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式場サイトのプランナー紹介は、経歴より最初の相談の進め方を書く

式場サイトのプランナー紹介ページは、顔写真、勤続年数、保有資格、好きな言葉、という並びで作られていることが多いです。見た目は整っているのに、このページを読んで見学を予約した、という二人はあまり多くないはずです。

僕は、プランナー紹介に載せるべきなのは経歴より「最初の相談の進め方」だと考えています。二人がこのページで確かめているのは、この人がすごい人かどうかではありません。この人と話して、押し切られないか、置いていかれないかです。

この記事では、二人がプランナー紹介のどこを見ているのか、載せる項目は何か、書き方の例、効いたかどうかの数え方を整理します。出典のある調査の数字は使いません。数字はすべて、仕組みを見るための想定です。

二人は、経歴ではなく「話したあとの自分」を想像している

式場探しの二人にとって、見学の予約は小さな約束ではありません。休日の数時間を使い、初対面の人に予算や招待客の人数、親との関係まで話すことになります。予約ボタンを押す前に確かめたいのは、次のような不安です。

  1. 予算を言ったら、その上限いっぱいまで見積もりを積まれないか
  2. 決めていないと言ったら、急かされないか
  3. 親が同席したとき、誰に向けて話してくれるのか
  4. 自分たちの好みが「普通じゃない」と言われないか

プランナー紹介ページは、この不安に答えられる数少ない場所です。会場ページは建物の話、料金ページは金額の話、プランナー紹介は人の話をするページだからです。ところが、書かれている中身は人の「肩書き」であって、人の「やり方」ではありません。

資格や経験年数は、決して悪い情報ではありません。ただ、二人は資格の中身を知りません。「ウェディングプランナー検定1級」と書いてあっても、それが自分たちの打ち合わせでどう効くのかは想像できないのです。想像できない情報は、判断の材料になりません。

経歴型の紹介ページで起きること

経歴型のページには、構造的な弱さが二つあります。

一つ目は、全員が同じことを書くので、見分けがつかないことです。「お二人の想いを形にします」「笑顔あふれる一日をお届けします」は、どの式場の、どのプランナーが書いても成り立ちます。二人は、複数の式場を並べて見ています。同じ言葉が三会場で出てくれば、言葉は読み飛ばされます。

二つ目は、読んだあとに行動が決まらないことです。経歴を読んで「いい人そう」と思っても、それは「見学に行こう」という判断とは別です。ページの終わりに、二人が次に何をすればいいかが残りません。

プランナーを指名できる式場なら、紹介ページは指名の材料になります。指名できない式場でも、当日誰が出てくるかが分かれば不安は減ります。どちらの場合も、人柄の抽象的な説明より、行動の具体的な説明のほうが判断に使えます。

載せる4項目:最初の相談で、何が起きるか

載せる項目は、肩書きの代わりに、最初の相談で実際に起きることを書きます。次の4つです。

項目 二人の不安 書く内容の例
最初に聞くこと 何を話せばいいのか分からない 「最初は、挙式の時期と、呼びたい人数のイメージだけ伺います」
決めないこと その場で契約を迫られないか 「初回の見学で契約はお願いしません。見積もりは持ち帰ってご検討いただけます」
1回の流れと所要時間 何時間拘束されるのか 「会場の案内、試食、お話の順で約2時間です。途中で止めることもできます」
向いている二人・向かない二人 自分たちが合うのか 「少人数のお食事会が得意です。200名規模の披露宴の経験はありません」

最初に聞くこと

「最初に聞くこと」を先に書くと、二人は「それなら答えられる」と思えます。予算、人数、日取り、親の意向、全部を一度に聞かれるのではないかという不安は、予約を止める理由になりやすいものです。

聞くことが3つなら、3つと書きます。逆に、あらかじめ聞かないことも書けます。「年収や貯金額はお聞きしません」と書くだけで、予算の話が重く感じられなくなります。

決めないこと

ここは勇気のいる項目です。「初回で契約は迫りません」と書くことは、成約を急がないと宣言することに見えるからです。

ただ、二人は、急かされる可能性を最初から織り込んで予約しています。書いていなければ、その警戒心を抱えたまま来館します。警戒している二人は、説明を聞いても受け取りにくくなります。

ここで書いたことは、実際の運用と一致していなければなりません。書いておきながら、来館当日に「本日中のお申し込みで特典を」と言えば、信頼はなくなります。書く前に、現場で守れるかを確認します。守れない項目は載せません。

1回の流れと所要時間

所要時間は、見学予約ページにも書く情報ですが、プランナー紹介にも置く理由があります。担当者ごとに、案内の進め方が違うことがあるからです。試食を先にする人、会場を先に回る人、見積もりを最後に出す人。この違いは、二人にとって「合う・合わない」の材料です。

流れを書くときは、時間の幅で書きます。「約2時間」より「1時間30分から2時間半」のほうが、実態に近くなります。二人は、その日の予定を組むために時間を知りたいのです。

向いている二人、向かない二人

最も効くのに、最も書かれていないのがこの項目です。得意なことと、経験が少ないことを両方書きます。

向かない二人を書くのは、その二人を断るためではありません。向かないと分かった二人は、予約しない代わりに、「ここは正直に言う式場だ」という印象を持ちます。その印象は、サイトの他のページの信頼にも効きます。そして、向く二人は「自分たちのことだ」と感じて予約します。

書けることが思いつかなければ、過去に担当した二人の傾向を、担当者本人に聞きます。件数や割合は、数えて確かめたものだけを書きます。数えていないなら、「少人数のご相談が多いです」のような、数字を使わない書き方にします。

書き方の例:同じ人を、経歴型と進め方型で書き分ける

同じプランナーを、二つの書き方で並べてみます。

経歴型の例です。

山田(仮)/勤続8年/ウェディングプランナー検定1級/好きな言葉:「ありがとう」。お二人の想いを大切に、笑顔あふれる一日をお届けします。

進め方型の例です。

山田(仮)。最初の相談では、挙式の時期と呼びたい人数のイメージだけ伺います。予算は、二人で決めてから聞かせてもらえれば大丈夫です。初回で契約をお願いすることはありません。会場の案内と試食、お話で約2時間かかります。少人数の挙式と、親族だけの食事会のご相談が多く、200名を超える披露宴の経験は多くありません。

後者は、肩書きを減らしても、情報量が増えています。二人は、この文章を読んで、自分が予約したあとの2時間を想像できます。

数字は、本人の実際の運用に合わせて入れます。上の例の「約2時間」「200名」は、あくまで書き方の見本です。自社のプランナーに当てはめるときは、実際の所要時間と経験の範囲に置き換えます。

顔写真と名前の出し方

写真は、載せる場合に、笑顔の証明写真より、打ち合わせの席に座っている写真のほうが、情報があります。テーブルの高さ、資料の置き方、二人との距離が見えるからです。撮影を許可してもらえるなら、模擬の打ち合わせ風景がよいでしょう。

名前は、フルネームでなく、苗字だけでも問題ありません。ただ、サイトで見た名前と、予約の返信メールの名前、来館当日に名乗る名前は、揃えておきます。この一貫性は、二人の「サイトに書いてあった人に会えた」という安心感を作ります。問い合わせ返信の差出人を担当者名にする話は、別の記事(式場の問い合わせ返信は会場名より担当者名で出す条件)で扱っています。

担当者を事前に選べない式場では、「当日、誰が出てくるか」を書くだけで十分です。紹介ページに全員を載せて、「当日はこのうちの誰かが担当します。進め方は全員共通です」と書けば、個人差の不安は減ります。進め方が共通でないなら、共通化するところから始める必要があります。

効いたかどうかを数える

効果は、紹介ページから見学予約へ進んだ人の数で見ます。アクセス解析で、プランナー紹介ページを見た人のうち、そのセッション中に予約ページへ進んだ割合です。

仮に、次の想定を置きます。

  • プランナー紹介ページを見る人:月300人
  • 予約ページへ進む割合:書き換え前8%、書き換え後12%
  • 予約から来館に至る割合:70%

この想定で計算すると、予約ページへ進む人は月24人から36人に増えます。差は12人です。来館に至る割合を掛けると、来館は月16.8組から25.2組になり、差は約8.4組です。

もちろん、この数字は想定です。実際に月300人がこのページを見る式場は、ごく一部かもしれません。見るのは、割合の動き方です。予約ページへ進む割合が書き換えの前後でほとんど変わらないなら、書いた内容が二人の不安に当たっていません。

もう一つ見る数字は、見学当日の最初の5分に出る質問です。「今日は契約を決めないといけませんか」のような質問が減ったかを、担当者に聞いて確かめます。これは数字になりにくいので、担当者から一言ずつ集めるだけで足ります。

書き換える前に、現在の割合を2週間から4週間、記録しておきます。記録がないと、書き換えの効果と季節の波を区別できません。

やらないほうがよい条件

次のような場合は、この書き方をすぐには使わないほうがよいと思います。

  • プランナーの入れ替わりが多く、半年後に紹介ページの人がいなくなる
  • 「初回で契約を迫らない」という運用が、現場でまだ決まっていない
  • 担当者ごとに進め方がばらばらで、書く内容を決められない

この場合は、ページの書き換えより先に、進め方を揃えることが仕事です。紹介ページは、現場の運用をそのまま映す鏡のようなものです。運用が揃っていなければ、揃った文章は書けません。

まとめ

  • 二人がプランナー紹介で確かめているのは、肩書きではなく、相談したあとの自分がどうなるか
  • 経歴型の紹介は、どの式場も似た言葉になり、読んだあとの行動も決まらない
  • 載せるのは、最初に聞くこと、決めないこと、1回の流れと所要時間、向いている二人と向かない二人の4つ
  • 書いたことは、実際の運用で守れるものだけにする。守れないことは載せない
  • 効果は、紹介ページから予約ページへ進む割合と、当日の最初の5分の質問で見る
  • 運用が揃っていない式場は、ページより先に進め方を揃える