と案内で5分

4本に5分をかけて、月に20分です。時給換算で数百円の話で、対応時間としては取るに足りません。

ただ、電話の取り違えで見るべきなのは時間より、電話をかけてきた二人が自社を見に来る可能性が残っているかどうかです。他会場を探していた二人に、受付が「違います」とだけ返して切れば、そこで終わります。一言「当会場は〇〇にある〇〇です。近くの会場とお間違えではないですか」と添え、見学の案内まで続けられるなら、取り違えは新規の問い合わせに変わることがあります。4本のうち1本でも見学予約になれば、広告費の漏れを取り返せます。

直す順番は、安いものから

取り違えを減らす手は、費用の安い順に並べると次の4つです。

1つ目は、Googleビジネスプロフィールの名称を正式名称に揃えることです。ここに地名や「結婚式場」といった言葉を足して、検索に出やすくする書き方があります。ただ、Googleは名称欄を実際の看板や登録名に一致させるよう求めていて、余計な言葉を足すと修正や停止の対象になります。名称は正式名のまま、住所とカテゴリ、説明文で違いを出すのが安全です。

2つ目は、公式サイトのタイトルと冒頭に、所在地を入れることです。検索結果の1行目に「〇〇市の結婚式場」と出るだけで、名前の近い別の市の会場とは見分けがつきます。サイトの先頭に置く一文も、会場名の次に最寄り駅や市区町村を書きます。

3つ目は、広告の除外キーワードです。他会場の名前を含む検索語は、検索語レポートで見つけて除外に入れます。月に1回レポートを見直せば、新しく出てきた紛らわしい語も追加できます。

4つ目は、電話の第一声を変えることです。「お電話ありがとうございます、〇〇市の〇〇でございます」と、会場名の前に地名を置きます。電話をかけた側が、違う会場だと気づいたときに、その場で切ってくれます。プランナーの時間を取られなくなりますし、取り違えの記録も付箋で数えやすくなります。

検索語レポートの読み方

広告の検索語レポートは、行数が多くて読む気が失せます。見る列は3つに絞れます。検索語、クリック数、費用です。この3列を費用の高い順に並べ、上から50行ほど読みます。

読むときの分け方は単純です。

  • 自社名が正しく入っている語:そのまま残す
  • 自社名と他会場名が混ざった語(「〇〇ホテル 〇〇館」のように両方の一部を含む語):二人が両方を比べている可能性があるので、除外せず残す
  • 他会場の名前だけの語:除外に入れる
  • 自社名の一部だけが似ていて、地名が別の語:除外に入れる

2つ目を残すのは、取り違えではなく比較の検索だからです。この語で来た二人は、むしろ自社を候補に入れかけています。除外してしまうと、見比べている二人を取りこぼします。一覧を読んで除外する語を決めるのは、広告の担当者より、会場の名前を普段から口にしているプランナーのほうが早いことが多いです。

除外キーワードは、入れすぎると自社名の検索まで巻き込みます。「完全一致」で入れ、入れた日付と理由を一覧に残します。3か月後に見直すときに、なぜ入れたか分からない除外語があると、外してよいかが判断できません。

取り違えの数を、媒体費の順位に反映する

もう1か所、見ておく数字があります。取り違えの問い合わせは、媒体や広告の問い合わせ数に混ざっています。他会場の話だった電話も、フォームから来た「他会場の見学予約」も、入口の問い合わせ件数には入ります。

媒体ごとの問い合わせ単価を比べている式場では、名前が似ていることで、ある媒体の件数だけが膨らむことがあります。たとえば、検索広告の問い合わせ件数に取り違えが5%混ざっているなら、本当の単価は表示されている額より5%ほど高いことになります。この差で媒体の順位が入れ替わることは多くありませんが、順位の差が小さい媒体同士を比べるときは、取り違えの件数を引いてから比べます。

手を付けなくてよい場合

ここまでの対策は、取り違えが月に数件以上あるときの話です。数えてみて、電話の取り違えが月に1本もなく、広告の他会場クリックが1%に満たないなら、手を付けなくてかまいません。

数えて少ないことが分かるだけで、この記事の役目は終わります。名前が似ていることを気にして、サイトの名称や看板、ロゴまで変えようとする式場がありますが、それは取り違えの数と釣り合いません。ブランド名を変える費用は、月1万円強の広告漏れとは桁が違います。

反対に、月の取り違えが多い式場は、名前の似た会場が同じ駅や同じ市内にあります。口コミの混ざりも出ているはずなので、除外キーワードと所在地の表記に加えて、口コミへの返信の書き出しに会場名と所在地を入れます。返信が他会場の口コミだと分かった場合は、Googleに情報の修正を依頼する方法もあります。

数える前に決めておくこと

数え始める前に、取り違えが何件あったら対策に進むかを決めておきます。数えてから基準を決めると、結果に合わせて動かしたくなります。

たとえば、次のように置けます。

  • 月に取り違えの電話が5本を超えたら、電話の第一声を変える
  • 広告の他会場クリックが5%を超えたら、除外キーワードを入れる
  • 来館者アンケートで、最初に間違えたと答えた組が1か月に3組を超えたら、サイトの冒頭に所在地を入れる

基準の数字は式場ごとに変わります。大事なのは、数える前に置いておくことと、同じ基準で3か月続けて見ることです。1か月だけの数字は、フェアの数や広告の出し方で簡単に動きます。

まとめ

名前が似た会場との取り違えについて、この記事で書いたことを整理します。

  • 取り違えが起きる場所は、検索と広告のクリック、電話とメール、地図と口コミの3つです
  • 対策の前に、1か月だけ「他会場の話だった電話」「他会場名の検索語のクリック」「最初に間違えたと答えた来館者」を数えます
  • 仮の式場(月1,200クリック、他会場6%、1クリック150円)だと、広告の漏れは月1万円強です。除外キーワードで止められる額なので、作業の割に見合います
  • 電話の取り違えは時間より、地名つきの一言で見学案内につなげられるかどうかで価値が決まります
  • 直す順番は、名称は正式名のまま、サイトの冒頭に所在地、広告の除外、電話の第一声の順です
  • 月に1件もないなら手を付けず、名前を変えるような大きな対策は、数字が見合わないので選びません