親の援助は、受けた人では結婚式総額の半分近い。受けた割合は調査で66%から82%まで開く
結婚式の費用を、新郎新婦の二人だけが払っていると思っていませんか。ゼクシィ結婚トレンド調査2024では、挙式と披露宴・ウエディングパーティーの費用面で親・親族から援助があった人が74.2%でした。援助があった人の援助額は平均168.6万円で、挙式と披露宴の総額の平均343.9万円の約49%にあたります。
見積もりの予算上限は、二人の貯金で決まっているように見えます。実際は、親の財布がその半分近くを持っているカップルが4人に3人いる。この前提は、価格の設計にも、接客の相手選びにも効いてきます。
ただ、援助の数字は調査によってかなり違います。援助を受けた人の割合だけで、66%から82%まで開きます。どの数字を自社の議論に使うか、先に整理しておきます。
ゼクシィ結婚トレンド調査2024の数字
一番詳しい数字は、リクルートブライダル総研のゼクシィ結婚トレンド調査2024です。2023年4月から2024年3月に挙式や披露宴・ウエディングパーティーを実施した、または予定のある人が対象で、全国版の報告書が公開されています。
挙式、披露宴・ウエディングパーティーの費用面で、親・親族から援助が「あった」人は74.2%でした。「なかった」が23.6%、無回答が2.2%です。援助があった人のうち、金額を答えた人の平均は168.6万円で、前年調査より4.9万円増えています。
金額の分布も出ています。援助があった人を100としたとき、100万円未満が18.9%、100万円台が39.5%、200万円台が26.9%、300万円以上が14.6%です。最も多いのは100万円台ですが、200万円以上が約4割(41.5%)います。平均の168.6万円は、真ん中に近い数字というより、100万円台の山と200万円超の裾が混ざった値です。
7年間、ほとんど動いていない
同じ報告書には、2018年調査から2024年調査までの推移が載っています。
- 援助があった人の割合:2018年70.7%、2019年72.0%、2020年71.3%、2021年69.4%、2022年71.9%、2023年73.5%、2024年74.2%
- 援助額の平均:2018年174.5万円、2019年167.8万円、2020年172.1万円、2021年156.0万円、2022年162.7万円、2023年163.7万円、2024年168.6万円
割合は69%から74%の間で動いただけです。額は156.0万円から174.5万円の間で、2024年は2018年より5.9万円(3.4%)低い値でした。
同じ期間の総額の平均は、2018年357.5万円、2021年292.3万円、2024年343.9万円です。2018年から2024年で3.8%減っています。援助額の3.4%減とほぼ同じ幅で、援助額は総額の動きに連れて動いているように見えます。
援助額を総額で割ると、2018年は48.8%、2024年は49.0%。コロナで総額が落ちた2021年は156.0万円÷292.3万円で53.4%です。総額が縮んだ年に比率が上がるのは、親が出す額は総額ほど下がらなかったからでしょう。
この割り算には注意があります。援助額の平均は、援助があって金額を答えた人だけの平均です。援助がなかった人を0円として全員で平均し直すと、2024年は74.2%×168.6万円で約125万円、総額の約36%になります(2018年は約123万円で34.5%)。援助を受けた人は総額の約半分、全体に均すと3分の1強、と読み分けるのが安全です。
受けた人の割合は、調査で66%から82%まで開く
次に、援助を受けた割合が調査によって違う理由です。手元で確認できた数字は4つあります。
| 調査 | 援助を受けた割合 | 援助額の平均 | 何に対する援助か |
|---|---|---|---|
| ゼクシィ結婚トレンド調査2024 | 74.2% | 168.6万円 | 挙式、披露宴・ウエディングパーティーの費用面 |
| ゼクシィ結婚トレンド調査2024 | 81.9% | 183.5万円 | 結納、挙式、披露宴、二次会、新婚旅行を含む結婚費用 |
| マイナビウエディング(2025年7月調査) | 79.1% | 177.4万円 | 親からの金銭的な援助(範囲の明記なし) |
| ハナユメ(2018年5月取得) | 66.1% | 公開なし | 結婚式の費用 |
同じゼクシィ結婚トレンド調査2024の中でも、聞く範囲を結納から新婚旅行まで広げると、割合は74.2%から81.9%に上がります。生命保険文化センターのページがこの81.9%と183.5万円を紹介しています。範囲を広げると、援助を受けたと答える人が増え、額も約15万円増えるわけです。
マイナビウエディングの調査は、2024年7月から2025年6月に挙式か披露宴を行った20〜49歳の男女1,000人にインターネットで聞いたものです。親から援助を受け取ったと答えた人は79.1%、そのうち平均は177.4万円で、いちばん多い帯は50万円以上100万円未満でした。ゼクシィの分布では100万円台が最多なので、山の位置もずれています。
ハナユメの66.1%は2018年5月に取得したアンケートで、サイトには2026年6月の更新日が付いたまま、数字は8年前のものです。同じ2018年のゼクシィは70.7%なので、4.6ポイント低い。調査会社や回答者の集まり方で、この程度のずれは普通に出ます。
もう1つ、資産形成ハンドブックが2026年5月に載せた記事は、リクルートブライダル総研の結婚マーケット調査2025の数字として、親からの援助があった人65.9%、援助額の平均約140.6万円と書いています。僕はこの数字の原典を確認できていません。調査の対象が2024年以前と変わった2025年版で、ゼクシィ結婚トレンド調査2024と並べられるかどうかも分かっていないので、表には入れず、ここに参考として置くにとどめます。同じ会社の調査でも、聞き方や対象が変われば65.9%にも74.2%にもなる、という例にはなります。
並べ方をまとめると、割合は聞く範囲(結婚式だけか、結納や新婚旅行まで含むか)、対象(挙式者か、実施予定者を含むか)、年(2018年か2024年か)で簡単に10ポイント以上動きます。結婚式の援助率を自社の資料に書くなら、74.2%や79.1%という数字を1つ置くより、調査名と聞き方を添えて幅で書くほうが、後から突っ込まれません。
年齢と地域で見ると、援助が薄い層と厚い層がある
ゼクシィ結婚トレンド調査2024は、妻の年齢別と地域別の数字も出しています。
妻の年齢別の援助率と援助額は次のとおりです。
- 24歳以下:75.4%、164.8万円
- 25〜29歳:77.1%、170.5万円
- 30〜34歳:70.7%、172.7万円
- 35歳以上:65.4%、150.6万円
35歳以上は、援助を受けた割合が25〜29歳より11.7ポイント低く、額も約20万円低くなります。結婚の年齢が上がるほど、親が出すという前提が崩れていきます。初婚の年齢が上がっている業界で、これは小さくない数字です。
地域別は差がもっと大きく、割合は新潟83.7%が最高、九州69.5%が最低でした。額では、首都圏が179.8万円、東海が190.0万円、北海道が124.1万円、九州が140.6万円です。ただし地域別の金額回答者は100件台(北海道127件、九州153件)なので、数万円の差は動くものとして見てください。
総額と並べると、地域の違いが見えます。首都圏は総額374.8万円に対して援助額179.8万円で、48.0%。九州は総額363.6万円と首都圏に近いのに、援助額は140.6万円で38.7%です。北海道は総額221.5万円に対して124.1万円で、56.0%。総額の高さと親が出す比率は、地域では揃って動いていません。
式場の仕事にどう効くか
ここからは、数字を見た僕の見立てです。
1つ目は、見積もりの予算上限の見方です。新郎新婦が提示する予算は、二人の貯金と収入だけでなく、親の援助を見込んだ額になっていることが多い。援助を受けた人で総額の約半分というのは、予算の半分は二人以外が決めている額だということです。親の意向で上限が動く前提は、成約の場面でも持っておいたほうがいいと考えています。
2つ目は、価格の説明の相手です。援助額の山は100万円台で、200万円以上が約4割います。見積書は新郎新婦のためのものですが、親が出す金額の使い道として説明できる形になっているか。ゲストの人数や料理のグレードを、親の世代にも伝わる言葉で書いているか。見積書の読み手が増えるぶん、書き方が変わります。
3つ目は、年齢と地域によるばらつきです。35歳以上は援助率65.4%と低めで、地域でも傾きが違います。自社の来館層の年齢構成と立地で、親が出す前提の見積もり提案が合う客層なのか、二人の資金で組む前提の提案が合う客層なのか、分けて考える余地があります。
自社に当てはめるときの確認
援助の数字を社内の資料に使うときは、次の順で確認すると事故が減ります。
- どの調査の、どの年の数字か。調査名と発表年を必ず添える
- 何に対する援助か。結婚式の費用だけか、結納や新婚旅行を含むか
- 平均は援助があった人だけのものか、全員を均したものか
- 金額回答者が何件か。地域や年齢で切るときは、100件台の差を断定しない
ゼクシィ結婚トレンド調査2024の援助額168.6万円は、1の調査名と2の範囲が明確で、3の対象が援助があった人の金額回答者です。マイナビウエディングの177.4万円は、調査期間と対象がはっきりしている一方で、援助の範囲が結婚式の費用に限られるのか、掲載ページからは読み取れませんでした。同じ「親の援助」でも、横に並べるときは別物として扱います。
まとめ
- ゼクシィ結婚トレンド調査2024では、挙式・披露宴の費用面で親・親族の援助があった人は74.2%、援助額の平均は168.6万円で、総額343.9万円の約49%
- 援助率は2018年の70.7%から2024年の74.2%まで、69%台から74%台の間で動いただけ。額は156.0万円から174.5万円の間で、総額の動きに連れて動く
- 援助があった人を総額で割ると約半分、援助がなかった人を0円にして全員で均すと3分の1強(約36%)。どちらの平均か、数字の横に書く
- 援助を受けた割合は、調査の範囲と年で66.1%、74.2%、79.1%、81.9%と開く。1つの数字で語らず、調査名と聞き方を添えて幅で書く
- 妻の年齢が35歳以上だと援助率65.4%、額150.6万円と薄くなる。地域でも比率は九州38.7%から北海道56.0%まで違う
- 予算の半分近くを親が持つ前提は、見積もりの上限、価格の説明の相手、客層ごとの提案の組み方に効く
