来館・成約

式場の連休は、見学枠を増やす前に連休明けの追客日を決める

連休が近づくと、式場では「見学枠を増やそう」という話が出ます。二人の休みが重なる数少ない時期なので、判断としては自然です。

ただ、僕が気になっているのは枠を増やした後の話です。連休中に見学が増えると、見学の後に送る連絡が連休の間は止まり、連休明けにまとめて動くことになりがちです。見学は増えたのに、その後の連絡が遅れて、成約の取りこぼしが増える。この順番だと、枠を増やした分が成約に変わりません。

この記事では、連休の見学枠を増やす前に決めておきたいこと、つまり「連休明けのどの日に、誰へ、何を送るか」の決め方を整理します。結論を先に書くと、連休の準備は見学枠の数より、連休明けの追客日を先に決める方が効きます。

数字は出典のあるものを使っていません。後半のモデル計算はすべて仮置きです。自分の会場の数字に置き換えて読んでください。

連休は見学が増えて、見学後の連絡が止まりやすい

連休の見学には、普段とは違う特徴が3つあります。

1つ目は、見学が特定の数日に集中することです。普段は土日に分かれていた見学が、連休の中日に固まります。担当者は1日に何組も続けて案内するので、見学が終わった後に連絡を書く時間が取れません。

2つ目は、連絡する側にも休みがあることです。連休は担当者も交代で休みます。見学した本人が休みに入っていて、お礼や次の提案が出せない。引き継ぎの人は、二人がどんな話をしたかを知らない。ここで連絡が止まります。

3つ目は、二人の側も連休中は動かないことです。連休中に複数の式場を回った二人は、連休が明けると仕事に戻り、見た会場の記憶が薄れていきます。連休明けの最初の数日は、二人が見学の内容を思い出して次を決める、貴重な時間でもあります。

つまり連休の見学は、増えるのは確かですが、その後の連絡が普段より遅れやすく、遅れた分の影響も大きい、という性質を持っています。

見学枠を増やす前に、連休明けの1週間を見る

枠を増やすかどうかは、連休明けの1週間に連絡を回せるかで決めるのが安全です。確かめることは3つです。

  • 連休中の見学の組数と、連休明けに連絡できる担当者の人数
  • 連休明けの最初の営業日に、担当者が他の業務で埋まっていないか(打ち合わせ、前の月の契約処理など)
  • 連休中に見学した二人のうち、連休明けに必ず連絡したい組を、何組まで決められるか

ここで大事なのは、連休明けの最初の数日に連絡を回せる件数には上限がある、と先に認めることです。上限が見えていれば、枠を増やすか、既存の枠の中身を濃くするかを選べます。上限を見ずに枠を増やすと、増えた見学の後ろ側が詰まります。

連休明けの追客日を、見学の日のうちに決めておく

連休中の見学では、案内の終わりに次の連絡の日を二人と決めてしまうのがいちばん確実です。

「連休が明けた翌週の○曜日に、私からご連絡します。ご都合のよい時間帯はありますか」

こう聞いておくと、連絡が二人にとって「予定されたもの」になります。連絡を受ける側が構えられるので、返信も早くなります。担当者の側でも、連休明けの予定表にその日の連絡が先に入ります。

追客日を決めるときのルールは3つです。

  • 連休が明けた最初の営業日は避ける。二人も仕事に戻る日で、連絡を受け取る余裕がない
  • 連休明けから2〜4営業日目に置く。見学の記憶が残っていて、まだ決めていない時期
  • 日付だけでなく、連絡の手段(電話、LINE、メール)も二人に選んでもらう

最初の営業日を避けるのは、反応が悪いからだけではありません。担当者の側も、連休明けの初日はたまった連絡の処理で時間が取れません。初日に連絡を詰めると、誰に何を送ったかが曖昧になります。

担当者が休みの組は、書き残しを先に渡す

連休中は、見学した担当者と連休明けに連絡する担当者が違う場合があります。引き継ぎが必要な組には、見学が終わった時点で次の3つを書き残しておきます。

  • 二人が気にしていたこと(料金、日取り、親の意向など)を1〜2行
  • 二人と約束した連絡の日と手段
  • 見学の途中で答えられなかった質問と、その答えをいつまでに返すか

見学メモの全文を引き継ぐ必要はありません。連休明けに連絡する人が、二人の名前を見て「この二人には何を言えばいいか」が分かればよいのです。長い記録は読まれません。

連休中に、連絡を1通だけ出す

見学した日の夜に、お礼を1通だけ出しておくのも効きます。

内容は短くて構いません。見学のお礼、見学で聞かれたことへの答えが1つ、連休明けに連絡する日の確認。この3つです。

連休中に1通出しておくと、二人は「連絡が止まった」とは感じません。連休明けの追客も、2通目として自然に始められます。逆に、連休中に何も出さず、連休明けの最初の連絡が「その後いかがですか」だと、二人は見学から1週間以上たった後に初めて連絡を受けることになります。

モデル計算:連絡が5日遅れると、いくら変わるか

ここから先は、全部仮置きの数字です。

連休の期間に40組の見学があったとします。成約1組あたりの粗利は120万円と置きます。

連休明けの連絡が、見学から2日で届く場合と、5日たって届く場合を比べます。連絡が遅れた組は、成約率が下がると仮定します。下がり幅は、3ポイントの場合と6ポイントの場合に分けます。

  • 遅れによる成約率の低下が3ポイント:40組 × 3ポイント = 1.2組。粗利にすると約144万円
  • 遅れによる成約率の低下が6ポイント:40組 × 6ポイント = 2.4組。粗利にすると約288万円

つまり、連絡の遅れが成約率を3〜6ポイント動かすなら、連休の見学40組あたり、1〜2組強の成約と、100万円台〜300万円弱の粗利が動きます。

この計算で見てほしいのは、金額そのものではありません。見学枠を増やして追加で4組の見学が取れたとしても、4組 × 成約率だけでは増える成約は多くて1組程度です。一方、既存の40組の連絡を整えて動く成約は、枠を増やす効果と同じくらいか、それ以上になりえます。枠を増やすより先に、追客を整える方が効く可能性がある、というのがこの計算の読み方です。

低下が1ポイントしかないなら、動くのは0.4組、約48万円です。この場合は追客を整えるより、枠を増やす方が優先になるかもしれません。自分の会場で遅れた組とそうでない組の成約率を比べて、下がり幅を実測してから判断してください。

連休の長さで、追客日の置き方を変える

連休といっても、3連休と大型連休では、連休明けの動き方が違います。

3連休なら、連休明けの出勤日は普段の週の始まりと変わりません。二人も担当者も、連休明けの2日目には平常に戻ります。追客日は連休明けの2営業日目に置けば足ります。

5日以上続く大型連休は、二人の側が旅行や帰省で動かない時間が長くなります。連絡が連休中に届いても読まれず、連休明けにたまった通知の一つになります。この場合は連休中の連絡を最小限にして、連休明けの3〜4営業日目に追客日を置く方が、読まれる確率は上がります。ここは僕の見立てで、実測した数字ではありません。自分の会場で、連休の長さ別に返信の早さを見比べて決めてください。

追客の連絡文は、見学の話を1つだけ思い出させる

連休明けの連絡文で、よくある失敗は「その後いかがでしょうか」だけを送ることです。見学から1週間以上たっていると、二人はその会場の何が良かったかを思い出せません。

連絡文には、見学で二人が反応したことを1つだけ書きます。「チャペルの階段の幅を気にされていましたので、写真を添えます」のように、二人にしか通じない話が1つあれば十分です。見学メモの全文を送ると長くなり、読まれません。

もう一つの失敗は、複数の選択肢を並べて返事を求めることです。次の見学の日程、見積もりの再提示、資料の送付を同時に聞くと、二人はどれにも答えられなくなります。聞くのは次の一歩を1つだけにして、残りは返事が来てから出します。

こういう会場は、枠を増やしてよい

追客を整えるのが先、と言いましたが、枠を先に増やしてよい会場もあります。

  • 連休明けの最初の1週間に、担当者全員が連絡に使える時間を確保できる
  • 見学後の連絡を、定型のメッセージで即日送る仕組みがすでにある
  • 普段の見学枠が埋まっていて、連休で断っている二人が実際に出ている

3つ目は、断っている二人の数を数えることで確認できます。「枠がなくてお断りした」が連休の前に何件あったか。それが少ないなら、枠を増やしても埋まりません。

効果を測る:連休の組だけ、追客の速さと成約を並べる

連休が終わったら、次の2つを見ます。

  • 連休中に見学した組で、最初の連絡までに何日かかったか
  • 連絡までの日数別に、1か月後の来館2回目、または契約になったか

組数が少ないので、割合は大きく揺れます。20組程度なら、1組の違いで5ポイント動きます。数字を結論にせず、「遅れた組に保留が多かったか」という傾向を見る使い方にしてください。

毎年の連休で同じ記録を取れば、翌年は自分の会場の下がり幅を前提にして、枠と追客の配分を決められます。

まとめ

  • 連休は見学が集中し、担当者も休むので、見学後の連絡が止まりやすい
  • 枠を増やす前に、連休明けの1週間に連絡を回せる件数の上限を確認する
  • 見学の日のうちに、連休明けの連絡日と手段を二人と決めておく。連休明け初日は避け、2〜4営業日目に置く
  • 担当者が替わる組には、気にしていたこと、約束した連絡、答えていない質問の3つを書き残す
  • 連休中に、お礼と答え1つと連絡日の確認を、短く1通だけ出す
  • 仮に40組の見学で連絡の遅れが成約率を3〜6ポイント動かすなら、粗利は約144万〜288万円動く。枠の増設より追客の整備が先になりうる
  • 連休後は、連絡までの日数別に、保留や契約の傾向を見る