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公式サイトのコラムを月4本更新すると、仮の式場では年132万円。記事の月間閲覧が10なら、来館予約率0.1%で1年目から元が取れる

公式サイトに、式場選びのコラムを載せ続けるべきか。「会場の選び方」「前撮りはいつ撮るか」「親族紹介の流れ」のような記事を、月に何本か更新する運用です。検索から二人を連れてくる王道の手だと言われますが、書く手間は毎月かかります。成果は、すぐには見えません。

だから、続けるかどうかは気分で決まりやすい。担当者が忙しくなった月に止まり、半年後に「やっぱり再開しよう」と言い出す、という流れをよく見ます。

結論を先に書きます。月4本を外注して1年続けると、仮の式場では費用が年132万円です。来館1件の期待粗利を42万円と置くと、元を取るのに必要な来館は年3.1件。記事1本あたりの月間閲覧が10あれば、閲覧のうち0.1%が来館予約に進むだけで、1年目から元が取れます。分かれ目は、記事1本あたりの閲覧数と、読んだ人の何割が予約に進むかの2つです。この記事では、この2つを動かして、いつ戻るかを計算します。

数字はすべて僕が置いた仮のものです。出典のある調査の数字は使っていません。自分の会場の数字に置き換えて使ってください。

仮の式場を置く

前提を並べます。

  • 来館した二人の成約率は30%、粗利は1組140万円。来館1件の期待粗利は 140万円 × 30% = 42万円
  • コラムは月4本、年48本。1本の外注費は2.5万円(構成と執筆、画像の手配まで)
  • 式場側の確認は1本1時間。時給換算で2,500円として、1本あたり0.25万円
  • 記事は公開してから残り続け、閲覧は毎月一定で入ると置く(あとで崩します)
  • 記事は年を通して均等に出すので、その年に公開した記事は、平均して6.5か月ぶん読まれる

費用の合計は、外注が 2.5万円 × 48本 = 120万円、確認が 0.25万円 × 48本 = 12万円で、年132万円です。

元を取る来館の数は、132万円 ÷ 42万円 = 3.14件。年に3.1件、検索経由で来館する二人が増えれば、1年目の費用は戻ります。

閲覧数の積み上がり方

コラムの費用は毎年かかりますが、閲覧は毎年足されていきます。去年書いた記事が、今年も読まれ続けるからです。ここが、広告と違うところです。

記事1本の月間閲覧を N と置きます。1年目の延べ閲覧は、48本 × 6.5か月 × N = 312N。2年目は、1年目の48本が12か月ぶん読まれて 576N、新しい48本が 312N で、合わせて 888N になります。3年目は 1,464N です。

記事1本の月間閲覧 1年目の延べ閲覧 2年目 3年目
5 1,560 4,440 7,320
10 3,120 8,880 14,640
20 6,240 17,760 29,280

(この表は各年の閲覧です。累計ではありません。)

月間閲覧が10というのは、検索で1日に0.3回くらい読まれる、という大きさです。大手のポータルサイトの記事に比べれば、かなり小さい。それでも、48本が積み上がると、3年目には年に14,640回読まれます。

元を取る線

元を取るのに必要な、閲覧のうち来館予約に進む割合を、年ごとに出します。2年目と3年目は、費用も年132万円ずつ積みますので、累計の費用を累計の閲覧で割ります。

記事1本の月間閲覧 1年目で元を取る線 2年累計で元を取る線 3年累計で元を取る線
5 0.20% 0.10% 0.07%
10 0.10% 0.05% 0.04%
20 0.05% 0.03% 0.02%

月間閲覧が10で、閲覧1,000回のうち1回が来館予約になれば、1年目で戻ります。1,000回に1回と聞くと、低すぎるように見えるかもしれません。ただ、コラムを読むのは、式場名を知らずに「結婚式 見学 持ち物」のような疑問で検索してきた人です。その人が、読んだだけで予約フォームまで進むことは、ふつうは多くありません。

ここで確かめたいのが、閲覧の中身です。仮に、閲覧の3割が商圏の外、つまり遠方の人や、すでに別の式場で契約した人だとします。そうなると、予約に進む割合は、商圏内の閲覧だけで見る必要があります。

商圏内が3割なら、先の0.10%は、商圏内の閲覧に対して0.33%になります。商圏内の300回のうち1回、ということです。この言い方のほうが、現場の肌感に近いと思っています。

前提を動かす:閲覧が減る

最初に置いた「閲覧は毎月一定」は、楽観的です。季節で動きますし、同じテーマで他の媒体の記事が増えれば、順位は落ちます。

月間閲覧10の記事が、公開から1年で半分の5に落ちると置き直します。2年目と3年目の閲覧は、先の表より少なくなります。おおまかには、2年目の延べ閲覧が8,880から約6,000、3年目が14,640から約8,700くらいに減ります(48本の古い記事が半分に落ちる前提での手計算です)。

この場合、3年累計で元を取る線は0.04%から約0.05%に上がります。月間閲覧10の記事が半分に落ちても、モデルの上では黒字の結論は変わりません。

結論が変わるのは、そもそもの N が小さいときです。

記事1本の月間閲覧 来館予約率0.1%の1年目の損益 2年累計 3年累計
5 −66万円 −12万円 +163万円
10 −1万円 +240万円 +723万円
20 +130万円 +744万円 +1,842万円

月間閲覧が5、予約率が0.1%という置き方では、3年目まで赤字です。それでも3年累計では黒字に転じます。ただ、3年かかる計算ですから、担当者が1年で替わる会場では、続けるのが難しい。

判断の分かれ目

ここまでの計算から、判断を3つに分けます。

1. 月4本をやめて、月2本にしたほうがいい場合

費用は半分の年66万円ですが、閲覧の積み上がりも半分です。月間閲覧が10で予約率0.1%なら、1年目の損益はほぼ0円、2年累計は +120万円、3年累計は +362万円になります。

本数を半分にすると、損益は半分になるだけです。費用を抑えたいときには使えますが、「やるなら本数が効く」という構造は変わりません。逆に、1本あたりの閲覧が20以上取れる自信があるなら、本数を増やすほど積み上がります。

2. 外注しないで内製する場合

外注費の120万円がゼロになるかわりに、書く時間が1本あたり3時間かかるとします。時給2,500円換算で、年48本 × 3時間 × 2,500円 = 36万円と、確認の12万円で、合計48万円です。

金額だけ見ると、外注の3分の1になります。ただ、プランナーが書くなら、その3時間は接客や打合せの時間から引かれます。人が足りていない会場では、この36万円は、実際には足りない時間を削る別の損になります。内製は、金額が安くても、時間が余っている人がいるときだけ選べます。

3. 書くテーマで予約率は大きく動く

予約率0.1%は、置いた値です。実際は、記事のテーマで大きくずれると考えています。

  • 「結婚式の流れ」のような広いテーマは、閲覧は取れても、予約率はかなり低い
  • 「〇〇市で人気日の仮押さえはいつまでか」のような地域名と結びつくテーマは、閲覧が少なくても、予約率が高い

閲覧数と予約率は、片方を上げるともう片方が下がる関係です。広いテーマは閲覧が多く、地域のテーマは予約率が高い。どちらが効くかは、書いて半年たたないと分かりません。

半年で続けるかを決める線

3年待たなくても、半年で続けるかやめるかを分ける線を、先に置けます。

半年たつと、記事は24本になります。このとき月間に入る来館予約が、いくつあれば順調か。年3.1件が元を取る線ですから、月あたり約0.26件です。ただ、これは1年目の通期の線で、半年時点で記事は24本しかありません。

1年目の線を月で分けると、こう置けます。

  • 1年目の延べ閲覧が3,120(N=10)なら、月に入る閲覧は、半年時点で約240、1年時点で約480
  • 半年時点で、月の来館予約が0.2件(5か月に1件)に届いていれば、1年目の線の途中にいる
  • 半年たっても、コラム経由の来館予約が1件も無いなら、閲覧そのものが足りない可能性が高い

半年で見る数字は、次の3つです。

  • コラム全体の月間閲覧(アクセス解析で見られる)
  • コラムを入口にした予約フォームの到達数
  • 予約フォームで「どこで知ったか」を聞いている場合の、コラム経由の件数

3つ目が取れていない会場は、先に取れるようにしてから始めるほうが、あとで判断しやすいと思っています。予約フォームの流入元を見られない状態でコラムを続けると、半年後に「効いているのか分からない」ままになります。

始める前に確かめること

費用と効果は計算できますが、始める前に確かめることが3つあります。

  1. いまの公式サイトに、月間でどれだけの人が来ているか。ゼロに近いサイトにコラムを足しても、記事が見つけられるまでに時間がかかります
  2. 予約フォームの流入元が、記事のURLごとに見られるか
  3. 記事の更新を担当する人が、半年後も同じ人か

1と3は、モデルに入っていません。モデルは、記事が出れば読まれる前提で動いているからです。実際には、記事が出ても読まれないことのほうが多い。その意味で、先の表の「月間閲覧10」は、小さい値ではなく、達成できるかどうかの線として見るほうがいいと考えています。

まとめ

  • コラムを月4本、外注して1年続ける費用は、仮の式場で年132万円。元を取る来館は年3.1件
  • 記事は積み上がる。月間閲覧が1本10なら、1年目の延べ閲覧は3,120、2年目は8,880、3年目は14,640
  • 月間閲覧10なら、閲覧の0.1%が来館予約になれば、1年目から元が取れる。月間閲覧5なら3年目まで待つことになる
  • 閲覧の3割が商圏外なら、予約率は商圏内の閲覧で見直す。0.1%は商圏内で0.33%
  • 本数を半分にすると損益も半分になる。内製は金額が安くても、時間の余っている人がいるときだけ選べる
  • 半年で、コラム経由の来館予約が1件も無いなら、閲覧が足りない。始める前に、流入元を見られるようにしておく