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円卓を8人から10人にすると、仮の式場では1組あたり卓が1.3卓減る。ただ、差が大きいのは卓の人数ではなく「属性を混ぜない」ルールで、こちらは約3卓増える

披露宴の円卓を、1卓8人にするか10人にするか。会場ごとに「うちは10人卓です」と決めているところが多く、あまり議論になりません。ただ、僕が気になっているのは、卓の人数そのものより、その後ろにある席次の決め方のほうです。

結論を先に書きます。仮の式場で、ゲスト55人ほどの披露宴を何千通りか並べてみました。1卓8人を10人にすると、必要な卓は平均で1.3卓ほど減ります。1卓あたりの固定費を1.5万円と置くと、1組で2万円ほど、年120組で約240万円です。一方で、親族・友人・職場を同じ卓に混ぜない席次を守ると、卓は10人卓でも約3卓増えます。金額にすると年に約530万円で、卓の人数を変える効果の2倍を超えます。

つまり、「何人卓にするか」を決める前に、「どこまで混ぜていいか」を決めたほうが、卓数は大きく動きます。この記事では、その数字の出し方と、会場側が決めておくことを書きます。

数字はすべて、僕が置いた仮のものです。ゲスト名簿の構成も、卓の固定費も、自分の会場の実績に置き換えて読んでください。例外は、冒頭にある招待客数の平均だけで、これはゼクシィの調査から取りました。

先に押さえる事実。招待客の平均は52人

ゼクシィ結婚トレンド調査2024(リクルート、2024年10月25日発表)によると、披露宴・ウエディングパーティーの招待客数の平均は52.0人でした。前年の調査から2.9人増えています。

この52人が、そのまま1つの披露宴の人数ではありません。ばらつきがあるので、30人台の披露宴もあれば、80人を超える披露宴もあります。ただ、中心はこのあたりだと分かります。この記事では、少し多めの55人を平均に置いて、40人から70人までの披露宴を想定します。

この人数は、二人を除いたゲストの数です。新郎新婦の席は、高砂や二人の卓として別に取ります。今回は、ゲストの卓だけを数えます。

割り算の卓数。55人なら、8人卓で7卓、10人卓で6卓

いちばん単純な数え方は、ゲストの人数を卓の人数で割ることです。

  • 55人を8人卓に座らせる:55÷8で6.9、切り上げて7卓
  • 55人を10人卓に座らせる:55÷10で5.5、切り上げて6卓

この数え方だと、差は1卓です。10人卓のほうが1卓少なくて済みます。会場の見積もりに「卓数」として出てくるのも、たいていはこの数え方です。

ただ、実際の披露宴で、人数を割り算で座らせることはほとんどありません。席次は、人数ではなく「この人たちは同じ卓に座ってもらう」という塊で組むからです。

実際の席次は、塊で決まる

両家の人数に差があるときに、席を「側」で分けるか「関係」で混ぜるかは、別の記事で書きました。この記事で見るのは、そこから一歩手前の話です。側の分け方は決まったうえで、卓の人数を何人にするかと、親族・友人・職場といった関係の塊をどこまで同席させるかで、卓数がどれだけ動くかを数えます。

二人が席次表を作るとき、最初にやるのは、招待客を属性でグループにすることです。新郎側の親族、新婦側の親族、学生時代の友人、職場の上司、同僚。そのグループごとに卓を作って、誰が上座か、誰と誰を並べるかを考えます。

仮に、58人の披露宴で、次のような塊だったとします。

塊 人数
新郎の親族 11人
新婦の親族 9人
新郎の友人 8人
新婦の友人 7人
新郎の職場 6人
新婦の職場 5人
共通の学生時代の友人 7人
恩師・その他 5人

合計で58人。ここで、卓の数を3通りの方法で数えます。

  1. 割り算:58÷卓の人数を切り上げる
  2. 混ぜない:塊を1つの卓に収める。塊が卓の人数より大きければ、2つの卓に分ける。別の塊とは同席させない
  3. 小さい塊だけ混ぜる:塊が卓の人数より大きければ分ける。余りの小さい塊は、合計が卓の人数に収まる範囲で同じ卓にまとめる

結果は、次のようになりました。

数え方 8人卓 10人卓
割り算 8卓 6卓
混ぜない 10卓 9卓
小さい塊だけ混ぜる 8卓 7卓

ここで見えるのは、2つのことです。

1つは、「混ぜない」席次にすると、8人卓なら10卓、10人卓でも9卓になることです。割り算なら6卓で足りたはずの10人卓が、塊を守ろうとすると9卓に増えます。

もう1つは、8人卓と10人卓の差が、数え方によって変わることです。割り算では2卓、混ぜないでは1卓、小さい塊だけ混ぜるでも1卓です。「10人卓にすれば2卓減る」という計算は、席次を割り算で組んだときの数字で、実際の席次では当てはまりません。

席の空きも、数えておきます。10卓の8人卓には80席があり、58人が座るので22席が空きます。9卓の10人卓なら90席で、空きは32席。小さい塊だけ混ぜるなら、空きは8人卓で6席、10人卓で12席になります。

何千通りかで並べてみる

1つの例だけでは、たまたまかもしれません。そこで、パソコンで1万通りの披露宴を作って、同じ計算をしました。置いた前提は次のとおりです。

  • ゲストの合計は40人から70人の間でランダムに決める(平均は約55人)
  • 塊の大きさは3人から12人の間でランダムに決める(平均7.5人ほど)
  • 塊の数は、平均で7.8個になる
  • 塊が10人を超えるのは、平均して1.3個

塊の大きさの分布は、僕が置いたものです。実際の名簿の塊が、これより大きいのか小さいのかは、会場ごとに違います。

結果を、平均の卓数で並べます。

数え方 8人卓 10人卓 差
割り算 7.33卓 5.94卓 1.39卓
混ぜない 10.56卓 9.16卓 1.40卓
小さい塊だけ混ぜる 7.50卓 6.19卓 1.31卓

縦に見ると、卓の人数を8人から10人に変えたときの差は、どの数え方でも1.3卓から1.4卓です。横に見ると、同じ10人卓でも、「小さい塊だけ混ぜる」が6.19卓で、「混ぜない」が9.16卓。差は2.97卓あります。8人卓で比べると、7.50卓と10.56卓で、差は3.06卓です。

卓の人数を変える効果は1.3卓ほど、混ぜ方を変える効果は3卓ほど。混ぜ方のほうが、2倍以上大きい計算です。

なお、塊ごとに卓の大きさを変えられるなら(5人の塊は6人卓、11人の塊は12人卓)、卓数は塊の数と同じ、平均で7.8卓になります。これは「小さい塊だけ混ぜる」の10人卓より、1.6卓ほど多い数字です。卓の大きさを自由にしても、混ぜないなら卓は減りません。

お金にすると、どれくらいか

卓が1つ増えると、費用はいくらかかるのか。会場によって違いますが、ここでは1卓あたり1.5万円と置きます。内訳の想定は、卓上の装花に1万円、クロスや卓上の備品、セットの手間に5,000円です。この数字も、僕が置いた仮のものです。

料理は、座る人数分だけ出すので、空席が増えても料理代は増えません。卓が増えて変わるのは、卓にかかる固定費です。

  • 8人卓を10人卓に変える:1.31卓の削減で、1組あたり約2.0万円。年120組で約236万円
  • 混ぜないを小さい塊だけ混ぜるに変える(10人卓):2.97卓の削減で、1組あたり約4.5万円。年120組で約535万円
  • 混ぜないを小さい塊だけ混ぜるに変える(8人卓):3.06卓の削減で、1組あたり約4.6万円。年120組で約551万円

どちらも、すべての組が対象になる前提の数字です。実際には、最初から混ぜる席次にしている二人もいますし、親族を混ぜないことが大事な二人もいます。ただ、会場の側で「こうすると卓が減ります」と案を出せる余地がどれくらいあるのかは、この数字で見えてきます。

配膳の人数への影響は、今回は数えていません。卓が減れば、1人が受け持つ卓の数は同じでも、必要な人数が減る場合があります。その分は、さらに上乗せになる可能性があります。

ただし、卓を減らすと下がるものもある

卓数の話だけを読むと、「10人卓にして、小さい塊を混ぜればいい」と読めてしまいます。ここは、二人の視点で一度ひっくり返しておきます。

10人卓は、8人卓より卓の直径が大きくなります。向かい側の人との距離が遠くなって、会話がしにくくなる、という話はよく聞きます。ただ、僕は距離と満足度の関係を示す調査を確認していません。この点については、数字で言えることがありません。

そこで、確実に言える範囲で書きます。

  • 8人卓は、卓の数が増える。費用はかかるが、1卓の人数が少なく、会話がまとまりやすい
  • 10人卓は、卓の数が減る。費用は下がるが、卓が大きくなる
  • 混ぜない席次は、二人の気配りが細かい分、卓の数が増える

どれが正しいかは、会場の広さと、二人がどんなパーティーにしたいかで決まります。会場が決められるのは、「卓の数が増えたときに、いくら追加になるのか」を見せることまでです。

会場が決めておくこと

ここまでの計算から、会場が事前に決めておくと楽になることを、3つ挙げます。

1. 卓数の増減に、いくら追加になるかを先に出す

見積もりの段階で、1卓あたりの追加費用を書いておくと、二人が席次を組むときに判断しやすくなります。「親族を分けると1卓増えて1.5万円」と分かれば、二人は混ぜるかどうかを、お金も含めて選べます。

契約後に見積もりが増える話は、別の記事でも書きました。卓数は、人数の確定のあとに動く費用の代表例です。

2. 塊のリストを、席次表より先に取る

席次表を作る前に、二人に「塊」の一覧を出してもらうやり方があります。新郎の親族、新婦の友人、というように、塊の名前と人数だけを先に書いてもらいます。

塊の人数が分かれば、会場側から「この2つの塊を合わせれば10人で1卓になります」と提案できます。席次表の完成を待たなくても、卓数の見込みが立ちます。

3. 卓の大きさを、塊の大きさに合わせる選択肢を残す

会場が10人卓しか持っていない場合でも、6人卓や12人卓を数卓だけ用意できるなら、塊の大きさに合わせられます。先ほど書いたとおり、卓数は塊の数と同じになり、混ぜない席次でも、10人卓だけの場合より少なくなります。

ただし、備品の追加や、会場の動線の設計が必要です。これは年間の組数と、会場の広さに応じて決める話で、すべての会場に当てはまるとは限りません。

自分の会場で確かめる手順

この記事の数字は仮なので、自分の会場で置き換える手順も書いておきます。

  1. 過去1年の披露宴から、確定した席次表を10組分取り出す
  2. 塊ごとの人数を書き出す。親族、友人、職場という分け方で十分
  3. 実際の卓数と、「小さい塊だけ混ぜた」場合の卓数を、それぞれ数える
  4. 差を平均して、1卓の固定費を掛ける

10組でも、おおよその傾向は見えます。実際の卓数が、小さい塊だけ混ぜた場合より2卓以上多いなら、提案で減らせる余地があります。ほとんど差がなければ、すでに混ぜる席次が多い会場だと分かります。

数えるときに気をつけたいのは、「混ぜた席次が、二人にとって良かったのか」を別に確認することです。卓数が減っても、二人が気を使って席次を組み直したのなら、手間が移っただけかもしれません。

席次の組み方で、会場にできること

最後に、会場が席次に関われる場面を整理します。

  • 招待状の発送前:塊の名前と人数を、シートに書いてもらう
  • 人数が固まったあと:卓数の見込みと、追加費用を伝える
  • 席次表の作成中:混ぜられる塊の組み合わせを、候補として出す
  • 人数の最終確定の直前:卓数と席の空きを、もう一度確認する

どれも、二人の席次を会場が決めるわけではありません。決めるのは二人で、会場は材料を出す側です。その材料が早く出るほど、卓数の増減を二人が納得して選べます。

まとめ

  • 円卓を8人から10人にすると、仮の式場では平均で1.3卓ほど減る。1組で約2万円、年120組で約240万円という計算
  • ただし、これは卓の人数を変えた効果。割り算で出る卓数と、実際の席次の卓数はずれる
  • 親族・友人・職場を混ぜない席次を守ると、10人卓でも卓は約3卓増える。年約530万円で、卓の人数を変える効果の2倍を超える
  • 塊ごとに卓の大きさを変えられても、混ぜないなら卓は減らない。卓数を決めるのは、卓の大きさより混ぜ方
  • 会場が出せる材料は3つ。卓が増えたときの追加費用、塊のリスト、卓の大きさの選択肢
  • 自分の会場で確かめるなら、過去10組の席次表から、実際の卓数と混ぜた場合の卓数を数えて、差に1卓の固定費を掛ける
  • 距離と満足度の関係は、僕は数字で確認していない。卓の人数を決めるときは、費用だけでなく、二人がどんなパーティーにしたいかも合わせて見る