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結婚情報サイトの絞り込み条件は、成約している人数帯と価格で登録し直す

結婚情報サイトに載せている式場の「収容人数」「予算の目安」「挙式スタイル」。掲載を始めた年に入れたまま、一度も見直していない式場は少なくないと思います。

結論から書きます。絞り込み条件の登録は、パンフレットに載せたい姿ではなく、直近で成約している組の人数帯と価格に合わせ直したほうがいいです。来館の数は少し減るかもしれません。ただ、来館した二人と式場の条件が合う分、成約率で取り返せる可能性が高く、媒体費の使い方としてはそちらが筋です。

この記事の数字は、すべて僕が置いた仮のものです。業界の平均でも、どこかの式場の実績でもありません。自分の式場の数字に入れ替えて読んでください。

絞り込み条件は「看板」ではなく「ふるい」

人数や予算で絞り込める機能のある媒体では、二人は最初に条件を入れて、残った式場から見ていきます。ここで外れた式場は、二人の目にそもそも入りません。

つまり絞り込み条件は、式場の自己紹介であると同時に、二人が式場を選別するふるいでもあります。ふるいの目が実態より広ければ、合わない二人まで通してしまいます。目が実態より狭ければ、来てくれたはずの二人を逃します。

多くの式場で起きやすいのは、前者のほうです。理由は単純で、登録するときには「選択肢の幅を広く見せたい」という気持ちが働くからです。収容人数は最大の宴会場の数字を入れ、予算は最安のプランの数字を入れ、スタイルは対応できるものを全部チェックする。登録した本人にとっては、嘘のない正確な入力です。

ただ、二人が見ているのは「この式場の最大」ではなく「この式場で自分たちがやる式の姿」です。最大が合っていても、普段の成約が合っていなければ、来館後に「思っていた式場と違った」が起きます。

ずれると何が起きるか

具体的に、3つのずれを考えます。

ひとつ目は人数のずれです。最大150名と登録しているが、実際に成約する組の多くは30〜60名、という式場があります。大人数の披露宴ができる点を見て来た二人は、見学で50名向けの提案ばかり受けます。「うちは100名くらいを考えていた」という二人にとっては、希望が通りにくい式場に見えます。逆に、少人数の二人は、150名の会場写真を見て「大きすぎる」と感じて、見学の途中で熱が下がります。

ふたつ目は価格のずれです。最安プランの数字で登録すると、二人は「その金額で挙げられる式場」として来館します。見積もりを出すと、人数やこだわりを足した結果が登録の数字から大きく離れます。ここで落差を感じた二人は、値引きの交渉に入るか、静かに離れるかのどちらかになりがちです。見積もりの落差が成約を落とす話は別の記事でも書きましたが、媒体の登録は、その落差を来館の前に仕込んでいることになります。

みっつ目はスタイルのずれです。「少人数婚OK」「会費制OK」「フォトウェディングOK」と、受けられるものを全部チェックしていると、その条件で絞り込んだ二人にも表示されます。しかし、式場側の体制が通常の披露宴向けなら、実際に受けたときの手間も費用も大きく、提案も薄くなります。受けるには受けるが、積極的には売っていない条件を、積極的に売っているように見せている状態です。

どのずれも、登録した時点では気づきにくいところが厄介です。来館数は増えて見えるので、媒体の担当者から見ても数字は悪くない。成約率が落ちていても、「見学の質の問題」「接客の問題」として社内の別の課題にされやすいです。

見直しの手順

手順は3つです。難しい分析は要りません。

直近の成約を並べる

まず、直近の成約組を一覧にします。1年分あれば十分ですが、組数が少ない式場は2年分に伸ばします。見るのは3つだけです。

  • 契約時の招待人数
  • 契約時の見積もりの総額
  • 挙式のスタイル(通常の披露宴か、少人数か、会費制か、など)

人数と総額は、帯で数えます。人数なら20名刻み、総額なら50万円刻みくらいで十分です。細かく刻みすぎると、1つの帯に1組しか入らず、分布が見えなくなります。

登録内容との差を見る

次に、媒体に登録している内容と並べます。見る基準は、成約の8割が入る帯です。分布の中心から外れた端の成約は、例外として別に扱います。

たとえば、仮に直近1年の成約が60組で、人数は30〜70名の帯に48組(8割)が入っているとします。登録が「最大150名」だけなら、150名を選ぶ二人にも表示されているはずです。この二人が来館しても、成約の実績は薄い帯です。

登録を「30〜70名が中心、最大150名」のように書ける媒体なら、中心の帯を前に出します。書ける欄が決まっていて、数字を1つしか入れられない媒体なら、最大ではなく、成約の中心に近い数字を入れる選択もあります。

変えたあと、1か月は結果を見る

登録を直したら、媒体経由の来館数、来館後の成約率、見積もりの総額の3つを、直す前の同じ長さの期間と比べます。媒体の変更反映には時間がかかることがあるので、直した当日から数字が動くとは限りません。最初の1か月は、動いた方向だけを見て、結論は出しません。

注意したいのは、来館数が減ったからといって、元に戻さないことです。来館数が減ることは、半分くらいは狙いどおりの動きです。減った分が、合わなかった二人であれば、成約には効いていなかった来館です。

来館が減っても得になる条件を、仮の計算で見る

では、どれくらい減ったら損なのか。仮の数字で計算します。

仮に、この媒体の掲載費が月60万円とします。直す前は、媒体経由の来館が月100組、成約率が15%で、成約が15組。成約1組あたりの媒体費は4万円です。

登録を直したあと、来館が月80組に減ったとします。成約率が20%に上がれば、成約は16組で、1組あたりの媒体費は3万7,500円になります。来館が2割減っても、成約率が5ポイント上がれば、成約は1組増えます。

では、成約率がいくらまでなら損をしないのか。来館80組で、元と同じ15組を成約するのに必要な成約率は、15÷80で18.75%です。つまり、来館が2割減ったとき、成約率が15%から18.75%に上がれば、成約数は同じになります。上がり幅は3.75ポイント。これを越えれば得、届かなければ損です。

この境目は、自分の式場の数字で、先に出しておけます。

  • 直す前の来館数と成約率から、成約数を出す
  • 来館が何割減りそうかを、仮で置く(登録で外れる二人が、いまの来館の何割くらいいるか)
  • 成約数を保つのに必要な成約率を、成約数÷減ったあとの来館数で出す
  • その成約率は、いまの成約率からどれくらい上がる必要があるか見る

上がる必要のある幅が小さければ、直しても損はしにくい。大きければ、直す前に、本当に外れる二人が合わない二人なのかを、もう少し確かめます。

合わない二人かどうかは、来館後の動きで確かめる

登録を直して外れる二人が、本当に成約しにくい二人かどうか。ここは仮定のままにしないで、自社の記録で確かめます。

見る場所は、直近1年の来館組のうち、登録の外にいた組です。たとえば、人数が成約の中心帯から外れていた組のうち、実際に成約した組がどれだけあったか。ゼロに近ければ、外れてもらって問題ありません。それなりに成約しているなら、その帯は端ではなく、別の層として書き分けるべき対象です。

また、成約した組の中でも、登録の外にいて成約した組が、媒体経由だったのか、紹介や公式サイトからだったのかも見ます。媒体経由では出ていなくても、他の経路で成約しているなら、媒体の登録は中心に絞り、他の入口で外側の層を受ける、という分け方ができます。

この確認には、見学予約時に人数の目安を聞いて記録している必要があります。記録がなければ、来館後の見積もりの人数で代用できます。ただし、見積もりの人数は来館後に変わるので、予約時と見積もり時で人数が大きく動く式場では、予約時の数字を使ったほうが、媒体の絞り込みとの対応が取れます。

中心を前に出して、端は別の入口で受ける

絞り込み条件を成約の中心に寄せると、端にいた二人を取りこぼすのではないか、と心配になるかもしれません。ここは入口を分けて考えます。

媒体の条件は、二人が式場を見つけるための入口のひとつです。中心から外れた二人を受けるなら、公式サイトに「少人数のご相談」「大人数のご相談」の専用ページを置く、紹介経由の窓口を持つ、といった別の入口を使えます。

媒体の登録で全部を受けようとすると、中心の二人も端の二人も、どちらにも中途半端に見える式場になります。媒体は中心に絞る。端は、中身を説明できる別の入口で受ける。こう分けたほうが、二人にとっても、その式場が何を得意にしているかが伝わりやすくなります。

見直す頻度

登録の見直しは、頻繁にやる必要はありません。目安は、年に1回です。次のタイミングが重なれば、そこで前倒しします。

  • 披露宴会場や設備を改装したとき
  • 料金体系やプランを変えたとき
  • 成約の人数帯が、前の年と比べて動いたと感じたとき
  • 媒体の掲載プランを更新するとき

特に、媒体の更新時期の前は、見直しにちょうどいいです。更新するかどうかを決めるための数字が、同じ手順でそろうからです。

まとめ

読み終えたところで、見直しの要点を並べておきます。

  • 絞り込み条件は、式場の看板であると同時に、二人が式場をふるいにかける入口になる
  • 最大の収容人数や最安のプランで登録すると、合わない二人まで通してしまい、来館後の落差が成約率を下げる
  • 見直しは、直近1年の成約を人数と総額の帯で数え、成約の8割が入る帯に登録を寄せる
  • 来館が減っても、減った割合に応じて必要な成約率を先に計算しておけば、損得を数字で判断できる(仮の例では、来館2割減なら成約率15%→18.75%で成約数は同じ)
  • 端の層は、媒体ではなく公式サイトや紹介など、別の入口で受ける
  • 見直しは年1回と、改装・料金変更・媒体更新のタイミングで行う