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式場サイトのプランナー紹介は、経歴より得意な相談を書く

式場サイトの「スタッフ紹介」のページを、新郎新婦になったつもりで開いてみてください。顔写真があり、勤続年数があり、趣味と好きな食べ物があり、最後に「二人の大切な一日を全力でサポートします」と書いてある。ほとんどの式場が、この形です。

悪い作りではありません。ただ、このページを読んだ二人が見学を予約する理由にはなっていないことが多いです。見学を迷っている二人は、担当者の人柄を知りたいのではなく、自分たちの事情をこの人は分かってくれるのか、を知りたいからです。

結論から書きます。式場サイトのプランナー紹介は、経歴や趣味より、得意な相談と、その相談への返し方を書いたほうがいいです。見学前の二人が「この人に会えば話が進む」と思える材料は、そこにあります。

この記事に数字は出てきません。調査の平均値も、特定の式場の実績も使いません。紹介ページの書き方の組み立てだけを整理します。自分の式場でどう当てはまるかは、読みながら当てはめてみてください。

スタッフ紹介が読まれても予約につながらない理由

スタッフ紹介のページは、式場の側から見ると「人柄を伝える場所」です。だから経歴、趣味、座右の銘、好きな花といった項目が並びます。社内の誰かが決めたフォーマットを、全員が同じ形で埋めていることもよくあります。

二人の側から見ると、同じページは「見学に行く前の最後の確認」です。問い合わせや見学予約の直前に、念のため開く場所です。

ここで二人が頭の中で探している問いは、たいてい次のようなものです。

  • 再婚でも気後れせずに相談できるか
  • 親と意見が合わないときに、間に入ってくれる人か
  • 人数が少ない結婚式を、安く済ませる話に回収されないか
  • 予算がはっきり決まっていない段階でも、嫌な顔をされないか

趣味が読書で、座右の銘が「感謝」の人からは、この問いの答えが見えません。人柄は伝わっても、判断の材料にならないのです。結果として、ページは「感じのいい人たちだな」で閉じられ、予約ボタンまで進みません。

経歴を書くより、得意な相談を書く

プランナー紹介に書く中身を、経歴型から相談型に変えます。変えるのは、書く項目の軸です。

経歴型は、その人が「何年やってきたか」を書きます。相談型は、その人に「どんな相談が来て、どう返しているか」を書きます。前者は本人の履歴で、後者は二人の悩みへの答えです。

たとえば、次のように並べ替えます。

  • 経歴型:ブライダル業界歴12年。趣味はカフェ巡り。
  • 相談型:親族だけの少人数の式や、再婚の二人の相談が多いプランナーです。最初の打ち合わせでは、誰に何を伝えたいかを先に聞き、費用の話はそのあとにします。

上の例の数字は説明のための作り話です。実際の紹介ページに書くときは、そのプランナー本人が実際に受けてきた相談を使ってください。ないものは書かない、が前提です。

相談型のよいところは、読んだ二人が自分を重ねやすいことです。「少人数の式」に引っかかる二人は、その一言で、この式場に聞いてみようと思えます。経歴の年数では、そうなりません。

書く項目は3つに絞る

相談型に変えるといっても、書く項目が多すぎると、また誰も読まないページになります。僕は3つに絞ることを勧めます。

1. よく受ける相談

そのプランナーに、最近よく来る相談を2〜3個書きます。「再婚」「少人数」「親の意見が割れている」「予算が決まっていない」のように、二人が自分で名前をつけられる言葉で書きます。

「オーダーメイドの結婚式」のような式場側の言葉は、二人の悩みの名前ではありません。二人が検索窓や相談の第一声に使う言葉を選んでください。

2. 最初の打ち合わせで聞くこと

次に、最初に何を聞くかを1〜2行で書きます。これが、見学のときの会話のイメージになります。

たとえば「予算より先に、呼びたい人を聞きます」とあれば、予算の話から入られるのが不安な二人は安心します。反対に「まず予算の上限を教えてください」と最初に聞くプランナーなら、それをそのまま書いてかまいません。その聞き方が合う二人が来てくれるので、後のミスマッチが減ります。

合わない二人を遠ざけることも、紹介ページの仕事です。全員に好かれようとして、誰にも刺さらない紹介文にするより、見学の席で話が噛み合う二人を呼べるほうが、来館後の成約につながります。

3. 苦手なこと、できないこと

最後に、断る範囲を書きます。ここは書くのが怖い項目ですが、効きます。

たとえば「国外挙式の手配は専門外なので、国内の式のご相談が中心です」「当日の持ち込みは、事前にお知らせいただいた範囲で調整します」のような一文です。できないことが先に書いてあると、できると書いてあることが信用できるようになります。

反対に、できないことを一切書かないページは、全部できるように読めて、結局どれも信用されません。

全員分を同じ形で埋めない

スタッフ紹介を相談型に直すときに、やりがちな失敗があります。全員に同じ項目を、同じ文量で、同じ順番で書かせることです。

全員を同じ形で埋めると、「得意な相談」の欄に全員が「どんなご相談も」と書きます。差が出ないので、また読まれないページに戻ります。

やり方は逆です。プランナーごとに、実際に多い相談を3つずつ、本人と上長で確認して書きます。全員に特色があるとは限りません。特色がまだない新人は、無理に作らず、「入社してまだ日が浅いので、先輩と一緒にご案内します」と書いて構いません。事実が書いてあるほうが、作った特色よりずっと信用されます。

書く前に、次の3つの問いを本人に聞くのが早いです。

  • この半年で、いちばん多かった相談は何でしたか
  • 最初の打ち合わせで、必ず聞くことは何ですか
  • 受けたけれど、うまく応えられなかった相談はありますか

3つ目の答えが、「苦手なこと」の欄の材料になります。

写真と名前の出し方で、予約の電話が変わる

紹介ページの文章を直したら、次に見直すのは、ページの置き場所と見せ方です。

担当者名の入った紹介ページが、会場の「スタッフ」タブの奥にあるだけだと、見学予約の直前に開いてもらえません。予約フォームの手前や、フェアの紹介ページの下に、「このフェアを担当するプランナー」として2〜3人の相談型の紹介を置く形が、見てもらいやすいです。

見学の予約フォームに「担当を指名する」欄を作るかどうかは、別の判断です。指名を受けると、特定のプランナーに枠が集中します。枠が足りなくなるなら、指名ではなく「こういう相談なら、このプランナーが空いている日にご案内します」と、相談の種類で振り分けるほうが回ります。紹介ページに書いた得意な相談が、そのまま振り分けの基準になります。

写真は、笑顔で正面を向いたものより、打ち合わせ中の手元や、会場で二人に説明している後ろ姿のほうが、会話の場面を思い浮かべやすいことがあります。ただし、これは式場の雰囲気によって合う合わないが分かれるところで、僕が確かめた数字はありません。どちらが反応を取れるかは、予約フォームの「紹介ページを見て予約しました」の数で比べてください。

紹介文の書き直し例

3つの項目を使って、1人分を書き直してみます。以下は説明のための作り話です。

書き直す前:ブライダル歴8年。休日は映画を観ています。お二人らしい結婚式を、心を込めてお手伝いします。

書き直した後: よく受ける相談:親族だけの少人数の式。親御さんと希望が合わず、まだ式のかたちが決まっていない二人。 最初の打ち合わせで聞くこと:誰に来てほしいか。費用の話は、そのあとです。 苦手なこと:海外での挙式の手配。国内の式のご相談が中心です。

文字数はほとんど変わりません。変わったのは、読んだ二人が「自分たちのことだ」と思える言葉が入ったかどうかです。書き直した後の文章は、映画の趣味を削ってもいいですし、残したいなら末尾に一言足してかまいません。人柄の欄を消す必要はなく、順番を後ろにするだけです。

もうひとつ気をつけたいのは、紹介ページと見学当日の接客を揃えることです。ページに「最初に呼びたい人を聞きます」と書いたのに、当日は予算の確認から入ったら、二人は書いてあることと違うと感じます。紹介ページは約束なので、当日の動きが追いつかないなら、約束を弱めるほうが安全です。書いた内容を、本人が見学の最初の5分でやれるかどうかを、公開前に一度確かめてください。

紹介ページを直したら、1本だけ測る

直したあとに測るものは、ひとつだけにしてください。見学予約のうち、紹介ページを開いてから予約した件数です。

アクセス解析で、紹介ページを経由して予約フォームに進んだ数を見られるなら、それで足ります。見られない場合は、見学の予約フォームか、来館時のアンケートに「予約前にスタッフ紹介を見ましたか」を1問足します。

最初の1か月は、数字の大小を気にしないでください。見るのは、紹介ページを経由した予約の中身です。書いた「得意な相談」と同じ事情の二人が、実際に予約してきているかを見ます。ずれているなら、書いた言葉が二人の言葉と違っているので、書き直します。

失敗しやすいところ

最後に、相談型の紹介ページで起きやすい失敗を3つ挙げておきます。

  • 実際の実績を盛る:「再婚の相談が多い」と書いたが、実際は半年に1組。見学の席で期待とずれて、紹介ページ全体の信用が落ちます。実際に受けた範囲で書いてください
  • 個人が特定される事例を書く:相談の種類は書いても、二人の名前、日取り、家族構成が分かる書き方はしません。事例を載せるなら、許諾を取った二人の分だけです
  • 退職したプランナーが残る:相談型の紹介は、人が辞めるとすぐに嘘になります。月初に、在籍と相談内容を確認する担当を決めておくと、古い紹介が残りません

まとめ

  • 見学前の二人がスタッフ紹介に探しているのは、人柄ではなく、自分たちの事情を分かってくれるかどうか
  • 経歴型の紹介(勤続年数・趣味・一言)から、相談型(よく受ける相談・最初に聞くこと・苦手なこと)に軸を変える
  • 書く項目は3つに絞り、全員を同じ形で埋めない。特色が無い新人は、無理に作らず事実を書く
  • 紹介ページは、見学予約の直前に見てもらえる場所に置き、相談の種類で担当を振り分ける基準にも使う
  • 直したあとは、紹介ページを経由した予約の中身が、書いた相談と合っているかを見る