来館・成約

式場の見学予約で六曜を聞くなら、挙式日と見学日を分ける

見学予約の備考欄に「大安の土曜でお願いします」と書かれていたら、どう受け取りますか。多くの会場は、そのまま大安の土曜の枠を探すと思います。ただ、この一言には2つの意味が混ざっています。「挙式を大安にしたいから、大安の空きを知りたい」のか、「見学に行く日そのものを大安にしたい」のか。

この2つを分けずに受けると、大安の見学枠だけが溢れます。そして溢れた二人は、仏滅や赤口の枠が空いているのに、予約が取れないまま他の式場に回ってしまうことがあります。

結論から言います。六曜を聞くなら、挙式日の希望と見学日の希望を別の質問にします。 見学日の希望ではなく挙式日の希望だった二人は、仏滅の日の見学に動かせます。そのうえで、大安の挙式の空きは見学の前に先に見せておきます。この記事に出典の数字はありません。計算に使う数字はすべて、考えやすいように僕が置いた仮のものです。

「大安で」には2つの意味がある

二人の頭の中にある理由を並べると、大づかみには次の2通りです。

  • 挙式日の六曜:親や親族が気にする、自分たちも縁起は担ぎたい。だから挙式は大安がいい。見学の日はいつでもいい
  • 見学日の六曜:見学に行く日から縁起を担ぎたい。大安に見学して、そのまま契約まで進めたい

前者は、会場の大安の空きが分かれば満たされる希望です。見学に行く日が仏滅でも困りません。後者は、見学日そのものが条件なので、枠を取れなければ待つか、他の式場に行くかになります。

予約フォームの自由記述で「大安希望」と書かれると、この2つは区別がつきません。区別がつかないので、会場は安全側に倒して、全員を「見学日も大安」として扱ってしまいます。これが大安の枠だけが埋まる仕組みです。

もう1つ、紛れ込みやすいのが親の意向です。見学に親が同席する場合、親が「大安に行きなさい」と言っているだけで、二人は日取りの縁起をそこまで気にしていないこともあります。この場合も、二人が決めたいのは挙式日の六曜なのか、見学日の六曜なのか、そもそも親の希望なのかを、聞いてみないと分かりません。

仮の会場で、大安の枠がどう溢れるかを見る

数字を置いて計算します。出典のある数字ではなく、仮の会場の話です。

  • 月の土日:8日
  • 土日1日あたりの見学枠:10組
  • そのうち大安にあたる土日:2日(月によって0〜3日ほど動きます。年によって土日の大安の日数が揺れることは、僕が以前の記事で確かめています)
  • 月の見学希望:60組

土日の枠は全部で80組分あります。大安の2日分が20組、それ以外の6日分が60組です。ここで、見学希望60組のうち、何割が「見学日も大安がいい」と言うかで、溢れ方が変わります。

大安を見学日にしたい割合 大安を希望する組数 大安の枠(20組)からの溢れ
20% 12組 0組
40% 24組 4組
60% 36組 16組

割合が20%なら、大安の枠に収まります。40%を超えたあたりから溢れ始め、60%なら16組が大安の枠から溢れます。ここで、溢れた二人が他の日に回ってくれればいいのですが、大安にこだわる二人は、仏滅の枠を示されても動かないかもしれません。動かなければ、その組は離脱です。

仮に見学から成約までの率を30%とすると、溢れた4組なら成約1.2組、16組なら成約4.8組が、取りこぼしの目安になります。もちろん溢れた全員が離脱するわけではありません。実際の離脱率は会場によって違うので、この表は「大安の枠で受けられない組が出ると、これだけの幅で影響しうる」という見方をしてください。

ここで効いてくるのが、冒頭の2つの意味です。大安を希望する二人のうち、実は半分が挙式日の話で、見学日は何曜でもよかったとします。この半分を、大安以外の日に動かせれば、溢れはどうなるでしょうか。

大安を見学日にしたい割合 見学日も大安を希望する組数(半分に減る) 溢れ
20% 6組 0組
40% 12組 0組
60% 18組 0組

全員が大安の枠に収まります。もちろん「半分」というのは僕が置いた仮の数字で、実際にどのくらいの割合が挙式日の話なのかは、自分の会場で聞いて数えるしかありません。ただ、1組でも動かせれば、その分だけ枠は空きます。分けて聞くことの意味は、この計算で見えるはずです。

フォームでの聞き方

フォームでは、自由記述に頼らず、質問を2つに分けて選択式で聞きます。

質問1:挙式日の六曜について

  • 大安の日で探している
  • 大安は希望だが、他の日も検討する
  • 六曜は気にしない
  • まだ決めていない

質問2:見学に行く日の六曜について

  • 見学も大安の日に行きたい
  • 見学の日は、いつでもよい

質問1に答えた二人には、見学の前の確認メールで、大安の挙式日の空き状況を一覧で返します。ここで大事なのは、見学に来る前に、大安の空きがあるのか、ないのかを見せることです。「大安に挙げたい」二人にとって、見学に行って、ようやく大安が埋まっていると知るのは、時間のむだになります。先に見せておけば、見学の日がいつであっても、二人は「その日に何を確かめに行くか」を決めて来られます。

質問2で「いつでもよい」と答えた二人には、大安以外の日の枠を、先に案内します。ここは、選択肢を示す順番がポイントです。大安の枠から先に見せるのではなく、空いている枠を日付順に並べて、その中に大安を含めるようにします。大安の枠が先頭に出ていると、見学日にこだわりのなかった二人も、そこから選んでしまうからです。

質問2で「見学も大安に行きたい」と答えた二人は、本当に見学日が条件の二人です。こちらは大安の枠を優先して確保します。

仏滅の日の見学に二人を動かす段取り

大安の枠が溢れそうなとき、見学日にこだわりのない二人を他の日に動かすには、「空いているからどうぞ」だけでは弱いと思います。動いてもらう理由を、二人の側のメリットとして出します。

仕組みとして言えることは、混む日と空く日では、見学の中身が変わるという点です。見学の枠が詰まっている大安の土日は、案内の時間が1組あたり短くなりやすく、試食や会場の見学を急ぎ足で回ることもあります。逆に、枠に余裕のある日は、時間に余裕を持たせやすく、質問も多く受けられます。これは会場の運営の条件によって違うので、全ての会場に当てはまる話ではありません。自分の会場で、枠が詰まる日と空く日の見学時間を比べて、言えるときだけ言ってください。

動いてもらう案内の文面は、たとえばこうです。

「挙式の日取りは大安をご希望とのことで、大安の空き日を別紙にまとめました。見学のご予約は、大安以外の日でもお取りできます。ゆっくりご案内できる日がありますので、ご都合の合う日をお選びください」

ここで書いていないのは、「大安は混みます」「仏滅は割引です」といった言い方です。混むから避けてください、と書くと、見学に行く日が縁起の悪い日だと伝えているように聞こえます。割引の話を持ち出すと、見学の段階で値引きを期待されます。見学日を動かす理由は、二人の側のメリット(ゆっくり見られる)に絞ります。

大安の枠は、全部を埋めに行かない

溢れる前の話もしておきます。大安の見学枠を全部予約で埋めてしまうと、本当に見学日も大安が条件の二人が来たときに、断ることになります。「いつでもよい」と答えた二人が先に大安の枠を取ってしまっているからです。

そこで、大安の枠の一部は、質問2で「見学も大安に行きたい」と答えた二人のために、予約の公開をしばらく止めておく手があります。たとえば10組の枠のうち2組分は、前週になっても空いていたら一般に公開する、という使い方です。見学日の条件を持つ二人が少ない会場では、空きが出るだけなので、前週に一般公開すればいい。持つ二人が多い会場は、取り置きを増やす。この調整は、フォームの質問2の回答数を数えれば決められます。

数えるものは、2つだけです。

  • 質問2で「見学も大安に行きたい」と答えた組数
  • そのうち、大安の枠が取れず、見学予約に至らなかった組数

2つ目は、予約の途中で離脱した人を把握できるツールがあるときだけ数えられます。ない場合は、1つ目だけでも構いません。1つ目が大安の枠数を超えている月は、その月の大安の枠を増やせないか(時間帯を足す、案内を担当者でもう1人増やすなど)を検討します。超えていない月は、取り置きを減らします。

気をつけること

最後に、この聞き方が裏目に出る場面を挙げます。

質問が増えるぶん、離脱する二人がいる。 質問を2つ足せば、フォームは長くなります。見学予約フォームの項目を減らすと予約が増えるのかどうかは、会場によって違うので、2つ足したあとの予約数を前の月と比べて、減っていないかを見てください。減っていたら、選択式をやめて、予約の確認メールの中で聞く形にしても構いません。

六曜を気にしない二人に、六曜の質問を見せない。 質問1で「六曜は気にしない」と答えた二人には、質問2を出さないようにします。気にしない二人に六曜の質問をもう1つ見せるのは、余計な手間です。フォームの条件分岐が組めない場合は、質問2の選択肢に「六曜は気にしない」を足して、1つにまとめます。

六曜を理由にした断り方をしない。 大安の枠が取れないときに、「六曜の関係で埋まっています」と書くのは避けます。見学日の空きだけを案内して、六曜についての評価は書かないほうが安全です。六曜の考え方は二人によって違い、価値観に踏み込む書き方はしないほうがいいと思います。

親の希望が混ざっている場合は、親を外さない。 親が同席する見学の場合、親の意向で大安を選んでいることもあります。そのときは、「ご両親のご希望」として扱って、二人の意向と分けて聞くのではなく、見学の当日に確認します。予約の時点で踏み込んで聞くと、家族の話に立ち入る形になるからです。

実行の順番

まとめると、手を付ける順番はこうなります。

  1. 今の予約フォームで、六曜について聞いているところ(自由記述の備考欄を含む)を確認する
  2. 先月の見学予約を見て、「大安」と書かれた予約が、挙式日の話なのか見学日の話なのかを数える(読み取れないものは「不明」として数える)
  3. 見学日の希望が「大安」の組数と、大安の枠の数を比べる
  4. 枠を超えているなら、質問を2つに分けたフォームに変える。超えていないなら、自由記述のままで当面は構わない

手順2の数え直しは、新しいツールがなくても、予約の記録を見れば先月分ができます。数えた結果、「見学日の大安」を希望する組が枠に収まっているなら、この記事の手は打たなくていいと思います。溢れていない会場で質問を増やしても、得るものがないからです。

まとめ

  • 「大安で」という一言には、挙式日の希望と、見学日の希望が混ざっている
  • 区別せずに受けると、見学日にこだわりのない二人まで大安の枠に集まり、枠が溢れる
  • 仮の数字では、大安の希望者の半分が挙式日の話だった場合、溢れが0組になった。実際の割合は自分の会場で数える
  • フォームでは、挙式日の六曜と見学日の六曜を、別の質問で選択式にして聞く
  • 挙式日に大安を希望する二人には、見学の前に大安の空き日を先に見せる
  • 見学日にこだわらない二人には、空き枠を日付順に並べて見せる。理由は「ゆっくり見られる」に絞り、六曜の評価や割引は持ち出さない
  • 大安の枠の一部は、見学日が条件の二人のために取り置く。取り置きの量は、質問2の回答数で決める
  • すでに大安の枠が溢れていない会場は、質問を増やさなくてよい