式場のGoogleマップは、メインカテゴリを一番売りたい事業で決める
ホテルやレストランを併設している式場で、Googleマップのメインカテゴリが「ホテル」や「レストラン」のままになっているところは、少なくないと思います。登録した当時は、いちばん古い事業や、いちばん売上の大きい事業を選んだはずです。ただ、集客のために見てほしいのは、その事業ではなく、結婚式を探している二人です。
この記事では、メインカテゴリを「いちばん売上の大きい事業」ではなく「いちばん新しく見つけてもらいたい事業」で決める理由と、決めたあとに確かめる手順を書きます。カテゴリが検索順位をどれだけ動かすかは、Googleが数字を出していません。なので「このカテゴリにすれば何位上がる」とは書きません。仕組みとして言えることと、自分の式場の数字で確かめる方法に絞ります。
カテゴリは、検索との「合い方」を決める項目です
Googleは公式ヘルプで、ローカル検索の結果は「関連性」「距離」「知名度」の3つで決まると説明しています。距離と知名度は、式場が簡単には変えられません。立地は動かせませんし、口コミの数も一晩では増えません。
関連性は、検索した言葉とビジネスプロフィールの内容がどれだけ合っているかです。ここに効く項目の筆頭が、カテゴリです。Googleのヘルプには、カテゴリは「ビジネスの種類」を表すもので、メインカテゴリはビジネスを最もよく表すものを1つ選ぶこと、より具体的なものを選ぶことが書かれています。提供しているサービスが複数あるときは、追加カテゴリで知らせる、という整理です。
つまり、メインカテゴリは「Googleに対する、うちは何屋かの自己申告」です。その自己申告が「ホテル」なら、Googleは「ホテルを探している人に出す店」として扱いやすくなります。結婚式場を探している二人に出したいのに、自己申告が違っていれば、関連性の面で不利になりうる。ここまでは、仕組みとして言えます。
逆に、言えないこともあります。カテゴリを変えた直後に順位が何位上がるのか、メインを変えると既存の評価が落ちるのかは、公式の数字がありません。ここは自分の式場で測るしかありません。
併設型の式場が迷う3つのパターン
迷いやすいのは、婚礼以外の事業が大きい式場です。よくあるのは次の3つです。
- ホテルに婚礼部門がある。宿泊・宴会・レストランも同じ建物の中にある
- レストランやカフェが主で、婚礼は週末のみ。ただ、利益の柱は婚礼にしたい
- ゲストハウス型で、婚礼がほとんど。ただ、登録当時に「イベント会場」や「貸し会場」のような広いカテゴリを選んでいた
1と2は、メインを何にするかで迷います。3は、メインが広すぎて、結婚式を探す人との関連性が薄まっているのが問題です。
どのパターンでも、判断の軸は同じです。「日々の売上の大きさ」ではなく、**「新規で来てほしいお客さんは誰か」**で決めます。ホテルの宿泊客は、旅行サイトやGoogleのホテル検索で見つかります。婚礼は、結婚式場を探す二人が検索で見つけなければ、来館予約が始まりません。式場の集客を担う立場なら、メインにしたいのは後者です。
前提を置いた計算で、見え方の違いを確かめます
カテゴリの違いが集客にどう響くかを、仮の数字で確かめます。実在の式場のデータではありません。
次の前提を置きます。
- ホテル併設の式場に、Googleマップ上で月に2種類の検索から表示される
- 「地名 結婚式場」系の検索から、月2,000回表示される
- 「地名 ホテル」系の検索から、月20,000回表示される
- 「結婚式場」系の検索で表示された人のうち、1.5%が見学予約のページまで進む
- 「ホテル」系の検索で表示された人のうち、婚礼の見学予約まで進むのは0.02%(宿泊を探している人が大半のため)
計算すると、次のとおりです。
- 結婚式場系:2,000回 × 1.5% = 30件
- ホテル系:20,000回 × 0.02% = 4件
表示回数は、ホテル系が10倍あります。それでも、婚礼の見学予約につながる件数は、結婚式場系が7倍以上多い計算です。表示回数の多さに引っ張られて、メインを「ホテル」のままにしていると、見学予約に結びつく検索を取りこぼします。
もちろん、この数字は仮置きです。実際は、結婚式場系で表示される回数が増えるかどうかも、カテゴリを変えてみないと分かりません。ここで言いたいのは、表示回数の多さではなく、「婚礼の見学予約に結びつく検索の表示回数」で見るということです。Googleのビジネスプロフィールの管理画面では、プロフィールを見つけた検索語句が見られます。まずはその一覧で、結婚式場系の言葉がどれだけ入っているかを数えるところから始められます。
変える前に、この3つを数えます
カテゴリを変える前に、手元の数字を3つ確かめます。変えたあとに比べるための基準にもなります。
- 検索語句の内訳:管理画面で見られる、プロフィールを見つけた検索語句の上位。結婚式場に関する言葉が、何位までに何個入っているか
- 電話・ルート検索・ウェブサイトのクリック:同じ月の件数。婚礼の見学予約ページに飛ばしているリンクがあるなら、その経由の件数も分けて記録します
- 見学の受付で聞いた認知経路:「Googleマップ」と答えた組の数。1問ではなく、最初に知った場所と、予約前に最後に見た場所の2問に分けて聞くと、マップの役割が分かりやすくなります
これを変更前の4週間分、メモしておきます。変更後に同じ4週間を取って並べれば、カテゴリの変更が効いたかどうかを、自分の式場の数字で判断できます。
変えるときのやり方
決まったら、次の順で進めます。
- メインカテゴリの候補一覧から、結婚式場に当たるものを選びます。名称は管理画面の候補で確かめてください。僕が名前を決め打ちで書くと、Googleの候補の変更に合わせて古くなるからです
- もとのメインカテゴリ(ホテル、レストランなど)は、削除せず追加カテゴリに移します。ホテルとして探している人や、レストランとして探している人にも、引き続き知らせるためです
- 追加カテゴリには、実際に提供しているものだけを足します。披露宴のあとに二次会や会食を受けているなら、それに当たるカテゴリです。提供していないサービスのカテゴリを足すのは、Googleのガイドラインの面でも、見学に来た二人の期待のずれの面でも、よくありません
- 変更の日付をメモします。同じ月に営業時間の修正や写真の追加を一気にやると、何が効いたか分からなくなります。カテゴリ変更の月は、ほかの大きな変更を入れないほうが、あとで読み取りやすくなります
追加カテゴリは、検索の言葉によってはメインカテゴリの代わりに表示されることがあります。上限数や表示のされ方は変わりうるので、最新の仕様はヘルプで確かめるのが確実です。
カテゴリを変えたら、リンク先と写真も合わせます
カテゴリだけを結婚式場に寄せても、開いたプロフィールの中身がホテルの宿泊案内のままでは、二人は戸惑います。結婚式場として見つけた二人が最初に見るのは、写真、ウェブサイトのボタン、口コミの3つです。
- ウェブサイトのリンク:トップページではなく、ブライダルフェアや見学の予約ページに飛ばすかどうかを決めます。ホテルの宿泊予約と同じリンクを使っていると、婚礼を探している二人が途中で迷います
- 写真の並び:オーナー写真の最初の数枚は、客室や宴会場ではなく、挙式会場と披露宴会場にします。写真の枚数よりも、実物との差が来館後の評価を動かします
- 口コミ:宿泊の口コミと婚礼の口コミが混ざっていると、結婚式を考えている二人には、どれが自分に関係する評価か分かりません。返信の文面は、見学前の二人が読むものとして書き、婚礼に触れた口コミには、会場や担当者の話を添えます
カテゴリの変更は、プロフィール全体の「何屋か」を言い直す作業の入口です。入口だけ変えて中が変わっていなければ、見つけてもらう回数が増えても、見学予約には結びつきません。変更後の4週間を比べるときも、検索語句の表示回数だけでなく、ウェブサイトのクリックから予約ページへの到達まで、同じ順番で見ます。
変えないほうがいい場合
全部の式場が変える必要はありません。次のような場合は、変えないという判断もあります。
- すでにメインカテゴリが結婚式場で、検索語句の上位にも婚礼の言葉が並んでいる
- 婚礼の売上がごく小さく、集客の目的がホテルの宿泊や宴会の予約である
- 婚礼とホテルで、それぞれ別の建物・別の名称で、プロフィールを2つ作れる運営体制がある(その場合は、ビジネスプロフィールを分けて、それぞれにメインカテゴリを置くほうが、関連性の面では自然です。ただし、Googleのガイドラインに沿った登録かどうかは、事前にヘルプで確かめます)
3つ目は、運営の手間が増えます。口コミの返信も、写真の更新も、営業時間の管理も、2か所になります。一人で回している式場では、現実的でないこともあります。
月1回、同じ画面を見る
カテゴリは、一度決めたら終わりではありません。婚礼の比重が変わったり、併設の事業を閉めたりすれば、見直すタイミングが来ます。月1回、次の3つを見るだけで足ります。
- メインカテゴリが、いま集客したい事業になっているか
- 追加カテゴリに、提供をやめたサービスが残っていないか
- 検索語句の上位に、結婚式場を探す言葉が入っているか
写真や口コミは目に見えて直しやすいのに対して、カテゴリは設定画面の奥にあって、登録した日から一度も開かれていないことが多い項目です。
まとめ
- Googleのローカル検索は「関連性・距離・知名度」で決まり、カテゴリは関連性に効く項目です
- メインカテゴリは、売上の大きい事業ではなく、新規で見つけてもらいたい事業で決めます
- 表示回数の多さではなく、婚礼の見学予約に結びつく検索の表示回数で見ます
- 変更前の4週間の検索語句・電話・ルート検索・認知経路を記録してから変えます
- もとのカテゴリは削除せず追加カテゴリに移し、提供していないサービスは足しません
- 順位への効き方は公式の数字がないので、自分の式場の前後比較で判断します
