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式場サイトのプランナー紹介は、顔写真より「会える確率」で決まる

式場の公式サイトに、プランナーの顔写真と名前、ひとことコメントを載せる。見学に来る前の二人の不安を減らす手として、よく挙がる施策です。実際、誰が出てくるのか分からない会場より、顔が見える会場のほうが予約のハードルは下がる、と僕も考えています。

ただ、載せる前に確かめたいことがあります。ページに載せたプランナーに、予約した二人は実際に会えるのか、という点です。会えないなら、顔写真は期待だけを上げて、来館の場で落とす仕掛けになります。

この記事では、プランナー紹介を載せるか、どう載せるかを、写真の出来ではなく「掲載した人に会える確率」で決める考え方を書きます。構成は、紹介ページが何を減らすのか、会える確率を決める予約の仕組み、掲載の3つの型、前提を置いたモデル計算、載せる前の確認事項の順です。出典になる調査は用意していません。プランナー紹介ページの効果を数字で示した調査を、この記事を書いた時点で確認できなかったためです。数字はすべて、仮に置いた前提の計算です。

紹介ページが減らしているもの

二人が式場の公式サイトを見るとき、会場の写真や料金と並んで探しているのは、「この式場で自分たちを担当するのは、どんな人か」という手がかりです。結婚式の準備は半年から1年にわたって、打ち合わせを何度も重ねます。場所や料理が気に入っても、担当との相性が合わなければ、準備の期間がつらいものになります。二人もそれを分かっています。

紹介ページが減らしているのは、この「知らない人に任せる不安」です。顔と名前が分かると、見学の予約を入れるときの心理的な距離が縮まります。電話で話すのが苦手な人も、予約フォームに入力する前に、相手の雰囲気を知ることができます。

ここまでは、紹介ページを載せる側の理屈として自然です。問題は、減らした不安を見学の当日に回収できるかどうかです。ページで見た人が出てくれば、不安は安心に変わります。別の人が出てくれば、二人は「ページに載っていた人は、どこにいるのだろう」と感じます。小さな違和感ですが、見学の最初の数分で出ると、その後の説明に影響します。

つまり紹介ページは、載せた時点で「この人が担当します」という約束に近いものになります。約束にするなら、守れる仕組みが先に要ります。

会える確率を決めるのは予約の仕組み

プランナー紹介ページに載せた人に会えるかどうかは、見学予約の受け方で決まります。型は大きく3つに分かれます。

1つ目は、指名なしで空いている人が出る型です。予約フォームに担当の選択欄がなく、当日の空き状況で担当が決まります。この型では、掲載した人に会える確率は、掲載人数と在籍人数の関係で決まります。

2つ目は、二人が担当を指名できる型です。紹介ページから担当を選んで予約を入れます。会える確率は高くなりますが、人気の担当に予約が集中します。

3つ目は、担当を事前には決めない型です。紹介ページは「当日はこのうちの誰かが担当します」というチーム全体の紹介にとどめます。

どの型が正しいということはありません。大事なのは、紹介ページの見せ方を、予約の型と揃えることです。指名なしの運用なのに、1人のプランナーを大きく載せているサイトは、約束と仕組みがずれています。

掲載の3つの型

予約の型に合わせて、紹介の載せ方も3つに分けて考えられます。

個人を大きく載せる型

担当者の顔写真、名前、経歴、得意なこと、二人へのメッセージを個人ごとに載せます。載せた人の個性が伝わるので、相性のよい二人には強く響きます。

この型が合うのは、指名できる予約の型と組み合わせたときです。指名できないのに個人を大きく載せると、先ほどの約束のずれが起きます。もう1つ、プランナーの入れ替わりが少ない会場にも向きます。ページの更新が、年に数回で済むからです。

チーム全員を小さく並べる型

在籍するプランナー全員を、同じ大きさで並べます。ひとことコメントを添える程度にして、特定の1人を目立たせません。

この型が合うのは、指名なしで空いている人が出る運用です。どの人が出ても、ページに載っている人のうちの誰かには違いありません。二人が見たいのは「この会場のプランナーは、こういう雰囲気の人たちなのか」という全体の雰囲気なので、個人を押し出さなくても不安は減ります。入れ替わりがあっても、1人分の差し替えで済みます。

役割と進め方を中心に載せる型

顔写真を主役にせず、打ち合わせは何回あるか、誰がどの場面に立ち会うか、連絡はどの手段で取るか、といった進め方を中心に載せます。顔と名前は小さく添える程度か、載せません。

この型が合うのは、プランナー個人の顔出しに難しさがある会場です。写真を載せたくないという本人の意向がある、SNSに写真が広がるのが心配、入れ替わりが多くて更新が追いつかない、といった場合です。不安の原因が「誰か分からない」よりも「何が起きるか分からない」にある二人には、進め方の説明のほうが役に立つこともあります。

前提を置いたモデル計算

ここから、会える確率の違いを数字で見てみます。実在の会場の数字ではありません。以下はすべて、僕が仮に置いた前提です。

指名なしの運用で個人を載せたときの確率

前提を置きます。担当するプランナーは6人。そのうち1人の顔写真を、トップページに大きく載せます。見学予約は担当を指定せず、当日の空き状況でランダムに割り当てるとします。

このとき、大きく載せたプランナーに会える確率は、6人のうち1人なので約17%です。逆に言うと、そのプランナーを見て予約した二人の83%は、別の担当に会います。在籍人数が4人なら会えない確率は75%、8人なら87.5%です。人数が増えるほど、会えない確率は上がります。

もちろん、実際の割り当ては完全なランダムではありません。曜日や時間帯で出る人が偏りますし、予約の時点で「この人が出ます」と案内を返す会場もあるでしょう。それでも、指名なしの運用に個人を大きく載せると、大半の二人にとっては「載っていた人とは別の人」が出てくる確率が高くなる、という構造は変わりません。

指名できる運用にしたときの偏り

次に、指名できる型に変えたとします。前提は、月の見学が30組、そのうち60%の二人が担当を指名するとします。指名の集まり方は、人気の上位2人に8割、残り4人に2割とします。指名しない40%は、6人で均等に割ります。

この前提で計算すると、指名が18組。上位2人にそれぞれ7.2組、残り4人にそれぞれ0.9組が入ります。指名しない12組を6人で割ると、1人あたり2組です。

合計は、上位2人が月9.2組、残り4人が月2.9組になります。1人が月に受けられる見学を7組までと仮定すると、上位2人はそれぞれ約2.2組、合わせて約4.4組の見学が、枠から溢れます。逆に、残り4人は月3組弱しか見学に立ち会えず、枠が余ります。

溢れた二人には、「希望の担当は埋まっているので、別の日か別の担当で」と伝えることになります。この対応が、予約の入口で二人を逃がしやすい場所です。月30組のうち4組強が溢れるなら、仮に成約率を40%とすると、約1.8組分の成約が危うくなります。月の話なので、年間では20組を超える計算です。なお、40%という成約率は、業界紙の試算で前提に使われる値を借りたもので、会場の実績ではありません。自社の数字があれば、そちらに置き換えてください。

この計算で言いたいのは、指名できる運用が悪いということではありません。人気の担当に予約が集中する偏りを、紹介ページが自分で作ってしまう、という点です。指名を受けるなら、上位の人の枠を増やす、指名枠の上限を決める、他の担当への誘導文を用意する、といった受け皿を先に作っておく必要があります。

載せる前の確認事項

紹介ページを作る前に、次の5点を確認しておくと、後から直す作業が減ります。

本人の同意と範囲

顔写真、フルネーム、出身、趣味などを載せてよいか、本人に範囲まで確認します。公式サイトに載った写真や名前は、検索結果やSNSで広がります。本人が思っていた範囲を超えることがあるため、載せる項目を1つずつ聞いておくのが安全です。退職後の扱いも、事前に決めておきます。掲載を外す期限と、外すときの連絡先を書面にしておくと、後からのやり取りが減ります。

入れ替わったときの更新

プランナーが辞めた、異動した、産休に入った。こうしたときに、誰がいつまでにページを直すかを決めておきます。実際に在籍していない人が載り続けるページは、見学に来た二人にそのまま伝わります。逆に、新しい人が入ってもページに載らないままなのも、機会の損失です。更新を担当する人と期限を、運用のルールとして書いておきます。

予約フォームとの連動

個人を載せるなら、予約フォームに担当の選択欄を作るか、予約確認の返信で担当名を案内します。チームを載せるなら、「当日の担当は、ページに載っているプランナーのうちの誰かです」と書いておきます。二人が不安に思う点を、先に説明しておく形です。

成約後の担当変更

見学で会った人と、契約後の打ち合わせを担当する人が違う会場もあります。この場合は、紹介ページに「見学を担当する人」と「契約後に担当する人」を分けて書いておくと、約束のずれが起きません。分け方については、来館担当と契約後担当の分業を扱った別の記事でも書いています。

掲載内容の量

ひとことコメントは、200字以内の短いものが読まれやすいと僕は考えています。長い自己紹介より、「どんな二人の相談が得意か」「打ち合わせで大切にしていること」の2点を短く書いたほうが、読む側が自分の場合に当てはめやすいからです。ここは僕の経験則であり、出典のある数字ではありません。

効果の測り方

紹介ページを載せたあと、効果を確かめる方法は2つあります。

1つ目は、予約フォームの「このページを見て選んだ」という項目を作り、紹介ページを見て予約した二人の数を数える方法です。見学の来場時に、アンケートで「担当を決める前にページを見ましたか」と聞く方法もあります。数が少なくても、傾向は見えます。

2つ目は、掲載前後の見学予約から来館までの離脱率を比べる方法です。予約を入れたのに来なかった二人の割合が、掲載後に下がったかを見ます。ただ、この方法は他の施策の影響も受けます。季節やキャンペーンの時期が重なっていないか、確認してから読んでください。

どちらの方法でも、掲載直後の1か月で結論を出さないほうが安全です。月ごとの来館数の揺れが大きいため、数か月分を並べて比べます。

まとめ

  • プランナー紹介ページは、載せた時点で「この人が担当します」という約束に近いものになる
  • 指名なしの運用で個人を大きく載せると、載せた人に会える確率は、6人在籍なら約17%(仮定)。残りの二人は別の担当に会う
  • 指名できる運用に変えると、人気の担当に予約が集中し、枠から溢れる見学が出る。仮定の計算では月30組のうち4組強が溢れる
  • 予約の型が指名なしなら「チーム全員を小さく並べる型」、指名ありなら「個人を大きく載せる型」を選ぶ。顔出しが難しい会場は「役割と進め方を中心に載せる型」が使える
  • 載せる前に、本人の同意の範囲、入れ替わり時の更新担当、予約フォームとの連動、成約後の担当変更、掲載内容の量を決めておく
  • 効果は、予約フォームの項目や来場アンケートで数え、数か月分を並べて読む