見学の予約から日があく二人には、間に1通だけ宿題を送る
見学の予約が入ってから当日までに2週間あくなら、その間に二人が他の式場を見に行く可能性があります。予約を取った時点で、もう勝負がついたわけではありません。
この記事の結論は、予約から見学まで日があく二人には、間に1通だけ「見学までに二人で決めておくこと」を送ったほうがいい、ということです。確認メールとも前日の連絡とも別の、真ん中の1通です。何を書くか、いつ送るか、送らないほうがいい相手、効いたかの確かめ方を順に書きます。
この記事に出典の数字はありません。以下の数字は、計算しやすいように僕が置いた仮のものです。業界の平均ではないので、自分の会場の数字に置き換えて読んでください。
予約と見学のあいだは、式場から二人が見えなくなる期間
予約の確認メールは、予約の直後に届きます。前日の連絡は、見学の前日に届きます。この2つは、多くの会場がすでに送っています。その間が空いています。
二人の側から見ると、この期間は何も起きません。予約したあと、二人は結婚式の情報を探し続けています。検索もするし、SNSも見るし、友人の話も聞きます。予約を入れた式場の名前は頭に残っているものの、新しい情報は他の式場から入ってきます。
見学の予約を入れた時点で、二人の頭の中には「この式場を見に行く」という予定が1つできます。その予定を覚えているだけの状態と、予定に向けて少し準備が進んでいる状態では、当日の来館率も、来たあとの話の進み方も変わるはずです。ここで言いたいのは、式場から連絡して引き止めるという話ではありません。二人が見学を有意義にするための材料を、真ん中で渡すという話です。
真ん中の1通に書くのは「二人で決めておくこと」
売り込みの文面を送ると、二人は読みません。送るなら、二人が見学を使いこなすための宿題にします。書くことは、3つに絞ります。
- 見学で最初に確かめたいことを、二人でそれぞれ1つ挙げておく
- 予算の上限を、どちらかの頭の中でなく二人で一度すり合わせておく
- 聞いておきたい人数のざっくりした幅を決めておく
確かめたいことを1つずつ挙げてもらう
二人は見学の前に、式場に聞きたいことを持っています。ただ、当日になると会場の雰囲気や担当者の話に押されて、聞きそびれます。事前に「それぞれ1つ」と数を決めておくと、二人とも口に出せる状態で来ます。
数を1つに絞るのがポイントです。「聞きたいことを書き出してください」とすると、10個になって、当日の話が散らかります。1つずつなら、二人で合わせて2つで、見学の最初にその2つを担当者に渡せます。担当者の側も、見学の骨組みを前もって知ることができます。
予算は上限を二人で一度合わせてもらう
見学の場で初めて、二人の予算の考えが違うと分かることがあります。片方は総額で300万円を考えていて、片方は親の援助を含めて500万円まで見ている、という具合です。仮にこの違いが当日に出ると、担当者は見積もりの出し方に迷いますし、二人も気まずくなります。
事前に「予算の上限は、見学の前に一度だけ二人で話してみてください」と添えておくと、この食い違いを当日より前に出せます。具体的な金額を聞き出す必要はありません。話してほしいと促すだけです。式場が数字を求めている形にしないことが大切です。
人数は幅で決めてもらう
人数は、決める前の段階では揺れます。ここで求めるのは確定した人数でなく、「40〜60人くらい」のような幅です。幅があれば、見学で見せる会場も、出す見積もりの帯も絞れます。幅さえ決まっていない二人には、人数を決めるところから一緒に始める見学の組み方に変えられます。
なぜこの3つなのか
3つに共通するのは、どれも「二人が見学の前に済ませておけば、当日の時間がよくなる」ことです。
見学当日の時間は限られています。仮に90分とすると、会場を見る時間、試食や説明の時間、見積もりの時間で埋まります。二人の側で前提がそろっていなければ、その90分のうち、かなりの部分が前提をそろえる話で消えます。真ん中の1通で前提を先に揃えてもらえば、その分が会場や料理や人の話に回ります。
もう一つの効果は、二人にとって見学が「予定」から「自分たちの用事」に変わることです。宿題が出ていると、見学はただ連れて行かれる場ではなく、二人で準備して臨む場になります。準備に少しでも時間を使った二人は、行かなくなる理由が減ります。これは僕の見立てで、数字で確かめたものではありません。
いつ送るか:予約から見学までの日数で決める
送る時期は、予約から見学までの日数で変えます。
| 予約から見学まで | 真ん中の1通 |
|---|---|
| 3日以内 | 送らない。確認メールと前日の連絡で足りる |
| 4〜7日 | 見学の3日前に1通 |
| 8日以上 | 予約の翌々日あたりと、見学の3日前の2通を検討する |
3日以内の予約には、真ん中の期間がほとんどありません。確認メールの直後に別のメールを送ると、うるさく感じられます。送らない判断が正解です。
8日以上あくなら、1通では間があきすぎます。ただ、2通も送ると、内容が重なります。最初の1通は「宿題を出す」だけ、2通目は「宿題の締め」として、あとは軽く一言を添えるくらいにします。2通に増やすのは、後で書く確かめ方で、1通の効果が見えてからにします。
文面の組み立て
文面は短くします。長いと、結局読まれません。
- 件名は「見学までに二人で決めておくと楽になること」のように、中身が分かるものにする
- 冒頭に、見学の日付と時間を書く。予定の確認が最初に来る
- 宿題は3つを箇条書きにする。1つにつき1〜2行
- 最後は、「当日お会いできるのを楽しみにしています」のような短い一言で閉じる。連絡や相談への誘いは足さない
「必ず答えてください」とは書きません。返信を求めると、二人は返信の準備に気を取られます。送りっぱなしで、答えは見学当日の会話で受け取ります。
送らないほうがいい相手
誰にでも送ればいいわけではありません。
自由記入で細かく書いてくれた二人
予約のときの自由記入に、聞きたいことや予算の事情がすでに具体的に書かれている二人には、真ん中の1通は要りません。書いてくれた内容に、見学の前に担当者が返事をするほうが効きます。同じ宿題をもう一度出すと、「ちゃんと読んでいない」と感じさせます。
親が主導で予約した見学
親が予約を主導している場合、宿題の相手が二人ではなく親になりかねません。この場合は、宿題の形をやめて、見学の持ち物と段取りだけを伝えるほうが無理がありません。
すでに強く迷っている様子の二人
予約のときの文面に他の式場との比較が書かれていて、迷いが見えるなら、宿題を出すより、「見学で見てほしいところ」を一言で伝えるほうが近道です。
効いたかを確かめる
真ん中の1通が効いたかを、数字で確かめます。ただし、月の来館が少ない会場では、結果が出るまで時間がかかります。
見る数字は3つです。
- 見学の当日に来た二人の割合(来館率)
- 見学の当日に見積もりまで進んだ二人の割合
- 見学から2週間後の成約率
仮の会場で考えます。月の見学予約が50組で、うち予約から見学まで4日以上あくのが半分の25組とします。この25組を、半分ずつ「送る」「送らない」に分けて、同じ期間に比べます。1か月で12〜13組ずつでは、差が出ても偶然かもしれません。3か月続けて、おおよそ75組ずつが集まった時点で、傾向を見るのが現実的です。
この比べ方で一番まずいのは、「送った月」と「送らなかった月」を並べて比べることです。繁忙期かどうかや、媒体の掲載状況が変わるだけで、数字は動きます。同じ期間のなかで、予約の日で交互に振り分けるほうが、条件が揃います。
仮の会場で、手間を計算する
1通を送るのに、手作業なら1分かかるとします。月に25組なら25分で、ほぼ手間になりません。予約管理の画面やLINEの自動配信に、見学の3日前に送る設定を入れておけば、手間はさらに小さくなります。
費用の面では、手間よりも「送った結果、断る二人が出るかもしれない」ことのほうが気になります。宿題を出されて負担に感じ、見学そのものを取りやめる二人が出る可能性はあります。仮に25組のうち1組が取りやめたとしても、来館率が数ポイント上がれば相殺されるはずです。ただ、これも僕が数字を持っているわけではありません。取りやめの連絡が増えたら、文面が重すぎるサインとして受け取り、宿題を3つから2つに減らします。
やりがちな失敗
失敗1:宿題が営業に見える
「ご予算はおいくらですか」と聞く形にすると、売り込みの前触れになります。話してほしいと促すだけで、式場に答えを求めない形を守ります。
失敗2:確認メールと内容が重なる
予約直後の確認メールにも、持ち物や集合場所が書いてあります。真ん中の1通はそれと別の中身にします。確認メールは「当日の段取り」、真ん中の1通は「二人の準備」と、役割を分けておきます。
失敗3:送った後の見学で触れない
宿題を出したのに、当日の担当者が何も触れないと、二人は「出した意味がなかった」と思います。見学の最初に、「事前にお二人で決めておいてくださったことがあれば、そこから聞かせてください」と一言添えます。担当者がこの一言を言えるように、送ったことを担当者にも共有しておきます。
まとめ
- 予約から見学まで日があく二人には、間に1通「見学までに二人で決めておくこと」を送る
- 宿題は3つに絞る:確かめたいことを1人1つ、予算の上限の事前のすり合わせ、人数の幅
- 予約から3日以内なら送らない。4〜7日なら見学の3日前、8日以上なら2通を検討する
- 自由記入が具体的な二人、親が主導の予約、すでに迷いが強い二人には、宿題の形をやめる
- 効いたかは、同じ期間の中で予約の日ごとに交互に振り分け、来館率・見積もりまで進んだ割合・成約率で3か月見る
- 送ったことは担当者にも共有し、見学の最初の一言で宿題に触れる
予約を取ったあとの空白は、式場が何もしなければ、ほかの式場が埋める時間です。
