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Googleマップのウェブサイトリンクをフェア予約ページ直通にすると、仮の式場では年9組の差。成約率が35%から26%に落ちるまでは元が取れる

Googleマップで式場を見つけた二人が「ウェブサイト」を押すと、どこに着くか。トップページの会場が多いと思います。ここをフェア予約ページ直通に替えるべきか、という話を書きます。

結論から書きます。前提を置いた仮の計算では、予約率が3%から4%になるだけで、契約が年9組増えます。直通にして予約が増えても、来館した二人の成約率が下がる可能性はあります。ただ、成約率が35%から26%に落ちるまでは、直通のほうが契約数は多くなります。リンク先を変える作業は30分で終わるので、僕は、まず直通で試して数字を見る順番でいいと考えています。

先に断っておくと、この記事に出典はありません。数字はすべて僕が置いた仮の前提で、実在の式場の実績ではありません。マップ経由のクリック数も、ページの予約率も、会場ごとにまったく違うので、自分の会場の数字に置き換えて読んでください。

仮の式場の前提

計算に使う前提を並べます。

  • Googleマップの「ウェブサイト」リンクのクリックは月300回、年3,600回
  • 現状はトップページに着く。そこから予約まで進む二人は3%
  • フェア予約ページに直通すると、予約率は4%から5%になると仮定する(これも想定の数字で、実測ではない)
  • 予約した二人のうち、実際に来館するのは70%
  • 来館した二人のうち、契約するのは35%
  • 契約1組あたりの粗利は105万円(売上350万円、粗利率30%)

予約率の「4〜5%」は、僕の仮定です。トップページから探す手間が1段減るので、上がるのは自然だと思いますが、どこまで上がるかは会場のサイトの作りで変わります。ここは後で、数字を変えて確かめます。

現状の計算

まず、現状(トップページ着、予約率3%)を計算します。

  • 年3,600クリック × 3% = 年108件の予約
  • 108件 × 来館70% = 年75.6組の来館
  • 75.6組 × 成約35% = 年26.5組の契約

マップ経由だけで年26組ほどが契約になる、という計算です。これが、リンク先を変える前の基準になります。

直通にした場合

予約率が4%になった場合と5%になった場合を並べます。

予約率 年の予約 年の来館 年の契約 基準との差
3%(現状) 108件 75.6組 26.5組
4% 144件 100.8組 35.3組 8.8組
5% 180件 126.0組 44.1組 17.6組

予約率が1ポイント上がるだけで、年8.8組の契約増になります。粗利にすると約926万円です。5%まで上がれば、年17.6組、約1,850万円になります。

もちろん、これは「来館した二人の質が変わらない」という前提の数字です。次の節で、その前提を外します。

直通で何が起きうるか

トップページ着のときは、二人が会場の写真や料理、料金を見てから予約ボタンを探します。見てから押す人は、会場に関心が強い人です。

直通にすると、フェアの日程が先に出ます。会場をまだよく知らない二人も、「見るだけならいいか」と予約を入れやすくなります。予約は増えますが、その分、来館後に「思っていたのと違った」と感じる二人も混ざるはずです。つまり、来館者が増える一方で、成約率は下がる側に動きます。

問題は、どこまで下がったら損になるか、です。

成約率の損益分岐

直通にして予約率が上がったとき、契約数が現状と同じになる成約率を計算します。

  • 予約率4%の場合:年100.8組の来館で、現状の26.5組と並ぶ成約率は26.3%
  • 予約率5%の場合:年126.0組の来館で、並ぶ成約率は21.0%

成約率が35%から26%に落ちても、予約率が4%に上がっていれば、契約数は変わりません。5%に上がっていれば、21%まで落ちても同じです。

つまり、成約率が多少落ちること自体は、損ではありません。予約が増えた分が、落ち込みを埋めます。損になるのは、予約率があまり上がらないのに成約率だけ大きく下がったときです。たとえば予約率が3.2%にしか上がらず、成約率が30%に落ちると、年24組ほどの契約になって、現状の26.5組を下回ります。

来館の質を落とさない置き方

成約率の落ち込みを小さくするには、直通ページに最低限の材料を置きます。

  • フェアの内容は、試食・模擬挙式・見積もり相談のどれが中心かを1行で書く
  • 所要時間(たとえば2時間半)を書く
  • 予約ボタンの前に、会場の写真を3枚ほど置く
  • 料金の目安は、載せている会場ならそのまま、載せていない会場は「見積もりの出し方」の説明だけ置く

この4つは、トップページを経由しなくても「どんな会場か」が分かる最低ラインです。予約ページの上のほうに置けば、二人は日程を選ぶ前に会場を見られます。

試し方

リンク先を替える作業は、Googleビジネスプロフィールの管理画面でURLを書き換えるだけです。ただし、効果を測るには準備が要ります。

  1. 替える前の1か月、マップ経由の予約数と来館数を控える。予約フォームの「何を見て知りましたか」の項目があれば、それを使う
  2. 直通に替えて、同じ期間だけ回す
  3. 予約率(予約数 ÷ クリック数)と、来館後の成約率を、替える前と並べる

クリック数はGoogleビジネスプロフィールの管理画面で見られます。会場ごとに表示される項目は違うので、自分の画面で確認してください。成約率は来館した二人が契約に進むまで1〜2か月かかるので、判断は早くても3か月後です。

季節の波にも気をつけます。春と秋は繁忙期で、夏と冬は閑散期の会場が多いです。1か月ごとの比較は、季節の差を拾ってしまいます。できれば前年同月と並べて見ます。

直通にしないほうがいい会場

直通にしないほうがいい会場もあります。

ひとつは、フェアの枠がほとんど埋まっている会場です。予約が増えても受けられないので、予約ページに「満席」が並ぶだけになります。この場合は、トップページで会場の魅力を見せたほうが、枠が空く時期に予約が入ります。

もうひとつは、見学の入口が電話か来館予約フォームで、フェア予約ページがない会場です。直通先を新しく作るところから始めることになるので、作業が30分では終わりません。

数字を変えて確かめる

最後に、前提を動かして結論が崩れないかを見ます。クリック数が月150回、つまり年1,800回の会場なら、基準の契約は年13.2組です。予約率が4%に上がれば、差は年4.4組、粗利で約463万円になります。クリックが半分になれば、差も半分になります。

比率は変わりません。損益分岐の成約率は、クリック数によらず、予約率だけで決まります。4%なら26.3%、5%なら21.0%です。会場の規模が違っても、見るべきなのは「予約率がどれだけ上がったか」と「成約率がどこまで落ちたか」の2つだけです。

もう一つ、来館率70%の前提も動かします。来館率が60%なら、年の来館は4%で86.4組、契約は30.2組で、基準の26.5組との差は8.8組から3.8組に縮みます。これは、基準側の来館率も60%に揃えたときの話ではなく、直通だけが60%に下がった場合の数字です。予約は増えても、来ない二人が増えるなら効果は薄くなります。予約の前日にリマインドを送る運用があるなら、ここは70%を保てます。

マップを見る二人の状態

リンク先を決める前に、マップから来る二人がどういう状態かを考えます。マップで式場を探す二人は、住所と距離で候補を絞っている段階にいることが多いと思います。「会場の雰囲気を知りたい」より先に、「行ける範囲か、いつ空いているか」を確かめたい。これは僕の推測で、調査があるわけではありません。ただ、仕組みとしては、マップはもともと場所と営業時間を見るための道具です。そこから押される「ウェブサイト」は、会場を一から説明してもらうための入口とは限りません。

この見立てが当たっているなら、トップページに着いた二人は、見たいものを探して回ることになります。探している途中で離れる二人は、予約率に表れない損失です。直通にして取り戻せるのは、この「探して離れた二人」です。

逆に、見立てが外れていて、マップから来る二人の大半が会場の雰囲気から知りたい二人なら、直通の効果は小さくなります。予約率が3.1%にしか動かない、ということも起こります。その場合でも、直通ページに写真と所要時間を置いてあれば、損はありません。トップページと同じ情報が1ページに入っているだけだからです。

他の入口との関係

リンク先は、マップのウェブサイトボタンだけではありません。Instagramのプロフィールリンク、広告、結婚情報サイトの掲載ページからの遷移先も、同じ問いを持っています。入口ごとに、二人の状態が違うからです。

  • 結婚情報サイトから来た二人は、すでに複数の会場を比べている段階で、予約ページ直通が合いやすい
  • 広告から来た二人は、広告の文言で期待が決まっているので、その約束を受けるページに着かせる
  • マップから来た二人は、場所と空きを確かめたい段階にいるかもしれない

入口ごとにリンク先を変えると、管理するページが増えます。会場の人手が少ないなら、全部を直通にするのではなく、まず数字の大きい入口から1つずつ替えるのが現実的です。マップはクリック数が管理画面で見られるので、規模の見当をつけやすい入口だと思います。

計測の落とし穴

リンク先を替えたあとの計測で、見落としやすい点が2つあります。

1つ目は、マップの「予約」「電話」といった別のボタンの動きです。ウェブサイトのクリックが減っても、電話が増えていれば、二人は別の道で問い合わせています。ウェブサイトのクリックだけで比べると、効果を過小に見ます。電話の件数も、同じ期間で控えておきます。

2つ目は、予約フォームの「何を見て知りましたか」が空欄になる二人です。空欄が多いと、マップ経由の予約数が実際より少なく見えます。リンクの末尾に計測用の目印をつけられるなら、それが一番確実です。つけられないなら、替える前後で空欄の割合がどう変わったかも並べておきます。

どちらも、数字を取り逃がして「効果なし」と判断してしまうことを防ぐための準備です。

まとめ

  • Googleマップの「ウェブサイト」リンクを直通にすると、仮の式場(月300クリック)では、予約率が3%から4%で年8.8組、5%で年17.6組、契約が増える
  • 来館者が増えれば成約率は下がりうる。ただ、予約率が4%になるなら成約率が26%、5%なら21%まで落ちても、契約数は現状と同じ
  • 損になるのは、予約率があまり上がらないのに、成約率だけ大きく落ちた場合
  • 直通ページには、フェアの内容、所要時間、会場の写真、料金の見せ方の4つを置くと、来館の質が落ちにくい
  • 効果は、予約率と成約率を替える前と並べて見る。成約まで時間がかかるので、判断は3か月後
  • フェアの枠が埋まっている会場、直通先がない会場は、先にそちらを整える