クリスマスに婚約した二人を、年明けの式場見学に迎える12月の準備
12月24日と25日にプロポーズを受けた二人は、年が明けたあと、式場を探し始めるのではないか。そう考えると、式場がクリスマスまでに済ませておくべき準備が見えてきます。
僕の整理では、準備は三つです。年末年始の休業中に入った予約と問い合わせを、最初の営業日の午前に動かせる状態にしておくこと。「日取りも人数も決まっていない二人」が予約できる入口を用意しておくこと。そして、休業明けの最初の返信を出す時刻を、前もって決めておくことです。
この記事では、まず出典のある数字を一つだけ確認し、そのうえで、三つの準備がなぜ効くのか、どのくらいの大きさの話なのかを、仮の数字で試算します。「二人が本当に年明けに探し始めるのか」は、僕は調査で確認できていません。そこは、自分の会場の記録で確かめる手順まで書きます。
出典のある数字は、2日で約2割という一点だけです
使える数字は一つです。エン婚活エージェントが2020年11月10日から11日に行ったインターネット調査があります(DIMEに掲載)。20代と30代の既婚者・未婚者あわせて1,047人が回答し、このうち既婚者531人に、現在のパートナーからのプロポーズがクリスマスだったかを聞いています。
結果は、12月24日が12.8%、25日が5.1%でした。2日を足すと17.9%、2割近くです。
この数字には、読むときの注意が三つあります。
- 回答者は既婚者です。プロポーズから時間が経っていて、記憶に残る日付が答えになりやすい面があります
- 20代と30代のネット調査で、全国の婚約者の分布そのものではありません
- プロポーズの日と、式場を探し始める日は別です。調査は後者を聞いていません
つまり、この数字から言えるのは「12月24日と25日に婚約が集まる年が、少なくとも調査の回答者にはあった」ところまでです。「その二人が1月に来館する」とは言えません。ここから先は、仮定を置いた話になります。
婚約直後の二人は、何も決まっていない
仮定を置く前に、プロポーズ直後の二人の状態を整理します。ここは仕組みの話で、数字は出てきません。
プロポーズを受けたばかりの二人は、多くの場合、次のことを決めていません。
- 挙式の時期(今年か来年か、季節はいつか)
- 招待する人数(親族だけか、友人も呼ぶか)
- 予算(自分たちで出すのか、親の援助を頼むのか)
- 場所(どのエリアで、どんな雰囲気の会場か)
- 挙式披露宴をするのか、写真だけか、食事会かどうか
決まっていない二人にとって、式場の予約フォームは入りにくいことがあります。「希望の挙式日」「人数」「予算」の欄があると、答えられないので、入力を止めてしまうからです。見学予約のフォームの項目数を減らす話は別の記事でも書きましたが、ここで大事なのは、項目を減らすだけでなく、決まっていなくても予約していいと書いてあることです。
予約ページに「日取り・人数・予算が決まっていなくても、見学できます」と一文あるだけで、フォームの前で止まる理由が一つ消えます。年明けに探し始める二人が増えるとしたら、この一文を、増える前に置いておく価値があります。
12月のうちにやる準備は三つ
準備1:休業中に入った予約を、最初の営業日に動かせる状態にする
年末年始の休業中、予約フォームと問い合わせフォームは動いています。入った予約は、休業明けにまとめて確認することになります。
ここで起きやすいのは、休業明けの最初の営業日が、前年の対応や、他の予約の整理で埋まってしまい、新しい問い合わせへの返信が午後や翌日にずれることです。
準備しておくのは、次の三点です。
- 休業明けの最初の営業日の朝、誰が、何時から、新着の予約と問い合わせを確認するか。担当者の名前と時刻まで決める
- 休業中に入った予約の確認メールの文面。「年末年始の休業中にお申し込みいただき、ありがとうございます。休業明けの〇日に、担当から改めてご連絡します」と、いつ連絡が来るかを書いておく
- 見学の第一候補日として出せる日を、年明けの最初の週末から数週間分、先に空けておく
休業中の自動返信については、別の記事でも扱っています。ここで足すのは、休業明けの最初の動き方を、人の名前と時刻で決めておくことです。
準備2:「何も決まっていない二人」向けの見学の入口を作る
二つ目は、予約ページと見学当日の組み方です。
予約ページには、さきほどの一文を置きます。「日取り・人数・予算が決まっていなくても、見学できます」。これは、新規の来館者の裾野を広げる一文です。
見学当日は、決まっていない二人に対して、決まっている二人と同じ順番で案内しないことです。決まっている二人には「希望の日取りは」から入れますが、決まっていない二人にそれを聞くと、答えられず、「まだ何も決めていなくて」と恐縮させてしまいます。
代わりに、最初に聞くのは、決めたいことの順番です。
今日は、決まっていることはなくて大丈夫です。これから決めたいことのうち、まず何から知りたいですか。
「会場の雰囲気」「だいたいの費用」「いつ頃がいいのか」。どれが先でも、そこから案内を組み立てます。見学の最初に優先順位を聞いて案内を組み替える方法は、別の記事で整理しています。ここでは、決まっていない二人は、優先順位も決まっていないことがあるので、聞き方を「優先順位は」から「何から知りたいか」に軽くしておく、という一点だけを足します。
準備3:最初の返信は、質問より選択肢で出す
三つ目は、休業明けに出す最初の返信の中身です。
決まっていない二人に「ご希望の日取りと人数をお知らせください」と返すと、さきほどと同じことが起きます。答えられないので、返事が止まります。
代わりに、選択肢を出します。
見学は、〇日(土)の午前、〇日(日)の午後、〇日(土)の午後のどれかが空いています。どれか一つ選んでいただくだけで大丈夫です。日取りや人数は、見学のあとで決めても間に合います。
選ぶだけで済む返信にします。日取りと人数を聞くのは、見学のあとにします。
この返信文は、12月のうちに作っておきます。休業明けの朝に書き始めると、書くことに時間がかかり、返信が遅れます。
仮の数字で、どのくらいの大きさの話かを試算する
この準備が、どのくらいの違いになるのか。ここからは、すべて僕が置いた仮の数字です。実在の式場の数字ではありません。
- 12月24日から1月15日までに入る見学の問い合わせが30件
- そのうち、年末年始の休業中に入るのが8件(約27%)
- 休業明けの返信が遅れると、その8件のうち、見学の予約まで進む割合が40%
- 準備して最初の営業日の午前に返信できると、これが50%に上がる
計算すると、次のようになります。
- 準備なし:8件 × 40% = 3.2組が見学の予約まで進む
- 準備あり:8件 × 50% = 4.0組が見学の予約まで進む
- 差は0.8組
仮に、見学に来た二人の30%が成約するとすると、0.8組 × 30% = 約0.24組です。つまり、この準備で増える成約は、約3週間で0.24組です。同じ年末を4回繰り返して、ようやく1組増える計算になります。
数字は小さいです。僕は、この準備を、大きな成果を約束するものとしては書きません。ただ、準備にかかるコストは、返信文の下書きと、休業明けの担当者の時刻決めだけです。コストがほとんどゼロなので、小さな差でも、やらない理由にはなりません。
逆に、休業中に入る問い合わせが8件でなく2件なら、差はさらに小さくなります。この計算は、自分の会場の休業中の件数を数えて初めて、やるかどうかが決まるものです。
年によって、休業の位置が変わる点にも気をつけます
もう一つ、年ごとに変わる条件があります。12月24日と25日が何曜日か、休業が何日から何日までか、です。
曜日の配置によって、二人が婚約の話をする時間の取り方や、休業の長さは変わります。どう変わるかを示す調査は確認できていないので、ここは断定しません。
どちらの年でも、休業中の予約と問い合わせの扱いは同じ準備で足ります。ただ、休業が長い年ほど、休業明けの最初の営業日の動き方が、見学の予約まで進む割合に効きます。毎年の休業日程が決まった時点で、休業明けの担当者と時刻を、そのカレンダーに書き込んでおくのが確実です。
本当に年明けに来るのかは、去年の記録で確かめる
最後に、いちばん大事な確認です。「クリスマスに婚約した二人が、年明けに探し始める」という仮定が、自分の会場に当てはまるかどうか。
これは、昨年の12月25日から1月31日までの記録で確かめられます。確認する項目は三つです。
- 問い合わせと見学予約が入った日付。12月中か、年が明けてからか
- 休業中に入った件数と、休業明けに返信するまでにかかった時間
- 12月25日から1月15日までに入った見学予約のうち、実際に来館した組数
記録がない場合は、今年の12月に取り始めれば、来年の判断に使えます。記録を取る手間は、予約管理表に日付の列が一つあれば足ります。
もし昨年の記録で、年明けに予約が増えていないなら、この準備は優先度が下がります。その場合でも、一つ目の「休業中に入った予約を最初の営業日に動かす」だけは、プロポーズの話と関係なく役に立ちます。
まとめ
- 出典のある数字は一つ。エン婚活エージェントの2020年11月調査で、既婚者のうち12月24日が12.8%、25日が5.1%、合わせて約2割がクリスマスにプロポーズを受けていた。ただしこれは式場を探す時期の数字ではない
- 婚約直後の二人は、日取り・人数・予算・場所のどれも決まっていないことが多い。決まっていないと入力できないフォームは、入口になりにくい
- 12月のうちに三つ準備する。休業明けの最初の営業日の動き方を人と時刻で決める。「何も決まっていなくても見学できます」を予約ページに置く。最初の返信を選択肢で出せるよう下書きしておく
- 仮の試算では、準備で増える成約は約3週間で0.24組。小さいが、準備のコストはほぼゼロ
- 年明けに来るかどうかは、昨年12月25日から1月31日の記録で確かめる。確かめるまでは、断定しない
