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式場サイトに挙式日の空き状況を出すか|満枠の日の多さで決める

式場の公式サイトに、挙式日の空き状況を載せるかどうか。予約ページの改修を考えるとき、わりと上がる相談です。カレンダー形式で「○」「△」「満」を出す会場もあれば、見学の予約を取ってから口頭で伝える会場もあります。

結論から書きます。出すか出さないかを分けるのは、狙われる日のうち、すでに埋まっている日の割合です。埋まっている日が少なければ、出したほうが見学予約は増えます。埋まっている日が多ければ、そのまま出すと、二人が見るだけで離れていきます。後者でも、出し方を変えれば損は小さくできます。

この記事に出てくる数字は、すべて僕が置いた仮のものです。業界の平均値でも、どこかの会場の実績でもありません。自分の会場の数字に置き換えて読んでください。

空き状況を出す前にある二つの動き

公式サイトを見て問い合わせや見学予約に進む二人は、日取りについて三通りに分かれます。

一つ目は、日取りがまだ決まっていない二人です。季節や年だけ決めていて、日は会場の空きを見てから考える、という人たちです。二つ目は、希望の日がすでにある二人です。両親の都合や記念日で、この日がいいと決めています。三つ目は、その中でも希望の日がすでに埋まっている二人です。

空き状況を出さない会場では、二つ目と三つ目の二人も、まず問い合わせか見学予約に進みます。そこで返信か見学の席で「その日はもう埋まっています」と伝えられて、代わりの日を一緒に探すことになります。空き状況を出す会場では、二つ目の二人は予約前に空きを確認でき、三つ目の二人は予約前に満枠だと分かります。

つまり、空き状況を出すと、二つ目の二人は動きやすくなり、三つ目の二人は問い合わせまで来なくなります。この二つの動きを足したものが、見学予約の増減です。

仮の数字で足し合わせる

サイトを見て問い合わせか見学予約まで進もうとする二人を100組と仮置きします。内訳は次のとおりです。

  • 日取り未定:40組
  • 希望日あり:60組(うち、希望日が埋まっている二人の割合を変えて試す)

見学予約まで進む確率を、次のように仮置きします。

  • 日取り未定の二人:出しても出さなくても20%
  • 希望日が空いている二人:空き状況を出さないと20%、出すと24%。空きが見えて安心し、その場で予約できるぶん上がる
  • 希望日が埋まっている二人:出さないと12%、出すと6%。問い合わせで満枠と伝えたあと代わりの日を出せば進む二人がいるが、事前に満枠と見えると問い合わせに来ない

希望日あり60組のうち、希望日が埋まっている割合を3通りで計算します。

  • 埋まっている割合が15%:出さない場合の見学予約は19.3組、出す場合は20.8組。出すほうが1.5組多い
  • 埋まっている割合が30%:出さない場合は18.6組、出す場合は19.2組。出すほうが0.6組多い
  • 埋まっている割合が50%:出さない場合は17.6組、出す場合は17.0組。出さないほうが0.6組多い

差が逆になる境目は、希望日あり60組のうちの埋まっている割合が40%のときです。空きの二人が4ポイント増え、埋まりの二人が6ポイント減るので、割合が4対6で釣り合う点が境目になります。

この境目の位置は仮の数字で動きます。ただ、動かし方は分かります。空きの二人が空き状況を見て上がる幅が大きいほど境目は上がり、埋まりの二人が離れる幅が大きいほど境目は下がります。

自分の会場の割合を数える

境目に当てはめる数字は、自分の会場の台帳で数えられます。見る期間は、見学や問い合わせが集中する時期の挙式希望日です。具体的には、直近1年に問い合わせや見学で聞いた希望日を拾い、その日が問い合わせ時点で埋まっていたかを数えます。

埋まっていたかどうかの判定は、問い合わせの日付と予約台帳を照らして行います。希望日を聞いていない問い合わせが多いなら、見学時の聞き取りメモで補います。記録が薄い会場は、まず今月の問い合わせから聞き方を足して、3か月ほど数えれば割合が見えてきます。

埋まっている日の割合は、会場の立地や規模でかなり違うと思います。土曜の大安が半年先まで埋まる会場と、人気日でも直前まで空いている会場では、同じ記事を読んでも結論が逆になります。そのため、この記事は答えを一つに決めず、境目の求め方を渡します。

満枠の日を出すときの見せ方

埋まっている割合が高く、そのまま出すと損になる会場でも、見せ方で損を小さくできます。先ほどの計算で、満枠の日を「満」と出すのをやめて、「キャンセル待ち受付中」や「同じ週の別日をご案内できます」と出す場合を考えます。埋まりの二人の見学予約率が、6%から10%に戻ると仮置きします。

  • 埋まっている割合が30%:出さない場合18.6組、見せ方を変えて出す場合19.9組。出すほうが1.3組多い
  • 埋まっている割合が50%:出さない場合17.6組、見せ方を変えて出す場合18.2組。出すほうが0.6組多い

割合が50%でも、見せ方を変えれば出すほうが上回りました。満枠の日に「満」だけを出すと、二人には行き止まりに見えます。次の行き先を一言添えるだけで、問い合わせまで進む二人が戻ってきます。

次の行き先に使えるものは、会場の事情で決まります。

  • キャンセル待ちを受けていて、実際に連絡が取れる体制がある
  • 同じ週や翌週の空いている日を案内できる
  • 同じ日の別の時間帯(夕方の枠など)が空いている

キャンセル待ちを表示するなら、受けるだけで終わらせず、キャンセルが出たときに本当に連絡する体制が必要です。出ない連絡を待たせると、二人にとっても会場にとっても不誠実になります。表示した以上は、実際に動ける範囲に絞ります。

更新が止まったカレンダーの害

空き状況を出すときに、損益の計算に入りにくい害が一つあります。更新が止まることです。

サイトのカレンダーと予約台帳が手作業で分かれていると、更新を忘れた日が出ます。サイトでは空きと出ているのに、実際には埋まっている日が見学で露見すると、二人は「情報が古い会場」と受け取ります。逆に、埋まっているのに空きと出ている日があれば、予約を断る手間が発生します。

この害は、更新が最低でも週1回できる体制がある会場ではほとんど出ません。できない会場は、日付ごとの空き表示をやめて、「今月の土日は残りわずか」のような月単位の表示にとどめるのが現実的です。ただし、「残りわずか」は実際の空きと合っているときだけ使います。合っていない表示は誤認の元になります。

台帳から自動で表示を作れる予約システムを使っている会場なら、この害はずっと小さくなります。そうでない会場は、更新の頻度を決めてから出すかどうかを決めるほうが筋が通ります。

日取り未定の二人への見せ方

日取り未定の二人は、今回の計算では出しても出さなくても変わらないと置きました。ただ、実際には見せ方次第で動く二人です。

日取りを会場の空きから決めたい二人には、空いている日が多い月や、空きの多い曜日を見せるほうが伝わります。例えば、平日や午後の枠に空きがあるなら、その事実を日取りの選択肢として出します。割引の話をしなくても、空いている日を選択肢として見せるだけで、希望日が決まっていない二人は動きやすくなります。

人気日が埋まっている会場は、空きの出る日を探している二人にとって、むしろ分かりやすい会場です。人気の日が先に埋まっていること自体が、会場への評価として伝わります。それを悪い情報にしない出し方が、要は「満枠の日の次の行き先」と「空いている日の選択肢」を両方並べることです。

出すか迷う会場の手順

迷う会場は、次の順番で決めます。

  • 直近1年の問い合わせで、希望日が問い合わせ時点で埋まっていた割合を数える
  • 割合が40%より十分に低ければ、空き状況を出す
  • 高ければ、満枠の日に次の行き先を添えて出すか、月単位の表示にとどめる
  • 更新頻度を決める。毎週できないなら、日付単位の表示は避ける
  • 出したあと3か月は、見学予約数と問い合わせの希望日を比べる

最後の比較で、希望日が空いている二人が増えたのか、埋まっている二人が減ったのかを見ます。境目はあくまで仮の数字から出した目安なので、会場の実績で置き直します。

出したあとに残る聞き取り

空き状況を出すと、問い合わせの文面や見学の席で、二人が日取りを先に決めてから来る割合が増えます。これは悪いことではありませんが、聞き取りの順番が変わります。

空きを見て予約した二人は、日取りを会場の空きに合わせて選んでいます。希望の日がもともとあった二人とは、日取りに込めた理由が違います。見学の最初に「この日を選ばれたのは、空きを見てでしたか、もともと決めていた日でしたか」と一言聞くと、その後の話がずれません。空きを見て選んだ二人には、他の日も並べて見せる余地があります。もともと決めていた日の二人には、その日の価値を損なわない説明が先です。

また、サイトで空きと出ていた日が、見学の予約から当日までの間に埋まることがあります。予約フォームで日取りを選ばせている会場は、見学の予約時点でその日を仮に止めるのか、止めないのかを決めておきます。止めない場合は、フォームの確認画面に「見学時点の空き状況は変わることがあります」と一文書いておくと、当日の行き違いが減ります。

まとめ

  • 空き状況を出すと、希望日が空いている二人は動きやすくなり、埋まっている二人は問い合わせに来なくなる
  • 仮の数字では、希望日あり60組のうち埋まっている割合が40%が、出すか出さないかの境目だった
  • 境目の数字は、空きの二人が上がる幅と、埋まりの二人が離れる幅で動く
  • 自分の会場の割合は、直近1年の問い合わせの希望日と予約台帳を照らして数えられる
  • 満枠の日は「満」だけにせず、キャンセル待ちや別日を添えると、損が小さくなる
  • 更新が止まったカレンダーは、情報が古い会場という印象を残す。毎週更新できないなら月単位の表示にとどめる