来館・成約

式場LINEのリッチメニューは、ボタンを4つに絞って並び順を決める

公式LINEのトーク画面の下に、大きなボタンが並ぶ領域があります。リッチメニューと呼ばれるものです。式場の公式LINEを見ていると、ここに6つ、8つとボタンが並んでいるアカウントをよく見ます。「フェア予約」「料金」「ドレス」「料理」「アクセス」「Instagram」「よくある質問」「スタッフ紹介」。どれも必要に見えるので、足していった結果だと思います。

僕は、見学前の二人に向けたリッチメニューは、ボタンを4つに絞って、並び順を二人が押したい順に決めるのがいいと考えています。理由は、メニューは案内板ではなく、予約までの道を短くする装置だからです。ボタンが増えるほど、二人が最初の一回を押すまでに迷う時間が増えます。

この記事では、なぜ4つなのか、どの4つを選ぶのか、並べる順番をどう決めるのか、押された回数でどう入れ替えるのかを整理します。出典のある数字は出てきません。数字はすべて、手順を見るための仮の想定です。実際の数字は、それぞれの公式LINEの管理画面で数えてみてください。

メニューが多いと、二人は一番上の左を押す

ボタンが8つあるメニューを開いた二人は、何を探しているのでしょうか。多くの場合、探しているのは「見学の予約はどこか」と「料金はいくらか」の二つです。それ以外は、見学の予約が決まってから気になるものです。

ところが、8つ並んでいると、二人は全部を読んでから選ぼうとします。読むのに数秒かかります。数秒でも、スマホのトーク画面では長い時間です。迷った二人は、いちばん左上か、いちばん大きく見えるボタンを押すことが多いと思います。ここが予約ボタンでなければ、予約までの道が一段長くなります。

ここで大事なのは、ボタンの数が多いこと自体が悪いのではなく、「二人が最初に押したいもの」と「式場が見せたいもの」がずれやすいことです。式場が見せたいものは、増えていきます。新しいフェアができれば足したくなるし、新しい会場ができれば足したくなる。足すのは簡単で、減らすのは勇気がいります。だから、最初に上限を決めておきます。

ボタンは4つまで、と決める理由

4つにする理由は、スマホで押す領域として、4つなら一つひとつを大きく取れるからです。大きいボタンは、押し間違いが少なく、読み間違いも少ない。小さい文字の8つより、大きな文字の4つのほうが、見学前の二人には届きやすいはずです。

もう一つの理由は、上限があると、入れるものを選ぶ基準が必要になることです。基準があると、「なぜこれは入っていないのか」を説明できます。基準がないと、声の大きい部署のボタンが増えていきます。

4という数字そのものに根拠があるわけではありません。3でも5でもかまいません。大事なのは、上限を決めて、入れる条件を言葉にしておくことです。この記事では4で進めます。

4つの選び方:予約までの道に載っているものだけ

選ぶ基準は一つです。見学の予約までの道に載っているかどうか。見学前の二人が、予約を決めるまでに必ず通る疑問に答えるボタンだけを入れます。

見学前の二人が通る疑問は、おおよそこの順番だと考えられます。

  1. この式場で、自分たちの希望が叶うか(雰囲気、会場、写真)
  2. だいたいいくらかかるか(料金、見積もりの目安)
  3. 見に行くには何をすればいいか(フェア、見学予約)
  4. 行くのに困らないか(アクセス、駐車場、所要時間)

この順番を、そのままボタンにします。

  • 会場と実例(写真が見られる公式サイトのページへ)
  • 料金の目安(見積もりの見方が書いてあるページへ)
  • 見学・フェアの予約
  • アクセスと当日の流れ

もちろん、これは例です。会場によって、二人が最初に迷うことは違います。遠方からの二人が多い会場なら、アクセスが先に来るかもしれません。少人数婚に強い会場なら、人数ごとの料金の目安が先に来るかもしれません。自分の会場の問い合わせの冒頭の文を30件ほど読めば、一番多い疑問は見えてきます。

入れないもの

次のものは、予約までの道の上にないので、メニューには入れません。

  • Instagramへのリンク。LINEから外に出た二人は、戻ってこないことがあります。外に出すなら、予約のあとにしたほうが安全です
  • スタッフ紹介。見学のあとに見たくなるものです。予約の前に押す人は少ないと考えています
  • ドレスや料理の単独ボタン。会場と実例のページの中に入れて、そこから辿れるようにします
  • よくある質問。これは別枠にします。メニューの外、トークのなかで質問されたときに案内するほうが、自然に使われます

「入れないもの」は、捨てるわけではありません。公式サイトのなかには残します。LINEのメニューに載せないだけです。

並べる順番は、予約ボタンを一番押しやすい場所に置く

ボタンの並べ方には、スマホの親指の位置が関わります。右手で持つ人が多いので、画面の右下に近いほど押しやすい、と言われることがあります。ただ、利き手や持ち方は人によって違うので、これを理由に決めるのは危ういと思います。

僕のおすすめは、位置で決めずに、色と大きさで決めることです。

  • 予約ボタンは、メニューのなかで一番目立つ色にする。他の3つは、同じ色味で揃える
  • 予約ボタンの大きさを、他より一回り大きくする(メニューを横長1枚の画像で作るなら、4分割ではなく、予約だけ幅を広げる)
  • 並びは、疑問が出てくる順に、左から右。予約ボタンの位置は、最初の3か月は動かさない

位置を動かさない理由は、押された回数を比べるためです。位置が変わると、押された回数が位置のせいなのか、中身のせいなのか分からなくなります。

押された回数で入れ替える:仮のモデル

メニューは、作って終わりではありません。管理画面で、ボタンごとのタップ数が見られます。月に1回、これを見ます。

仮に、ある月の友だち追加が120人、そのうちメニューを一度でも押した人が80人だったとします。ボタン別のタップ人数が次のとおりだったとします。

ボタン タップ人数(仮)
見学・フェアの予約 56
料金の目安 41
会場と実例 33
アクセスと当日の流れ 12

メニューを押した80人に対して、予約ボタンを押した人は56人で、70%です(56 ÷ 80)。料金の目安が41人で約51%。アクセスは12人で15%です。

ここから読めるのは、次のことです。

  • 予約ボタンは押されている。ただし、押された56人のうち何人が実際に予約を完了したかは、LINEの管理画面だけでは分かりません。予約ページ側の完了数と突き合わせます
  • 料金の目安は、半分以上の人が押している。メニューの2番目に置いて正解だった、と読めます
  • アクセスは15%。押す人は少ない。ただし、アクセスで困る二人にとっては必須の情報です。タップ数が少ないことを理由に消すのは早いと考えています

入れ替えるときは、タップ数が少ないボタンを消すのではなく、タップ数が少ない理由を考えることから始めます。ボタンの名前が分かりにくいのか、押す必要がない人が多いのか、そもそも見学前の二人が気にしないことなのか。アクセスの例なら、「アクセスと当日の流れ」という名前が、二人にとって予約前に必要な情報に見えていないのかもしれません。名前を「駅からの行き方・所要時間」に変えて、1か月後にもう一度数える、という進め方ができます。

一度に変えるのは1か所だけ

月に1回の見直しで、変えるのは1か所までにします。名前、色、順番のうち、どれか一つです。二つ以上を同時に変えると、何が効いたのか分からなくなります。

予約完了までの数字も並べて確かめる

メニューのタップ数は、途中の数字です。見たいのは、最後の「予約が入ったか」です。

LINEの管理画面でタップ数を見たあと、予約管理のシステムで「LINE経由」の予約数を確認します。この二つを並べます。

  • 予約ボタンのタップ人数
  • LINE経由の予約完了数

仮に、予約ボタンのタップ人数が56人で、LINE経由の予約完了が14組だったとします。56人が14組になるので、押した人の25%が予約を完了した計算です(人数と組数の単位が違うので、厳密な率ではありません。二人でスマホを覗き込んでいる場合、1組で2人が押すこともあります。傾向を見る数字として使います)。

この比率が極端に低ければ、ボタンの問題ではなく、予約ページの問題かもしれません。押されているのに予約が入らないなら、メニューを直しても意味がありません。予約ページの項目数や、入力の手間を見直す番です。ここまで見て初めて、メニューを直すのか、予約ページを直すのか、が決まります。

作るときの実務メモ

最後に、作るときに迷いやすい点を挙げます。

  • 画像の文字は大きく、短く。1ボタンあたり6〜8文字程度が目安です。長い名前は小さくなって読めません
  • スマホで実機確認する。パソコンの画面で見たときと、スマホで見たときでは、文字の大きさの印象が違います。自分のスマホと、もう1台別の機種で確認します
  • メニューの切り替えを多用しない。「次のメニューへ」のような切り替えは、見学前の二人には手間です。最初は1枚だけにします
  • 予約後は別のメニューに替える。予約が入った二人には、日程の確認や持ち物の案内が出るメニューに切り替える方法があります。これは最初の1枚が安定してから考えれば十分です

まとめ

  • リッチメニューは案内板ではなく、予約までの道を短くする装置です。ボタンが多いほど親切、とは限りません
  • 最初に上限(この記事では4つ)を決めて、入れる条件を言葉にしておきます
  • 選ぶ基準は「見学の予約までの道に載っているか」。会場と実例、料金の目安、見学・フェアの予約、アクセスの4つが例になります
  • 並びは位置より色と大きさで決めます。予約ボタンを一番目立たせ、最初の3か月は位置を動かしません
  • 月に1回、ボタン別のタップ人数を見ます。少ないボタンは消す前に、名前や役割を疑います
  • 変えるのは月1か所まで。タップ数と、LINE経由の予約完了数を並べて、直す先がメニューなのか予約ページなのかを分けます
  • 仮の数字では、メニューを押した80人のうち予約ボタンは56人(70%)でした。自分のLINEでは、この比率が基準になります

メニューは、足すより減らすほうが、予約への道が見えやすくなります。