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家族だけの会食を探す二人には、式場サイトに「顔合わせ」「食事会」の言葉を置く

家族だけで食事をしたい二人は、検索窓に「結婚式」と打たないことがあります。「顔合わせ 食事会 個室」「両家 会食 お祝い」「家族だけ 結婚 お祝い 食事」のように、式場の言葉ではなく、日常の言葉で探します。式場の公式サイトに「会食」の文字がどこにもなければ、その検索には最初から引っかかりません。

この記事では、家族だけの会食を探す二人に見つけてもらうために、公式サイトへ何を置くか、どこまでやれば足りるかを整理します。数字は出典のあるものと、仮の前提で計算したものを分けて書きます。

二人が打つ言葉と、式場が持っている言葉のずれ

式場は商品を「挙式」「披露宴」「少人数プラン」「家族婚」と呼びます。呼び方は式場ごとに違っても、どれも「結婚式」の仲間として並べた言葉です。

探している側は、結婚式をするかどうかを、まだ決めていないことがあります。結婚総合意識調査2024では、挙式か披露宴のどちらかをした二人は計算上51.7%、何もしなかった二人は22.2%、残りの26.0%が食事会か写真だけで済ませた、という整理が出ています。この数字は当サイトの別の記事で詳しく扱っているので、ここでは繰り返しません。確認したいのは1点だけです。食事会だけで済ませる二人は、一定数いるということ。

この層は、式場の営業を受ける前に、自分の中で「結婚式はしない」と決めています。決めた人が探すのは結婚式場ではなく、「家族で食事ができる個室」です。レストランや料亭、ホテルの個室が、同じ検索結果に並びます。式場が会食の需要を拾いたいなら、その並びに入る必要があります。

公式サイトのどこに「会食」を置くか

置き場所は3つあります。効きやすい順に書きます。

専用ページ

「会食プラン」「家族のお食事会」といったページを1枚作ります。タイトルには、二人が打つ言葉をそのまま入れます。たとえば「両家顔合わせ・家族の食事会」のような言い方です。「少人数ウェディング」「ファミリープラン」という式場側の呼び方は、二人の検索語とずれるので、見出しの補足に回します。

ページに載せるのは、人数の範囲、個室かどうか、料理の価格帯、予約の方法、所要時間の目安です。価格を隠すと、レストランの個室と並んだときに比べてもらえません。確定した価格を書けないなら、「1名あたり〇円から」という下限と、人数で変わる項目を書きます。

結婚式のページからの案内

結婚式のページを見に来た二人が、「うちは式まではしない」と思ったとき、そのまま戻ってしまわないように、ページの途中か終わりに会食ページへの案内を1行置きます。「式はせず、家族の食事だけ考えている方へ」という書き出しなら、二人は自分のことだと分かります。

この1行は、結婚式を勧める気持ちを少し脇に置く行為なので、最初は抵抗があると思います。ただ、会食を探している二人に結婚式を勧めても、その場では響きません。まず会食で来館してもらい、料理と空間を気に入ってもらう。関係が続く可能性は、そのあとに残せばいいと僕は考えています。

検索結果に出る説明文

専用ページの説明文(検索結果に表示される文章)に、「顔合わせ」「食事会」「両家」といった言葉を入れます。説明文が順位を直接動かすとは言われていません。それでも、検索結果の一覧で二人が読んで、自分の探しているものかどうかを決める材料にはなります。

会食の問い合わせを、結婚式の返信で返さない

公式サイトに言葉を置いて問い合わせが来ても、返信がフェアの案内だったら、そこで終わります。二人が知りたいのは、結婚式のフェアの日程ではなく、家族で食事ができるかどうかだからです。

会食の問い合わせへの返信には、次の4つを入れます。

  • 希望の人数に合う個室の空きと、日時の候補
  • 料理の価格帯と、金額が確定する時期
  • 下見の方法(試食つきの見学か、空間だけの見学か)
  • 当日までに決めておくこと(アレルギー、年配の方の席、記念撮影の有無)

「結婚式のご予定はありますか」という質問は、最初の返信には入れません。聞かれた二人は、営業されていると感じるからです。聞くなら、見学のあとで十分です。

仮に計算すると、どのくらいの話か

数字を作らないために、前提を置いて計算します。以下はすべて仮の数字です。自分の式場の数字に置き換えて使ってください。

  • 公式サイトへの問い合わせが月60件
  • そのうち、家族だけの会食の希望が月6件(10%)
  • 返信を結婚式の案内から会食用に変えると、来館率が20%から35%に上がる
  • 来館した二人のうち、会食の予約が入るのが30%

この前提で年間に直すと、会食の問い合わせは72件です。来館率20%のままなら、来館は14.4件、予約は4.3件。35%に上がれば、来館は25.2件、予約は7.6件になります。差は年に3件ほどです。

3件は小さな数字です。会食の単価を結婚式の何分の一かに置くなら、売上への効き方も小さいでしょう。ここは正直に書いておきます。会食の導線だけで、式場の収支が変わるとは思いません。

それでもやる理由があるとすれば、2つです。1つは、費用がほとんどかからないこと。専用ページ1枚と、返信の文面の書き換えで済みます。もう1つは、会食で来館した二人が、のちに別の形で戻ってくる余地を残せることです。ただしこれは仮の話で、戻ってくる割合の数字を僕は持っていません。式場の過去の来館者名簿で、会食で来館した二人のその後を追えるなら、自分の数字で確かめるのが確実です。

個室レストランと並んだとき、何で選ばれるか

会食を探す二人の比較相手は、ほかの式場ではありません。近所のレストラン、料亭、ホテルの個室です。比べる軸も結婚式とは違います。式場が得意な「演出」「装花」「ドレス」は、会食ではほとんど軸になりません。

軸になるのは、おそらく次の4つです。確かな統計を僕は持っていないので、自分の式場で二人に聞いて確かめてください。

  • 家族全員が入れる広さか、年配の方が歩きやすい動線か
  • 1名あたりの金額が、ほかの個室と比べて納得できるか
  • 予約から当日までの手間が少ないか(見積もりの返信が早い、支払いが分かりやすい)
  • 写真を撮れる場所が用意されているか

式場の強みが出るのは、最後の1つです。会食の二人にとって、式場は「ふつうのレストランでは撮れない写真が撮れる場所」になりえます。ページの写真は料理だけでなく、家族が並んで立てる場所、窓際の席、入口の外観を載せます。ここは結婚式の写真を流用せず、会食の人数で撮り直したほうが伝わります。

試食つき見学か、空間だけの見学か

会食の下見は、結婚式のフェアと違い、試食を前提にしなくても成り立ちます。個室と動線を見てもらい、料理は見本の写真とメニューで伝えるやり方です。試食を出すと、1組あたりの原価と準備の手間が増えます。

判断の分かれ目は、会食の予約が入ったときの単価と、来館のうち予約まで進む率です。仮に試食1組の原価と手間が数千円だとしても、予約率が低ければ元は取れません。逆に、予約率が高い式場なら、試食を出す意味は大きいでしょう。

最初は「空間だけの見学」を標準にして、3か月ぶんの予約率を見てから、試食を足すかどうかを決める。この順番なら、原価の見えない投資から始めずに済みます。

返信の速さは、結婚式の問い合わせより大事かもしれません

会食を探している二人は、複数の個室に同時に問い合わせていることが多いはずです。顔合わせや家族の集まりは、日付が先に決まっていて、店を早く押さえたい事情があります。結婚式のように「半年かけて比べる」進め方とは、時間の使い方が違います。

だとすると、返信が翌日以降になる式場は、その時点で候補から外れる可能性があります。これは仕組みから考えた推測で、速さと成約の関係を示す数字は持っていません。ただ、会食の問い合わせだけでも、当日中に返す決まりを作るのは、費用のかからない手当てです。返信の定型文をあらかじめ用意し、個室の空きを担当者が1か所で見られるようにしておけば、現場の負担は大きく増えません。

やらない判断が正しいとき

会食の導線を作らないほうがいい式場もあります。

1つは、個室の数が少なく、結婚式の予約で埋まる日が多い式場です。会食を受けると、結婚式の枠を空けておく必要が出てきます。週末の人気日に会食を入れれば、結婚式の見込みを逃すことになります。この場合は、会食を受ける曜日や時間帯を、平日の昼など結婚式が入りにくいところに限ると決めて、ページにもそう書きます。

もう1つは、現場に会食を受ける余力がない式場です。会食は結婚式より段取りが軽いとはいえ、件数が増えれば、料理の仕込み、個室の準備、案内の人手がかかります。受ける日の上限を先に決め、それを超える問い合わせは断る基準を持っておきます。

運用は月1回の見直しで足ります

公開したあとにやることは、多くありません。月に1回、次の3つを見ます。

  1. 会食ページ経由の問い合わせ件数。他の問い合わせと分けて数えます
  2. 会食の問い合わせから来館までの率。結婚式の問い合わせとは別に集計します
  3. 検索語句。サイトの検索レポートで、「顔合わせ」「食事会」といった言葉で来ている二人がいるかを確かめます。いなければ、見出しと説明文の言葉を見直します

3か月たっても、会食ページ経由の問い合わせが月に1件もないなら、その地域では需要が小さいか、言葉が合っていないかのどちらかです。言葉を変えてもう3か月だけ試し、それでも動かなければ、ページを閉じる判断もありえます。

まとめ

  • 家族だけの食事を探す二人は、「結婚式」ではなく「顔合わせ」「食事会」「両家」といった日常の言葉で検索する
  • 式場側の呼び名(少人数プラン、家族婚)は二人の検索語とずれる。ページのタイトルは、二人が打つ言葉に合わせる
  • 置き場所は、専用ページ、結婚式ページからの案内1行、検索結果の説明文の3つ
  • 会食の問い合わせには、フェアの案内ではなく、個室の空き・価格帯・下見の方法・当日までに決めることを返す
  • 仮の計算では、導線で変わる予約は年に数件。大きな収益ではなく、低コストで始められる施策と位置づける
  • 個室が足りない式場、人手に余力がない式場は、受ける曜日と上限を先に決める
  • 月1回、問い合わせ数・来館率・検索語句を見て、3か月動かなければ言葉を変える