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式場サイトの最初の1画面には、写真より収容人数と所在地を置く

式場の公式サイトを開いて最初に目に入るものは、たいてい大きな写真か動画です。チャペルの光、ガーデンの緑、白いテーブルクロス。僕も何十ページも見てきましたが、どのサイトも本当に綺麗です。

そのうえで、僕は「最初の1画面に置くのは、写真より先に収容できる人数帯と所在地だ」と考えています。写真は2画面目からで足ります。二人が式場サイトを開いて最初にやっているのは、うっとりすることではなく、候補から外す作業だからです。

この記事では、最初の1画面に何を置くか、なぜ人数帯と所在地なのか、置くと予約数や来館の中身がどう変わるのかを整理します。出典のある数字は使っていません。数字はすべて、仕組みを見るための想定です。実際の数字は、それぞれの式場のアクセス解析と予約データに置き換えてください。

二人が最初にやっているのは「外す作業」

結婚式場を探す二人は、気に入った式場を探していると同時に、検討する数を減らしています。見られる式場の数に、時間と気力の上限があるからです。

減らすときに使われるのは、好みよりも先に、はっきり白黒がつく条件です。

  • 行ける場所か(所在地、最寄り駅、移動時間)
  • 呼びたい人数が入るか(収容人数、最少人数)
  • 予算の桁が合うか(料金の目安)
  • 希望の日が取れるか(空き)

この4つは、見た瞬間にYes・Noが出ます。写真の好みは「好き・まあまあ」と曖昧に揺れますが、人数が入らない式場は、どれだけ素敵でも候補に残りません。

つまり、トップページの役割は「好きになってもらう」より前に、「この二人にとって外れない理由を、最初に確認させる」ことにあります。写真が主役になるのは、外れなかった二人が次の画面に進んでからです。

写真が先にあると、何が起きるか

写真と動画を最初に置いたサイトでは、二人は次の順で動きます。

  1. 写真で気に入る
  2. 下にスクロールして、人数や場所を探す
  3. 見つからない、または合わない
  4. 離脱するか、合わないまま見学を予約する

3と4が問題です。人数が合わないと分かって離脱するだけなら、まだ害は小さい話です。害が大きいのは、人数や場所が見えないまま「とりあえず見学」を予約した二人が、来館してから条件が合わないと気づくケースです。

見学の枠は有限です。土日の午前・午後の枠のうち1枠を、最初から契約に進めない二人が使うと、その時間に来られたはずの条件の合う二人が、別の式場に流れます。予約数の数字は増えているのに、契約につながる来館が増えない。これが、写真先行のトップページで起きやすい形です。

最初の1画面に置くもの

置くのは、次の3つです。

1. 収容できる人数帯

「最少○名〜最大○名」と書きます。ここを「ゲストの人数に合わせて柔軟に」とぼかさないことが肝心です。ぼかしたい気持ちは分かります。少人数も大人数も取りたいからです。ただ、ぼかした文面を読んだ二人は、「うちの人数でも大丈夫かもしれない」と良い方向に解釈して見学を予約し、来館後に断られた気持ちになります。

実際には最少の人数でも対応できるのであれば、「最少○名から」と書くほうが読み手の安心になります。逆に、最少の人数で組むと粗利が合わないなら、その線を正直に出します。合わない二人には早く別の式場を探してもらうほうが、どちらにとっても無駄がありません。

2. 所在地と、駅からの移動の実態

「○○駅から徒歩○分」だけでなく、そこから会場までの足を一行で書きます。送迎バスがあるのか、駐車場は何台か。アクセスの書き方は別の記事で詳しく扱っているので、ここでは「最初の1画面に一行で入れる」ことだけをお伝えします。二人が最初に確認したいのは、親族が来られるかどうかです。

3. 次の一歩を一つだけ

ボタンは「見学を予約する」を一つ目立たせます。資料請求、フェア一覧、料金、LINE、電話を同じ強さで並べると、二人は選べず、どれも押さずにスクロールを続けます。ここは優先順位をつけて、2番手以降は小さくします。

料金の目安をどこに置くかは、サイトの方針によって分かれます。「公式サイトに料金を載せるか」は別の判断になるので、ここでは切り分けます。載せる方針の式場は、人数帯の横に一行で。載せない方針の式場は、最初の1画面には出さず、2画面目以降の見学案内の中で「見学時に総額の例をお出しします」とだけ書きます。

「合う二人」だけの数で、効果を見る

人数帯と所在地を最初に出すと、予約率は下がることがあります。条件の合わない二人が、予約の前に離れるからです。これを失敗と見るかどうかは、予約の総数ではなく、条件の合う予約の数で決まります。

前提を置いて、モデルで確かめます。ここからの数字はすべて想定です。

  • 公式サイトの月間訪問が3,000
  • 変更前:見学予約率が2.0%。予約した二人のうち、人数・場所・予算のどれかが合わない二人が40%
  • 変更後:見学予約率が1.8%。合わない二人が20%
  • 条件が合う二人の契約率が35%、合わない二人はほぼ契約に進まない
予約数 条件の合う予約 契約(想定)
変更前 60件 36件 約12.6組
変更後 54件 約43件 約15.1組

予約は6件減りますが、条件の合う予約は約7件増えます。さらに、合わない二人に使っていた見学枠が約12枠分空きます。その分を、合う二人に回せます。

この計算が示すのは、予約率の下がり幅よりも、合わない二人の割合の下がり幅が大きければ、見た目の予約数が減っても得をする、ということです。逆に、予約率が大きく落ちて、合わない二人の割合があまり下がらなければ、損をします。どちらになるかは、実際に測るまで分かりません。

測る手順

大がかりな実験は要りません。次の手順で足ります。

  1. 予約フォームに「想定人数」「居住エリア」の欄があるか確認する。無ければ、まず任意項目で足します。項目が多いと予約率が落ちる件は、別の記事で扱っています
  2. 変更前の1か月で、予約の想定人数が自社の収容範囲から外れていた割合を数える。外れているものが「合わない二人」の目安になります
  3. トップの最初の1画面を変える。写真は消さずに、人数帯と所在地を上に足すだけで構いません
  4. 同じ数え方で次の1か月を数える。予約率、合わない割合、契約率の3つを前後で並べます

注意点として、季節で訪問の中身が変わります。繁忙期の前後をまたぐと比較がずれるので、同じ時期の前年と比べられるなら、そちらも併せて見ます。1か月分の数字で結論を出さず、2か月続けて同じ向きなら採用、というくらいの慎重さが丁度よいと思います。

スマホの1画面は、パソコンの半分もない

二人がサイトを見る端末は、多くの場合スマホです(式場サイトの閲覧端末の割合は、自社のアクセス解析で確認できます)。スマホの最初の1画面は、パソコンの半分ほどの面積しかありません。写真を大きく入れると、人数帯も所在地もボタンも、1画面に収まらず、全部が下にはみ出します。

だから、確認は必ず自分のスマホで行います。パソコンの画面で整えたつもりでも、スマホでは写真しか見えていない、ということが普通に起きます。確認の仕方は単純で、スマホを開き、スクロールせずに見える範囲に、人数帯・所在地・予約ボタンの3つが全部あるかを見るだけです。収まらなければ、写真の高さを削ります。写真を小さくして困るのは、写真を見たい二人ではなく、トップの見栄えを気にする運営側だけです。

もう一つ、親や祖父母に画面を見せる場面も想像してください。二人が「ここどうかな」とスマホを渡したとき、親が最初に聞くのは「何人まで入るの」「どこにあるの」です。最初の1画面に答えがあれば、その場で話が進みます。無ければ、親は「もう少し調べてから」と言い、検討が止まります。

人数帯を出したくない式場の場合

「少人数も大人数も取りたい」「柔軟なのが強みだ」という式場は、人数帯を書くことに抵抗があると思います。この場合は、書き方を変えます。

  • 「○名〜○名」に加えて、人数ごとの過ごし方の例を2行で添える(少人数なら食事中心、大人数ならホールの使い方)
  • 人数の幅が広いこと自体を、最初の1画面の主張にする

幅が広いと言い切るのは、ぼかすのとは違います。「最少6名から最大120名まで」のように範囲をはっきり書き、その中でどう組めるかを次に見せます。数字を出した瞬間に、二人は「自分たちは入る」と判断できます。

ただし、書いた範囲は守る必要があります。最少人数の6名と書いたなら、6名の問い合わせに、通常の人数と同じ熱量で見積もりを出すことです。範囲を書いて、現場が範囲外の扱いをすると、サイトの信用を自分で落とすことになります。

写真を後回しにするのではない

誤解してほしくないのは、写真が要らないという話ではないことです。写真は、外れなかった二人を「ここに行きたい」に変える役目があります。役目が違うので、置く順番が違うだけです。

実際の作りとしては、背景に写真を敷いたまま、その上に人数帯と所在地を文字で重ねる形で十分です。写真は見えていて、文字も読める。この両立ができないほど写真が賑やかなら、文字の下に薄い帯を敷きます。写真の綺麗さが少し損なわれることを気にする式場も多いのですが、読めない文字は、置いていないのと同じです。

まとめ

  • 二人が式場サイトで最初にやっているのは、好きな式場探しより先の「外す作業」。判断が速いのは所在地・人数・予算・日程
  • 最初の1画面には、収容人数帯、所在地と足、次の一歩を一つだけ置く。写真は2画面目でよい
  • ぼかした人数表記は、合わない二人の見学予約を呼び、見学枠を食う
  • 予約数ではなく「条件の合う予約」で効果を見る。前提を置いたモデルでは、予約が6件減っても合う予約は約7件増えた(あくまで想定)
  • 測るには、予約時の想定人数と居住エリアを任意項目で取り、前後2か月を同じ数え方で並べる
  • 範囲を書いたら、範囲の端の問い合わせにも同じ熱量で応える。書いた条件が現場で守られないなら、書かないほうがまし