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式場サイトのポップアップは、料金ページに出さず閉じられ方で決める

式場の公式サイトを開いた途端に、画面の真ん中に「ブライダルフェア開催中」と出て、後ろの写真が暗くなる。多くの二人は、それを無言で閉じます。閉じる場所を探すあいだ、見ていた写真から目が離れます。

僕は、式場サイトのポップアップは「出すかどうか」よりも「どのページに、いつ出すか」で成果が決まると考えています。とくに料金ページには出さないほうがいい、というのがこの記事の結論です。理由は、料金ページが二人にとって「比べるための場所」だからです。この記事では、ポップアップを出す前に決める3つの条件、料金ページを外す理由、閉じられ方から出す場所を見直す手順、効果の見積もり方を、判断の条件として整理します。数字の例はすべて僕が置いた仮の前提で、実測ではありません。

ポップアップは「見つけてもらう」ではなく「次の一歩」を渡す道具

ポップアップに期待されがちな役目は、サイトに来た二人にフェアを知ってもらうことです。でも、サイトを開いた二人はすでに式場名を知っています。広告や媒体で見つけてもらった後の段階です。だからポップアップの本当の役目は、知らせることではなく、「今の気持ちに合った次の一歩」を見せることです。

次の一歩は、見ているページによって変わります。実例ページを見ている二人は「雰囲気を確かめたい」状態です。会場紹介を見ている二人は「広さや設備を知りたい」状態です。料金ページを見ている二人は「いくらになるかを他と比べたい」状態です。全ページに同じフェア案内を出すと、このうち二つは、いまの気持ちとずれます。

出す前に決める3つの条件

ポップアップを入れるツールは、設定しだいでどのページにも出せてしまいます。出す前に、次の3つだけ決めておきます。

1つ目は、出すページです。全ページ一括にしません。実例ページと会場紹介ページから始めるのが無難だと考えています。理由は、この二つは「見て気に入った」状態で、次の一歩を渡しやすいからです。

2つ目は、出す時です。ページを開いた瞬間には出しません。ページを一定の深さまで読み進めた後か、そのページに一定の時間いた後にします。読み始めの二人は、まだ中身を見ていません。数秒で出る案内は、中身より先に目に入って邪魔になります。

3つ目は、閉じたあとの扱いです。一度閉じた二人に、同じ訪問のあいだ、もう一度出してはいけません。閉じた二人は「要らない」と答えています。何度も出ると、サイトそのものが煩わしくなります。ツールには「一度閉じたら一定期間出さない」設定があるはずなので、確認してください。

料金ページに出さない理由

料金ページに来た二人は、他の式場の料金ページを別のタブで開いて、並べて見ていることが多いはずです(僕の見立てで、数字の裏づけはありません)。このとき必要なのは、数字の読み取りに集中できる画面です。そこにポップアップが出ると、二つのことが起きます。

  • 閉じる操作のあいだ、数字を追う作業が止まる
  • 「資料を見ようとしたら、売り込みが出た」という印象が、料金の印象に混ざる

料金の見せ方は、サイトの中でもいちばん信頼が問われる場所です。そこに売り込みのような動きを入れると、書かれている数字まで割り引いて読まれかねません。料金ページの下に、静かなリンクで「この金額で見学できるプランを見る」と置くほうが、比較の邪魔をせずに次の一歩を渡せます。

例外もあります。料金ページを長く読み進めたうえで、ページの最後まで来た二人です。ここでは、画面の隅に小さく出す形なら邪魔になりにくいと考えています。画面の中央を覆うものは、料金ページでは避けてください。

閉じられ方で出す場所を見直す

出したあとは、どれだけ押されたかだけを見ても、判断を誤ります。見るのは「押された数」と「閉じられた数」のペアです。

多くのポップアップツールは、表示数、クリック数、閉じた数を出してくれます。ページごとに、次の2つを並べます。

  • 表示された回数に対する、クリックの割合
  • 表示された回数に対する、閉じられた割合のうち、表示から1、2秒で閉じられた割合

後者が高いページは、内容を読まれずに閉じられています。ここは出す場所がずれているか、出すのが早すぎるかです。出す時を深く読んだ後にずらすか、そのページからは外します。

反対に、クリックの割合がふつうでも、そのページからの見学予約が増えていなければ、ポップアップを出す意味は薄いかもしれません。クリックした二人が予約ページまで進んだかを、ツールか解析で追ってください。ここまで追えない環境なら、最初は一つのページだけで出して、出す週と出さない週を交代で比べるのが簡単です。

仮の前提で効果を見積もる

始める前に、どのくらい動けば元が取れるかを、仮の前提で見積もります。以下は僕が置いた仮の数字です。実測ではありません。

visits_per_month = 3000       # 実例ページの月間訪問(仮)
shown_rate = 0.30             # 一定の深さまで読まれてポップアップが出る割合(仮)
click_rate = 0.02             # 表示に対するクリック(仮)
reserve_rate = 0.15           # クリックから見学予約まで進む割合(仮)
shown = visits_per_month * shown_rate
clicks = shown * click_rate
reservations = clicks * reserve_rate
print(shown, clicks, reservations)

この前提だと、表示は月900回、クリックは18回、見学予約は月に約2.7組です。月に2.7組が増えるなら、設定の手間に見合う会場は多いはずです。ただ、クリック率が0.5%まで落ちると、予約は月に0.7組足らずです。このぐらいなら、元の「ページ下の静かなリンク」でも拾える数かもしれません。

見るべきは、どの前提が崩れたら元が取れなくなるかです。ここでは、クリックの割合が分かれ目です。始める前に、いまのサイトの月間訪問数を確かめて、その3割が深く読む二人だと仮定したときの数字を、一度書き出してください。

出すものの中身も一つに絞る

ページと時を決めたら、出す中身も一つに絞ります。フェアの案内、LINE 登録、資料請求を、一枚に全部入れません。ボタンが3つあると、二人はどれも押さずに閉じます。

実例ページなら、いま見ている実例に近い人数のフェアを一つだけ出す。会場紹介ページなら、その会場を見学できる日程の案内を一つだけ出す。こうして、ページの話題とポップアップの話題をつなげます。つながっていれば、突然割り込まれた感じが薄まります。

文面は、特典の期限で急がせません。「今月中の予約で〇〇」は、迷っている二人には圧に見えます。見学で何が分かるかを一行で書けば足ります。

スマホでは画面を覆わない

式場サイトを見る二人の多くはスマホです。スマホの画面は小さいので、中央に出るポップアップは、画面のほとんどを覆います。閉じるボタンが小さいと、押し間違えて別のページに飛ぶこともあります。

スマホでは、画面の下端に細く出す帯にするか、ページの途中に差し込むカードにするのが現実的です。検索側でも、スマホで本文を覆う表示は評価の面で問題にされる、という方針をGoogleが出しているはずです。細かい基準は変わりうるので、導入前にGoogleの公式ガイドラインで、いまの扱いを確認してください。ここは僕が数字で裏づけていない部分です。

パソコンでは中央に出して、スマホでは帯にする、と出し分けられるツールが多くあります。出し分けができないツールなら、スマホだけ出さない設定にします。出さないほうが、成果への影響は小さいと考えています。

すでに予約した二人には出さない

出す対象の外し方も、先に決めます。見学予約を済ませた二人に、また「フェア開催中」と出すのは、いちばん避けたい形です。予約済みなのに案内が出ると、「予約が通っていないのでは」と不安になります。

予約が完了したブラウザには、出さない印を残す設定がツールにあるか確認してください。予約完了ページを見た端末には、一定期間、ポップアップを出さない。これだけで、混乱の大半は防げます。予約システムとツールが別でも、完了ページにタグを一つ入れれば足りるはずです。

月1回の見直しの手順

出したら、月に1回だけ、次の順で見直します。

  1. ページごとに、表示数、クリックの割合、すぐ閉じられた割合を並べる
  2. すぐ閉じられた割合が高いページを一つ選び、出す時を深く読んだ後にずらす
  3. 1か月後に同じ数字を見て、変わらなければそのページから外す
  4. 外したページの数字は消さず、理由を一行残しておく

一度に複数のページを変えないでください。変更を重ねると、数字が動いても理由が分からなくなります。どの変更が効いたのか分からなくなります。外した理由を残しておくと、会議で「前にやって効かなかった」と言い合うだけで終わらず、半年後に「このページにも出そう」と言い出した人に、数字で答えられます。

まとめ

  • ポップアップの役目は、知らせることではなく、ページに合った次の一歩を見せること
  • 出す前に、出すページ、出す時、閉じたあとの扱いの3つを決める
  • 最初は実例ページと会場紹介ページから。ページを開いた瞬間には出さない
  • 料金ページは比べる作業の場所なので、画面中央を覆うものは出さない
  • 見るのは、クリックの割合と、すぐ閉じられた割合のペア。すぐ閉じられるページは外すか、出す時をずらす
  • 効果は仮の前提で見積もり、クリックの割合が分かれ目だと分かった上で始める
  • スマホでは画面を覆わず帯にする。予約済みの二人には出さない
  • 中身は一つに絞り、期限で急がせない