式場LINEの友だち追加は、受付でなく帰り際に頼む
結論から書きます。式場LINEの友だち追加は、見学の受付で頼むより、帰り際に「このあとの連絡はここでします」と理由を添えて頼んだほうが、見学後に連絡が届く二人は増えやすいと僕は考えています。受付の時点では二人にとって「登録する理由」がまだなく、帰り際には「この先の連絡を受け取る場所」という理由が自然に立つからです。
この記事では、なぜ頼む場所で追加される数が変わるのか、帰り際の言い方、断られたときの受け方、効果の測り方を順に整理します。数字は出典のあるものを使わず、すべて仮に置いた計算です。実際の追加率や返信率は会場ごとに違うので、自社の数字に置き換えて読んでください。
見学後に連絡が届くかどうかは、見学中に決まっている
見学した二人の多くは、その日に契約しません。他の式場も見たい、親に相談したい、日取りを決めたい。保留になった二人に、見学後どうやって連絡するかが、成約までの道のりを左右します。
連絡の手段は、主に電話、メール、LINEです。電話は出てもらえないことが多く、メールは他の通知に埋もれやすい。普段のやりとりに使っているLINEは、二人が見る可能性が高い手段です。ここは「そうなりやすい」という一般的な構造の話で、会場の実績によって差は出ます。
ただし、LINEで連絡できるのは、友だち追加をしてもらえた二人だけです。見学が終わって二人が帰ってしまってから、「LINEを追加してください」とメールで頼むのは難しくなります。頼めるのは見学の最中までで、その場面は大きく2つあります。
- 受付の時点(来館直後、アンケートや案内の最初)
- 帰り際の時点(見学と見積もりの説明が終わり、会場を出る前)
どちらで頼むかで、追加してもらえる割合が変わる、というのがこの記事の話です。
受付で頼むと、理由がない状態で頼むことになる
受付で「お得な情報をお送りするので、LINEの友だち追加をお願いします」と頼む会場は多いと思います。割引やフェア情報を理由にした頼み方です。これには弱い点が3つあります。
1. 二人はまだ、この式場を選ぶか分かっていない
来館したばかりの二人は、まだ会場を見ていません。気に入るかどうかも分かりません。その状態で「連絡先を登録してほしい」と言われると、売り込まれる前の警戒が先に立ちます。
2. 理由が「お得な情報」だと、あとで見られなくなる
割引情報の配信を理由に登録すると、二人はその会場のLINEを「広告が届く場所」として覚えます。見学のあとで大事な連絡を送っても、広告の一つとして流されやすくなります。登録した理由と、実際に送りたい連絡が食い違っているわけです。
3. 案内の最初に入れると、見学の流れが止まる
受付は、二人がいちばん緊張している場面です。ここにスマホを出して登録する作業を入れると、最初の数分が手続きで埋まります。会場の印象を持ち帰ってもらう時間が短くなります。
もちろん、受付で頼んで十分に追加される会場もあります。ここで言いたいのは、「受付で頼む形は、理由づけが弱くなりやすい」という構造の話です。
帰り際には、頼む理由が自然に立つ
見学と説明が終わった帰り際は、二人の状況が変わっています。会場を見て、見積もりの説明を聞き、「どうするか」を持ち帰る段階です。そこには、連絡を受け取る具体的な理由があります。
- 持ち帰った見積もりについて、追加の質問が出る
- 親と話した結果を伝えたくなる
- 日取りの空きを確認したくなる
- 検討の途中で、資料や写真がもう一度見たくなる
つまり「このあとの連絡はここでします」と言えるのは、帰り際だけです。割引ではなく、二人の側の用事を理由にできます。
帰り際の言い方は、用事を先に言う
たとえば、次のような言い方です。
「今日お持ち帰りいただく見積もりは、あとから質問が出ると思います。電話だと出られない時間もあると思うので、質問や日程の相談はLINEで受けています。よければ今、追加しておきませんか」
ポイントは3つです。
- 二人の側の用事(質問、日程の相談)を先に言う
- 電話に出られない事情に触れて、手段を選べることを示す
- 「今」と言って、その場で完結させる
「お得な情報をお送りします」という言い方は避けます。広告を送る場所だと、最初に覚えさせてしまうからです。
追加したあとの最初の1通を、その場で送る
追加してもらったら、二人の目の前で最初の1通を送ります。内容は短くて構いません。
- 今日のお礼と、持ち帰ってもらった見積もりの案内
- 質問があればこのトークで受けるという一言
その場で届くことが分かると、二人は「ここで連絡が取れる」と実感できます。あとで届くメッセージを待たせるより、登録した直後に動いたほうが、登録した理由と実際の使い道がつながります。
仮の数字で、差を計算してみる
ここからは、すべて僕が仮に置いた数字です。実績や調査の数字ではありません。
- 見学した二人が100組
- そのうち当日に契約したのが20組、保留が80組
- 受付で頼んだ場合、保留80組のうち35%がLINEを追加(28組)
- 帰り際に理由を添えて頼んだ場合、60%が追加(48組)
- LINEを追加した二人に連絡が届く確率を70%、追加していない二人(メールか電話)に届く確率を25%とする
この前提で、見学後に連絡が届く二人の数を計算します。
- 受付で頼む場合:28×0.7 + 52×0.25 = 約32.6組
- 帰り際に頼む場合:48×0.7 + 32×0.25 = 約41.6組
差は9組です。さらに、連絡が届いた二人のうち10%が再来館や返信につながるとすると、約3.3組と約4.2組。1か月で約0.9組の差になります。
この差は、前提の置き方でいくらでも変わります。追加率の差が10ポイントしかなければ、差はずっと小さくなります。逆に、電話に出てもらえない比率が高い会場なら、LINEに追加してもらえた意味は大きくなります。大事なのは、「追加率」と「連絡が届く割合」の2つを分けて見ることです。追加率が上がっても、追加した二人にメッセージが届かなければ意味がありません。
断られたときの受け方
帰り際に頼んでも、断る二人はいます。ここでの受け方も決めておきます。
理由を聞かない
「LINEはあまり使わなくて」「会社の人に見られるのが嫌で」など、理由は人それぞれです。聞き返すと、断りにくい空気になります。「分かりました。では、ご都合のいい手段を教えてください」と、手段の選択に話を移します。
代わりの手段を、その場で決める
LINEを断られたら、メールか電話か、連絡してよい時間帯を決めます。このとき、見学予約フォームで聞いた連絡先を確認するだけで済みます。「あとで連絡します」と曖昧に終わらせず、その場で一つ決めておきます。
追加しなかった二人を、別扱いにしない
LINEを追加した二人にだけ丁寧な連絡をして、追加しなかった二人の連絡が遅れる、という偏りは避けます。手段が違うだけで、検討の状況は同じです。連絡する日の目安は、手段が違っても揃えます。
帰り際に頼む形が合わない会場もある
この形がうまくいかない場面もあります。
- 見学の最後が慌ただしく、帰り際に声をかける時間がない
- 次の組の案内が詰まっていて、二人を引き留められない
- 見積もりの説明が長引き、二人が疲れている
こうした会場は、見積もりの説明の前に1回だけ、LINEの話を入れる手があります。説明を始める前に「今日の見積もりは、あとから質問が出ると思うので」と一言添え、説明の終わりに「では追加しておきましょうか」と確認する。声をかける回数は2回になりますが、帰り際の1回に集中させるより、二人の負担は軽くなります。
どちらの場合も、「頼む場面に、二人の側の用事がある」ことが条件です。用事のない場面で頼むと、受付と同じ弱さが残ります。
頼む人を決めておく
帰り際の頼み方は、人によって言い方がばらつきます。プランナーごとに「頼む人」と「頼まない人」が分かれると、追加率の差が会場の差ではなく担当者の差になり、頼み方の効果が測れなくなります。
そこで、次の3点だけは全員で揃えておきます。
- 言う場面は、見積もりの説明が終わったあと、席を立つ前
- 最初に言うのは、二人の側の用事(質問や日程の相談)
- 追加してもらったら、その場で最初の1通を送る
言い回しまで台本にする必要はありません。この3点が揃っていれば、言い方は担当者の話し方で構いません。台本どおりに読まれる言葉より、普段の話し方のほうが、二人は「売り込まれている」と感じにくいからです。
新人のプランナーには、先輩が頼む場面を見てもらうのが早いです。「いつ」「何を先に言うか」が見えれば、言い回しは自分の言葉に直せます。
効果の測り方
やり方を変えたら、次の3つを月ごとに数えます。
- 見学した組のうち、LINEを追加した組の割合
- 追加した組のうち、見学後7日以内にこちらのメッセージが既読になった割合
- 追加した組と追加しなかった組で、再来館や契約に進んだ割合
1は頼み方の効果、2は理由づけの効果、3は連絡手段の違いが成約に効いているかを見るものです。3は、LINEを追加する二人が、もともと前向きな二人である可能性があるため、数字が良く見えやすい点に注意が必要です。追加した二人のほうが契約率が高くても、「LINEを追加させたから契約した」とは限りません。変える前の月と、変えた後の月で、追加率と見学後の既読率がどう動いたかを見るほうが、頼み方の効果を測れます。
まとめ
- LINEの友だち追加は、受付で頼むと理由が弱くなりやすく、帰り際なら二人の側の用事を理由にできる
- 頼み方は「質問や日程の相談はLINEで受けています」と、用事を先に言う。割引や配信を理由にしない
- 追加してもらったら、その場で最初の1通を送り、登録した理由と使い道をつなげる
- 断られたら理由を聞かず、代わりの手段と連絡の時間帯をその場で決める
- 効果は、追加率と見学後の既読率を分けて、変える前後の月で比べる
- 頼む場面に二人の用事があること。それが、場所より先にある条件
